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梶哲日記

鉄鋼流通業相談役の日々

傾聴(その1)

2021年12月25日 06時27分28秒 | Weblog
会社での仕事が終わり自宅に帰ってから、夕食時に家内が私に話しかけます。私は聞いているつもりで「うん、うん」とあいづちをしますが、家内からは「聞いてる?」との言葉が返ってきます。言い訳ではありませんが、男は仕事から帰っても頭に会社での出来事が残っていて、家内の話しを聞く集中モードになっていないのです。後日家内からその話が出された時、私は「えっ、そうだった⁈」と言うと、家内から「あなたは人の話を聞いていない」と案の定、手厳しい言葉の返戻となるのです。

娘が悩み事について、ちょっと話を聞いてもらいたいと言います。この時ばかりはしっかりと聞いて相談に応じようとします。実情を話し終えてた娘からの言葉も少なくなります。そのような時、私は何かを言わなくてはとの気持ちが湧いてきて、自分の意見を言い出します。すると娘の表情が硬化してくるのです。私は自分の考えを押し付け、誘導しているのではないかと反省することがあります。あらためて私の意見を聞かれない限り、ただ聞いてあげるだけで良かったのかもしれません。

現在会社で、会長の私が行っているのは、社長からの相談に応ずることです。いわゆるホウレンソウ、報告・連絡・相談を受けることです。それに対しては、既に指示や命令など一切していません。報告や連絡については、質問をしながら、社長の不足を補うことや私の示唆もあってもいいと思っています。相談であれば私の意見を言えます。それでも、社長の選択肢の一つとして、最終的には社長の判断に委ねています。私の役割として、大半は聞くことに徹しているつもりです。

人の話をきくにしても、「聞く」と「聴く」があります。違いは何なのでしょうか。更に「傾聴」との言葉もあります。どのようなことなのでしょうか。母親も子供の話しをしっかりと聴いてあげないと、その子の将来に影響すると言われています。「話し方」の本やセミナーは沢山ありますが、それに比べ「聴き方」の方は殆どありません。それでも最近「聴く力」など耳にします。そのロジカルな分野は、まだブラックゾーンのような気がします。

自分は果たして聴く力がどれだけあるのか。その問題意識があり、「傾聴」についてここ何年かで関心が増しています。私は自宅に居ることが日常となりました。先ずは過去の自分から距離を置くことが大事だと思いつつ、「次の人生設計をどうするか」との気持ちも正直あります。ネットで調べ、ある協会が主催する傾聴セミナーがあることを知って、年内にと意を決し、一週間前(12月18日)受講することにしました。

その協会は、傾聴に関する啓蒙や講習会・講演会を開催している一般社団法人でした。ネットで調べただけでしたので、受講する直前までどんなところなのか疑心暗鬼でした。当日都心にあるセミナー会場に行ってみると協会の事務所があり、その隣が小さいながら会場となっていました。講師の方が既にいらっしゃって、受講生では私が一番乗りで、後から受講生が2人現れます。講師の方も他受講生も全員女性でした。講師を取り囲むように席はロの字で、皆の顔が見える形でセミナーがスタートしました。

セミナーの詳しい内容は次回話をさせてもらいます。ただし一日の受講を終えた後の感想だけを伝えますと、今まで自分には見えていない別の世界があることを知りました。傾聴に関連したテーマの中には目から鱗が多く、傾聴は他人の話を聴くために単に耐えることではなく、スイッチの切り替えが大切であることが分かりました。そして傾聴するには、他者より自分を知ることであり、自分に対してできることが他者に対してもできることではないか、との糸口を見出したように感じました。

講義はたっぷり8時間、組み立てやどのような運びになるのかも興味がありました。『傾聴1日講座(基礎)』のイラストが入ったレジメがあり、それに沿って進んでいきます。おおよそ講師が読んで解説しますが、受講生に読んでもらって質問を受けながら講師が解説する場面もあります。講師だけの一方通行にならず緊張感がありました。あるテーマでは少し時間を与えられ、受講生が考え、話し役と聞き役に分かれ発表し合い、それについて互いにフィードバックするロールプレイングをします。受講者が参加する形の工夫がなされていました。

テーマを与えられ短時間で発表するには、今までの体験・経験に裏打ちされた事柄となります。初対面で相手の過去や現在のプライバシーに立ち入ったかのような不思議な体験をしました。悩みや惑いや目指したい人生など、参加者や講師も含め、少人数もあってか、皆さんの生き様が伝わってくるセミナーでした。     ~次回に続く~
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キャンピングカー(その3)

2021年12月18日 05時10分34秒 | Weblog
キャラバンの走行距離は7万㎞ほどです。16年乗っていますので、年間走る距離としては4千㎞ちょっととなります。タイヤの総入れ替えはしましたけれど、これまで大きな故障はありません。前回書きました、軽キャンパーを最近街中で見掛けます。今までのキャンピングカー(中型)の良いところを取り入れ、コンパクトで機能的で価格は200万円前後です。キャラバンがある程度の下取り値段が付くのであれば、いっそのこと買い替えも考えていました。

そんな矢先キャラバンのエアコンが故障し、またサブバッテリーも壊れてしまいました。車窓のガラスを押さえるラバーも経年変化し、雨漏りはしないまでも硬化・萎縮し原型を止めていません。ボディの小さな傷も目立ちます。思い起こせばこのキャンピングカーは父のプレゼントです。買い替えをしないで、この際全てを直しました。総額30万円を超えましたが、先々も快適に乗れる投資と思えば割り切れます。

そのキャラバンで今年、全走行1,700㎞の旅をしました。車ごと北海道に渡り本州に戻ってくる、家内と2人の6泊7日の行程でした。私のキャラバンは今まで本州を離れたことはなく、フェリーで北海道へ行くことは長年の念願でした。フェリー内で1泊して北海道に渡り道内で3泊して、またフェリーに乗って本州に戻りそして2泊する行程です。

自分で企画する長期の旅となると、楽しみは計画段階から始まります。大まかな枠組みを決めて、泊まる所 (ホテルやキャンプ場) の手配や今回はフェリーの予約、立ち寄りたい所のチェックやルート設定、毎日の行程・時間調整など、徐々に細部に亘って検討します。この段階でワクワクしてきます。実際の旅で、楽しみは最高潮となります。旅が終わった後、回想や行った所を調べ直してみて、楽しみは増幅します。自分で計画する旅には、この三つの楽しみがあると思っています。

キャンピングカーを主体とした今回の長旅で留意したのは、睡眠、休息、風呂、洗濯などです。勿論キャンピングカー内で寝れますが、連日となると疲れがたまってしまいます。オートキャンプ泊の間にサンドウィッチのようにホテル泊をはさみました。ホテルであれば体もゆっくりでき、風呂にも入れ、洗濯もできます。一方オートキャンプ場のチェックイン・チェックアウトの時間は、おおよそ午後1時から翌日12時までですので、ホテルよりも余裕を持った時間が過ごせます。

そして、今回の日程コースは以下のようになりました。(1日目)自宅→大洗/フェリー泊、(2日目)苫小牧→日高→トマム/ホテル泊、(3日目) トマム→支笏湖→洞爺湖/キャンプ場泊、(4日目)洞爺湖→江刺→函館/ホテル泊、(5日目)函館/フェリー→大間→むつ→三沢/キャンプ場泊、(6日目)三沢→中尊寺・毛越寺→一関/旅館泊、(7日目)一関→自宅。

旅のスタートは、フェリーへの乗船からとなりました。船内へ車を自走するのも今回初体験でしたが、思っていたよりスムーズに行えました。さすが北海道に渡る車はキャンピングカーやバイクが多く、これからの旅への期待感がいやがおうにも増します。その後の道中の詳細は省略します。旅のしめは、家内も私も初めて訪れた中尊寺と毛越寺。奥州藤原氏の栄華を今に伝えている名所でした。私たちが行った時期は毎日天候にも恵まれ、アクシデントもなく無事帰宅しました。

飲食について一言です。オートキャンプ場での夕食は、折角ならば地元の魚介類を食べたく、その買い出し先は漁港近くの海鮮市場となります。副菜などはコンビニで揃えれば、豪華な食卓となります。忘れてならないのは地酒。関東には出回らない、美味しい地酒を味わうのも旅でのこだわりです。早い時間にキャンプサイトに着いたら、ちびりちびりと地酒を飲めば、新鮮な空気と大自然の風景も酒の肴となります。

自作自演の今回の旅も、キャンピングカーがバリエーションを広げてくれました。自分で企画したものを、実際に検証して、スムーズに終われば、達成感や満足感で満たされます。しかし事前の計画はあくまで予定です。体調の具合とか不慣れな道路事情もありますので、道中よくばって無理をしないのが長旅の秘訣だと思いました。

旅は非日常です。慣れてしまった日常があるから、心を開放してくれる非日常を求めたくなります。松尾芭蕉も種田山頭火もそれを熱望したのでしょう。昔の旅人には相当な苦労がありました。今や格段の便利さを享受できます。パソコンやスマホがあればどこにいても不自由さを感じません。バンライフは、個性的な非日常を更にサポートしてくれることになります。






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キャンピングカー(その2)

2021年12月11日 05時17分49秒 | Weblog
『カーネル』という雑誌があるそうですが、皆さんは何の雑誌か分かるでしょうか。「クルマで寝る=カー寝る」という意味で、「車中泊を楽しむ雑誌」として既に50号を発行しているようです。この車中泊専門誌『カーネル』の編集長をしている大橋保之さんが著した『やってみよう!車中泊』が、書店で目に留まり最近読みました。この中で、このような雑誌があることを知りました。

「少年の頃押し入れの中に入って遊んだこと。暗闇で狭いのに自分の宝物を持ち込んでワクワクしたこと。まさに自分だけの秘密基地だった」。大橋さんは、最近の車中泊の人気の秘密は、実はこの押入れ体験と通じるものがあると言います。「大人になってあの胸躍る気持ちを感じることができる。しかもお気に入りの場所に行ってみて、そこであの気分が味わえる」。本書は、一般車の車中泊をメインにしたノウハウやアイテムを紹介しつつ、キャンピングカーも包括した車中泊全体を捉え、話しを進めています。

「そもそも車中泊が広まったのは、1980年代後半からのスキーブームが大きく関係している。大混雑のスキー場で、朝の駐車場やリフト待ちを少しでも回避する方法が車中で前泊することだった。そうしてアウトドア・アクティビティを早朝や夜に楽しむために、前泊や後泊の手段として車中泊は自然と広がっていった。現在は多種多様化してきているところも車中泊の面白さだ」。著者は車中泊の進化を追っています。私が昔乗っていた車プレーリーで、旅に出て寝ていたのはカーネルの原点だったのでしょう。

それにしてもコロナ禍で、車中泊の浸透が進んでいます。
アウトドア キャンプ オートキャンプ バーベキュー 焚火 ソロキャンプ バンライフ ワーケーション リモートワーク ノマドワーカー アドレスホッパー ドライブ 旅 史跡巡り 温泉スパ グルメ RVパーク 道の駅 緊急災害避難
車中泊関連でネットや雑誌等で、ワードクラウドの手法(出現頻度が高い単語をその頻度に応じた大きさで図示)を使うと、このようなワードが続々と出てくると思います。 

この中のバンライフとは、VAN(ハコ車)とLIFE(生活)とを掛け合わせた造語で、車を中心とした生活スタイルのことを指します。自分の衣食住に必要な物だけを車に積み込むミニマムな暮らしで、そんなカルチャーの提案でもあり、このような言葉も定着しつつあります。「クルマを止めた場所があなたの家」。そのような表現がぴったりなのがバンライフです。

私がキャンピングカーを購入して16年経ちました。当時はオートキャンプをする人は少数派でした。少し遅れて、夫が定年退職となり熟年夫婦が旅をするのにキャンピングカーが注目されるようになります。その後、高額のキャンピングカーを買えない人の為に軽キャンパー(軽自動車がベースのキャンピングカー)が製造され出回り、一般車を自ら改造するDIY車も普及します。それらに呼応して新たにオートキャンプ場が整備され、そしてコロナ禍も加わり一気にブームが到来しました。

その間私のバンライフも変化しました。その一つは、旅に出てもあまり無理をしなくなりました。遠距離を回って複数泊するのではなく、自宅からせいぜい100㎞圏内で一泊の一人旅が定番となりました。もう一つは、自宅の近くの駐車場に止めたまま、その中で過ごすことも楽しみとなりました。家にある書斎も隠れ家ですが、キャンピングカーも第二の隠れ家となって、まさに秘密基地を二つ持ったことになります。

過去の自分を振り返ってみると、親や学校の教育や社会の規範によって自分は作り上げられてきたと思います。それはそれで社会に成立するひとつの価値観やルールに従うもので、全て否定するものではありません。しかしその世界は、ある意味競争社会であり、自分ではない他者からの尺度です。また我慢を強要された世界でもあります。このような事が言えるのは、私が社長職から退き、会社から距離を置いたからかもしれません。今後自分で構築する物語を生きる為、「我慢することそのものが美徳」を捨てなくてはなりません。

今までの私には、遊ぶことや休むことへの罪悪感がありました。発想の転換が必要なら、過去のソフトのインストールから開放する、いや不要なら削除する。現在第一線で活躍されている方には難しいかもしれませが、自分を開放して自分のしがらみを一旦外すことも大事かと思います。そうあるべき論も身体を縛り付けます。長男で家業を継いだ私は特にそれが強くありました。「我慢して生きるほど人生長くない」が、今の私の偽らざる心境です。

週末の午後、読みたい本とポケットウイスキーを持って駐車場のキャンピングカーに入り込み、時折外の弱い光が降り落ちる緑に目をやりながらボーっとする。時間の束縛から開放される。そのようなこともしてみていい。バンライフは、今までの自分を解き放つ助けになっています。    ~次回に続く~




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キャンピングカー(その1)

2021年12月04日 06時11分00秒 | Weblog
私はキャンピングカーを所有しています。車種は日産のキャラバンで、一見すると商業用のバン車です。しかし車体はそれ程大きくなく、街中の駐車場は問題なく停められます。車内には、ベッド(シートアレンジで大人4人が寝れる)、対座が可能なテーブル、シンク、小型の冷蔵庫、サブバッテリー等があります。携帯用のトイレを持ち込めば、外に出ず長時間滞在も可能です。先ずは、この車を持つに至った話から始めます。

今から60年も前のこと昭和30年前半、父親がある社長から頼まれてその方の会社の株を買いました。当時わが社は電炉メーカーや単圧メーカー(加熱炉だけで丸棒を圧延製造)から、ミルスケールを集荷していました。その仕入れ先単圧メーカーのオーナーからの依頼でした。買い取りの総額は今の私にはもう分かりませんが、株数はかなりのものでした。そのメーカーは堅実経営を貫き、後に電炉メーカーとなり、埼玉県に大きな工場を建て、現在は三代目に引き継がれています。

長年父親は配当を楽しみ保持してきましたが、父親も亡くなり、結局その株は私が相続することになりました。私の代になって、わが社もスケール事業を完全撤退することで、その会社とは取引は途切れてしまいました。二代目の社長と私は面識があり、ある時その社長から私の株を買い取りたいとの話が舞い込みます。株主を同族で固めたいとの意向のようでした。お互いの取引も盛んな時代、株の話しも先代同士で交わした絆のようなものでした。二代目になって、清算するタイミングだったのかもしれません。株の評価も、先方からの言い値で了解しました。

このようなことがあったのは、今から16年ほど前の話しです。当時私は、車は日産のプレーリー(既に廃番)に乗っていました。ミニバン車で、スリーシート7人乗りでした。この時点で既に、プレーリーは12年ほど乗り続けていました。私は本来ドライブ好きです。このプレーリーで、小学生だった息子と二人で、よく車中泊で旅をしていました。山も好きでしたので、行先は栃木県や群馬県などの山奥でした。

人が寄り付かない、それでも見晴らしの良い所で、午後早めに車を停めてゆっくりと自然を楽しみます。その土地の地酒や山菜を買い込み、家からは冷蔵庫にあった残り物を持ち込んで、車内で夕食です。東京の空とは大違い、晴れている夜は満天の星空です。息子が目を輝かせ見ていたのが印象に残ります。帰ってから家内に報告をすると、辺ぴな所で誰かに襲われたらどうするのと注意をされましたが。そのような車中泊を楽しんでいましたので、広いスペースが確保できるキャンピングカーは憧れでした。

そんな車の旅がベースにあり、12年乗ったプレーリーの買い替えもそろそろ考えていました。そこへ株を売った代金が入ったので、迷わずキャンピングカー購入を決めました。あるキャンピングカー・ビルダーの標準装備車を、テーブル(食卓)を大きくしたり、テーブルを挟んで対座式のシートを作ったり、天井にサイドラックを設置したりと改造してもらいましたが、車の支払い代金はなんと株の受取金額とほぼ一緒でした。これは過去の父からのプレゼントだと思いました。

念願のキャンピングカーを手に入れて、終末になると楽しみでした。家族と行こうが一人で行こうが、何週間も前から予定しなくても、思い立ったら金曜の夜から出発してもいいのです。何と言っても楽なのは、普通の旅と違って宿を予約しなくていいからで、行く先も事前に決める必要もありません。男にとっては、大型バイクやキャンピングカーを持つことは一つロマンなのかもしれません。

キャンピングカーとは金額は違いますが、別荘を持つこともやはり男のロマンでしょう。しかし、別荘はその場所に固定されていて、新鮮味がなくなってもそこに行かなくてはなりせん。メンテナンスの面でも定期的に行かなくてはなりませんし、維持費用にしても結構かかるのではないでしょうか。我田引水となってしまいますが、キャンピングカーは車が家のようなもので、自由にどこへでも行けて、このキャラバンは街中でも走れるセカンドカーにもなりました。

息子が茨城県の進学校で寮生活が可能な中学校を受験したことがありましたが、早朝から電車を乗り継ぐのは大変なので、快適なキャラバンで直行したこともあります。家内の実家酒田に、義理の両親が死んだ後の片付けに行っても実家が荒れて泊まれないので、キャラバンを活用したこともあります。キャンピングカーの用途は千差万別ですけれども、所有者によって使い道は千変万化します。    ~次回に続く~


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