梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

自立支援その後

2017年02月17日 21時50分29秒 | Weblog
“働く目的がない”“苦労したことがない”“打たれ弱い”“何を考えているかよく分からない”この四つは、何を言わんとしているのか。先日参加した、千葉県若人自立支援機構が主催するシンポジウムで、壇上の関係者の方がこのように表現しました。

「多くの企業が大卒者を採用して、落胆してしまう」。家庭環境や学歴は恵まれていても、やる気を感じない。それを言葉に表せば、この四つになると言うのです。若人自立支援機構とは、家庭の諸事情により児童養護施設で共同生活をしながら学校に通っている子供達が、高校を卒業して企業に就職し社会人となる、その支援をしている団体です。

養護施設で育って社会人になった先輩の体験談を聞いたり、社会人になってから何かあった時に相談する支援団体の説明を聞いたり、企業面談を疑似体験したり。そのようなことを行いながら、このシンポジウムは毎年開かれ今回は7回目です。

当日は千葉県内にある数カ所の擁護施設の高校一年生から三年生まで約40名が参加して、養護施設の園長や支援団体の関係者約20名、そして企業側として約10名の人が加わって、熱心にシンポジウムは行われました。企業側として、わが社は参加しました。

ある人を介して若人自立支援機構の方達と知り合って、わが社は去年に続き二回目の参加です。このシンポジウムは、就職を控えた生徒に企業面談を、あくまでも疑似体験させることが一つの目的です。

先ず、企業側は集まった生徒を前に、持分8分間で企業プレゼンテーションを行います。その後、生徒は名刺を10枚持って各企業のコーナーを訪問し、仕事内容を聞いたり逆に自己アピールしたりします。最後は、企業面談者の評価により、ベストアピール賞として、優秀な生徒5名に図書券が授与されます。

わが社は男女8名の生徒と面談をしました。しかし高校三年生で、この段階で就職先が決まっていない生徒もいました。彼等が働く為に実社会に出ようとすると、施設も卒業しますので、職と住宅を同時に確保しなくてはなりません。採用される会社には住宅を提供してもらうことが希望です。そのようなハンディキャップも背負っています。

本来の親を頼れず施設で共同生活をしながら、自分より年下の子供の面倒も見てきて、自然と自立心が芽生えるのでしょう。冒頭に掲げた言葉、そうでない君達がいるのだから、社会は受け入れてくれますよ。そのように、自立支援機構の関係者の方が激励しているのです。

本当にやる気があって自立して行こうとする若人と、自社の尺度で取捨選択しようとしている世間一般企業の採用姿勢との、ギャップをこのシンポジウムに参加して感じました。採用企業は、子供達の大切な人生を預かるという視点を見失ってはいけないと、強く受け止めました。

わが社では若い女性社員を採用する計画があり、今まで色々働きかけはしましたが、結果は出ませんでした。実は今回のシンポジウムで、その切っ掛けが出来ました。また詳しくお話しする機会があると思います。

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