梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

介護職研修と介護崩壊!?(その3)

2024年04月06日 07時29分02秒 | Weblog
一週間前に行われた14回目の介護職員初任者研修での実技検定の結果はどうたったのか、です。無事パスしました。今までの研修で一番長感じました。ほとんど実技の練習と本番、一日が終わりクタクタとなり、放心状態となりました。

どのような実技検定だったのか簡単に説明します。二人の利用者を設定。利用者Aさん(男性75歳):左片麻痺、杖は使えデイ介護に行く前に身支度の介助をする。利用者Bさん(女性84歳):右片麻痺、ベッドから起き上がり車椅子でトイレへ行く介助をする。生徒がペアとなり利用者と介護者(検定対象)を演じる。前回この設問は提示されていて、どこまで介助するかのアセスメントは済み、グループでやり方や手順は話し合っていました。

一週間の猶予はありました。そのまとめを紙に書き出して、何度も訂正して、言葉に出して動作もつけてみました。実技苦手の私は、このようにするしかありません。しかし当日新たな課題も教師から出され、頭はパニック状態に。練習時、生徒によっては余裕なのかあまり復習をしていないのか、一週間前のテキストに書き込んだメモを見ながら臨む人もいました。

二人の講師が、それぞれ二組ずつの実技検定をしました。要チェック項目を無事通過しなければ、後でやり直しとなります。例えば、杖を座っている時に利用者に渡すと危険行為。その場で警告、やり直しとなります。杖は滑るので、利用者は立っている時にしか使ってはいけないのです。車椅子への誘導で介護者がブレーキを掛けていなければ、また然りです。

利用者AさんBさんの実技検定で、私は幸いにも警告は受けませんでした。事前に対処すれば、不得手は克服できました。次々と実技検定が終わり、親しい生徒同士お互いにピースサインを出して、安堵感を隠しきれません。その中で一人最後まで何度もやり直しをして、ダメ出しをされている人がいました。50歳代の中国人男性の方でした。

他の校舎での受講生で、14回目をここ千葉校に振り替え、受講している方でした。慣れない教室で、日本語も得意ではないようで、緊張していたと思います。しかし指導する教師は容赦ありません。介護職場で初心者だからは許されない。現場で恥をかかせたくない。むしろそのような講師の思いやりが伝わりました。認定を簡単に与えない、当介護アカデミーのプライドなのかもしれません。結局全員が検定試験はパスしました。

今回の講師は二人とも女性で、共にこの千葉校日曜コースでは何回か教壇に立った方です。最終回はここで講義をされないようです。「皆さんは利用者の命を預かる大事な仕事に就きます。今後会うことはないかもしれませんが、その自覚を持ってガンバッテ下さい!」、最後にこんなメッセージがあり、次回の卒業試験を前にすっかりお別れムードとなりました。

実は私も、日曜の予定が取れず、西船校に二回振り替え受講をしました。生徒の男女比や年齢構成も微妙に違い、教室の醸し出す雰囲気も異なります。意外だったのは、西船校には結構中年の男性が受講していたこと。恐らく再就職でこの研修が必要になったのでしょう。何故この研修を受けたのか、千葉校で帰りの電車で親しくなった二人の男性を紹介します。

一人はI氏66歳。半年前から児童障害者の施設で正社員として働きだす。長年自動車のバネ製造の会社に勤務していて定年。キャリアを活かす再雇用の制度もあったが、先々の保障はない。収入面で公的年金を減額されることなく、勤めれば社会保険も使えるメリットがあるので、80歳位まで働ける職場として、再就職先を選んだ。今の職場では上から指示命令はされるが、代表が管理職の経験を認め自分の意見も聞き入れてくれる。

もう一人はN氏50歳。現在は別の仕事で働いている。両親が共に80歳半ばで、将来介護が必要になることも想定して、介護を一から学びたいと思った。四カ月の研修は貴重な経験をした。勉強しなければ、このような介護の世界は分からなかった。老化は身近に起こり得る介護問題と再認識した。若者中心の介護教室で生徒が集まらず潰れていくニュースなどを聞くと、若手が入ってこない介護業界は今後どうなるのか心配をしている。

I氏と私の共通点は、仕事をし出して介護の勉強の必要性を感じたこと。N氏と私の共通点は、介護の勉強を通して介護業界に関心を持つようになったこと。千葉校には初回から、ベトナムと中国の女性の生徒がいました。制度や言語などの問題で,得難い外国の人の手を借りなくては、日本の介護業界は回っていかない厳しい現状があります。次回以降は、そのような介護問題を取り上げてみようと思います。   〜次回に続く〜

 研修のテキスト
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