銚子・角巳之・三代目

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過剰適合

2006年06月12日 | 日記・エッセイ・コラム

100_0023 梅雨時期を迎え、本来なら“入梅イワシ”(銚子の真イワシが一年で最も脂が乗る時期で、最高に美味い)の時期なのですが、水揚げは非常に少ないです。大羽イワシ(真イワシの大型)が築地で5500円/㎏で落札、という報道がTV等で有りました。価値=値段だけではありませんが、ここまで来るとイワシは超高級魚の仲間入りです。このイワシの不漁、以前掲載したレジームシフト(魚種交代の波)、乱獲、クジラ...、様々な理由があるのでしょうが、真イワシが揚がらない。これだけが事実。写真は第二漁港の水揚げ後、1尾落ちてたのを撮影しました。これ1尾で1000円か?と思うとビックリです。さてこのイワシから考えている事。“過剰適合”という言葉があります。地球上で最強を誇った恐竜が、安穏と自らの春を謳歌し続けた結果、いん石だか氷河期だか分かりませんが、環境の変化に全く適応できずに“絶滅”してしまった。という事に由来し、過剰な保護や周囲の環境(自然でも、会社でも、業界でも、人間関係でも)を省みない直線的な思考や行動は危険だという警鐘だと思います。業界の常識、社会の非常識という言葉も良く聞きますが、これに近いと思います。クジラのように大きい事は良い事だと、みんながクジラになろうとすると、エサにするイワシや小魚が無くなって、最後はそのクジラが死んでしまうんですよね。社会は何らかの連鎖で成り立っておりますが、その連鎖を構成する一部“だけ”を保護すると、それは過剰適合となり、最後には保護したはずの部分が最も悲惨に朽ち果てる。イワシの話題から飛躍しましたが、イワシを見ながらそんな事を考えておりました。