「あ~あ、逃がした魚はでかかったなぁ」
中山で行われた【朝日FS】を観終わったあと思わず口にした。前に書いたことがあるかもしれないが、実は、僕は後輩と【朝日FS】を豪快な脚で差しきったドリームジャーニーの一口馬主になろうとしていた。多分一口の値段は55~60万円だったと思う。牡馬でその値段はとても魅力的で買う寸前までいっていた。ただ最後の踏ん切りがつかず2,3日迷っていたら、その間満口になってしまったのである。その時は「仕方ないか」とそれほど残念には思わなかったが、デビュー後2連勝すると・・・。そして今日・・・世の中のツイている人とそうでない人の差はこんなところなのだろう。
ではその【朝日FS】を振り返る。前述したとおり勝ったのは蛯名騎乗の2番人気ドリームジャーニー(牡2・池江寿厩舎)。出遅れて最後方からの競馬になりながらも、直線で末脚爆発。先に抜け出した7番人気ローレルゲレイロを1/2馬身差交わし優勝した。勝ちタイムは1分34秒4(良)と不満だが、その脚は際立っていた。さらに3/4馬身差の3着に逃げた1番人気オースミダイドウが入った。出遅れたドリームは正直開き直った策だったと思うが、折り合いを付けたほうが末脚を生かせるという蛯名の好判断だった。ただ血統的にも距離が延びて苦にするとは思えず、来年が楽しみだ。あとは馬格だけか・・・。2着ローレルゲレイロはプラス14㌔だったが、馬体の成長部分だろう。まだまだ力をつけそうだ。3着オースミダイドウは無理に抑えることなくハナへ。直線一度は失速して差し返しており、内容としては強いものであった。4着は僕本命のフライングアップル。最後はこの馬自身よく伸びているのだが、やはりもう少し距離があった方がいい。5着マイネルレーニアは少し余裕があったが、図太く伸びていた。やはり力はある。6着マイネルシーガルは10㌔増の影響か、勝ち馬にあっさり話されたが、思ったより強くないのかもしれないという気も・・・。
勝ったドリームジャーニーは、父ステイゴールド、母はオリエンタルアート(父メジロマックイーン)という血統。ステイゴールド産駒は現2歳が2年目産駒。この勝利が産駒初のGⅠ勝利となった。重賞勝ち馬は今年の【マーメイドS】を勝ったソリッドプラチナムに続く2頭目だ。父内国産の勝利は’88年サクラホクトオー(トウショウボーイ)以来18年ぶり。母父メジロマックイーンは母の父として重賞初勝利となった。ドリームは9月3日のデビュー戦、【芙蓉S】を2連勝し、前走の【東京スポーツ杯2歳S】はフサイチホウオーから0.1秒差の3着に入っていた。今回の勝利が重賞初勝利。通算成績4戦3勝(重賞1勝)。
勝った蛯名はこのレース初勝利。2歳馬のGⅠも初(意外!)。JRA重賞は’05年【クイーンS】以来で今年初勝利(意外!)。GⅠは’02年【マイルCS】のトウカイポイント以来約4年1か月ぶり12勝目。JRA重賞は通算72勝目となった。池江寿調教師は’04年の初出走以来、JRA重賞は初勝利(意外!)。ディープインパクトらを管理する池江泰調教師は父。ドリームジャーニーの父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンは父の管理馬だった。
金曜日に書いた香港競馬の結果も簡単に触れる。まずは【香港C】(芝2000m)。勝ったのは、ルメール騎手騎乗のプライド(牝6・仏)。後方追走から残り150mあたりで先頭に立つと、外から猛然と追い込んだアドマイヤムーンを短頭差抑えた。約2馬身差の3着にヴェンジェンスオブレイン、日本のディアデラノビアは後方からレースを進めたが、勝ち馬から約5.1/4馬身差の7着だった。勝ったプライドは、父パントレセレブル、母Specificity(父Alleged)という血統の仏国産馬。’02年8月に武豊騎手鞍上でデビュー(3着)。’04年【アレフランス賞】(仏G3)で重賞初勝利を飾ると、今年6月の【サンクルー大賞典】(仏G1)でハリケーンランを2着に破り初G1制覇。【凱旋門賞】(仏G1)で2着した後、10月14日の【英チャンピオンS】(英G1)を勝利してここに臨んでいた。通算成績26戦9勝(重賞8勝、うちG1・3勝)。
【香港マイル】(芝1600m)は、ドルーズ騎乗のザデューク (セン7、香港)が、好位追走から残り200mあたりで抜け出すと、外から追い込んだアルマーダ をアタマ差抑えた。約1.1/2馬身差の3着はラモンティ 。期待のダンスインザムードは後方からレースを進めたが伸びを欠き、勝ち馬から約6.3/4馬身差の12着だった。勝ったザデュークは父デインヒル、母Mer Du Sud(父Bluebird)という血統の豪州産馬。昨年の【インターナショナルマイルトライアル】(香G2)に勝っており、このレースは一昨年にファイアブレイクの3着、昨年がハットトリックの2着だった。この春には【安田記念】に来日し15着。前走は【国際マイルトライアル】(香G2)でアルマーダの2着していた。通算成績54戦10勝。
【香港スプリント】(芝1200m)は、プレブル騎乗のアブソリュートチャンピオン(セン5・香港)が優勝。勝ちタイムは1分07秒8のレコード。4.1/4馬身差の2着にサイレントウィットネス、さらに1馬身差の3着にベンバウンが入った。日本のシーイズトウショウは10着、メイショウボーラーはスタートで大きく出遅れ、競走を中止した。勝ったアブソリュートチャンピオンは父Marauding、母Beauty Belle(父Ideal Planet)という血統の豪州産馬。昨年も出走(7着)しており、前走の【プレミアボウルH】(香G3・芝1200m)でレコード勝ちしていた。今回はレッドクラブスの辞退で追加選出されていた。
【香港ヴァーズ】(芝2400m)は、中団から直線抜け出したマコーウィン騎乗のコリアーヒル (セン8・英国)がゴール前で猛追したカストリアをハナ差抑えて優勝した。3着にはシャムダラが入り、日本から参戦のソングオブウインドは最後方から追い上げるも4着、アドマイヤメインは好スタートから先手を取ったが8着に終わった。勝ったコリアーヒルは、父ドクターデヴィアス、母Polar Queen(その父ポリッシュプレジュデント)という血統の英国産馬。’02年3月にデビューし、’04年【ストックホルムC】(スウェーデンG3)で重賞初勝利を挙げた。翌’05年には、G1初挑戦となった【ドバイシーマクラシック】(首G1)で3着に好走。【愛セントレジャー】(愛G1)でG1初制覇を果たした。今年に入ってからも、ドバイシーマクラシックでハーツクライの2着に入るなど重賞戦線で好走を続けており、前走の【カナディアン国際S】(カナダG1・芝12ハロン)で2度目のG1勝ちを果たしていた。通算成績45戦15勝(うち障害5戦2勝、重賞6勝)。
今年のJRAもあと2週。とうとう競馬場にいかなかったが、来週日曜、もしくは再来週にでも行ってみようかな。尚、収支についてはもう諦めています。