風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「緑の歌」上・下

2022-07-01 | 読書

 

 
台湾のイラストレーターによるコミックを買ってみた。
物語の伏流水として流れているのははっぴいえんどの曲。
主人公が憧れるのは細野晴臣さん。
本の帯文を書いているのは松本隆さんと村上春樹さん。
これだけ揃ったら読まなきゃでしょ。

台湾に住む、ちょっと引っ込み思案の女子大生が
自分の進む道を模索する物語。
主人公の緑は「風をあつめて」に導かれるように台北の大学へ進み
「ノルウエイの森」を読みながら恋をし
悩みながら、泣き笑いしながら、自らの足で歩き始める。
心情を丁寧に細かく描写しているけれど
それは著者自身の物語だからだろう。
日本と台湾の関係がこれだけ近いことを改めて知ったと同時に
どこの国、どんな文化の中で生活していても
結局青春時代はみんな同じなんだなと微笑ましく感じた。

忘れかけていた40年も前の自分を
静かに思い出させてくれるコミック作品だった。
これは保存版だな。

「緑の歌」上・下 高妍:著 KADOKAWA
コメント
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