もうタイトルからして「読まなきゃダメでしょ」ってなる本。
ページを開いた瞬間のつかみが半端ない。
大笑いしながら続きを読み進めることとなった。
内容的には、いかにも研究者の手法で
仮説から実証を経て論考を組み立てていて、
研究書としても濃い内容となっている。
しかもご本人の専門の障害児教育分野や心理学分野のみならず
言語学的知見や、最終的には社会学にまでその考察は広がっている。
凝り固まった象牙の塔的な論文ではない。
その広がりに驚いた。
そして(私的にも専門である)方言についての考察も。
これはもう社会言語学の世界だ。
人と人との関係性が言語によってどう構築されているか
というところまでいくと、夢中になって読んでいる私がいた。
そして参考文献一覧の後のオチにまた大笑い。
こんな本があったなんて。
だから本の世界は侮れない。
「自閉症は津軽弁を話さない」松本敏治:著 福村出版