吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

企業防衛VS生活防衛、どちらが勝つか。

2008年07月22日 | Weblog
 経済や社会環境や市場環境は、年々というより日々変化している。物価と自分たちの所得バランスでの相対的な関係の影響は大きいが、それだけではない。景気や経済および家庭のライフステージなどと、周りの環境や周囲の人々の変化も影響する。何よりも、近い将来や遠い将来の家族や自分および世の中がどのようになるだろうかというイメージや展望により、今日の暮らし方や買い物が変わる。

 イオングループの岡田社長が、7月15日(火)の繊研新聞の取材記事に「変化に対応できないGMS」を語っている。消費者が、強い決意で生活防衛しているのに、GMS(総合小売業)は”そのこと”に対応できていないと自戒している。自分が号令をかけ、リードしてきた小売箇所の超大型化(モールやSC)への反省はない。物理的だけでなく、考え方や精神的に”古い”と言って時代(変化)対応できていないといっている。マーチャンダイジングや店舗(スペース)経営や業態を言っているが、もっと根幹的な経営構想みたいなところにおいて自分たちの"考えや経営観”に欠けた何かがあったということに触れていない。

 狭い国土の日本や超高齢化する人口構成および地球環境や世界の地勢の変化の展望やその速さについての見通しが甘かったことに気づいていない。気づいていても、その影響力の強さへの見方が低い。感度や感性において、一般消費者のほうがはるかに企業より高いレベルにあるということに気づいていない。事実や構造や数字で振り返ってみる企業とは違い、消費者は肌や感覚で自分の周囲環境や生活環境の変化方向を確かに見通す。

 イケイケどんどんで造り続けたモールやSCが、社会保険や雇用保険でつくったグリーンピアなどと同じような運命にあることに気づかない。古い都会や市街地の店舗だけが”古い”のではない。郊外や地方のロードサイドや田園の真ん中につくった超大型で、超革新的な店舗ビルなどをして、解体も温泉やパチンコ&アミューズメントなどへの転換もままならないことに気づく日が近い。

 ここ10年、収入も所得も増えていない国民消費者の生活防衛についての知恵や行動の見方が、年々店舗拡大し、売り上げや収益を向上させてきた企業のそれらを上回ったのだ。よほど勉強し、レベルアップしていただかないと、企業は消費者に追いつかないのだ。
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