喉頭形成術がうまくいかなかったり、
ひどい披裂軟骨炎の馬では、
披裂軟骨を切除してしまう披裂軟骨部分切除が行われることがある。
しかし、致命的な誤嚥などの障害が起こる可能性もあるし、手技そのものもたいへん出血が多いので、どのようなものかと思っていた。
Dr.Ducharmeは披裂軟骨部分切除をして、披裂喉頭蓋ヒダを縫って閉じるとい う方法を開発して報告している。
今では、そのDr.Ducharmeの方法が教科書に書かれていることが多い。
私は、初日からDr.Ducharmeに披裂軟骨部分切除を教えて欲しいと頼んでおいた。
最終日になったが、そのコツや注意すべき点は教えてもらってきた。
そして、その結果と成功率だが・・・
最大限とまではいかないまでも満足するレベルまで気道の構造を改善できる。
最大限の運動能力が要求される馬(平地のサラブレッド競走馬)では、高い率(80%近くまで)競走復帰できるが、賞金獲得は低く、競走寿命も短い。
というのが結論のようだ。
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披裂軟骨部分切除はかなり出血も多く、術後の喉頭の腫脹もひどくなる。
喉頭が閉塞してしまうかもしれないので、気管切開をして気管チューブか気管鏡を入れておく。
人の目が届かない時刻にトラブルがあるといけないので、この手術は朝にやりなさい。とのこと。
経験から出た金言だろう。
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右の披裂軟骨を切除したのだろうが、残った組織が気道を塞いでいて、背側正中には太い縫合糸が見えている。
この手術はやはり最後の手段。ということかもしれない。
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