ケンタッキーで牧場を経営する吉田直哉氏の「ケンタッキーの馬産」の講演。
面白かった。
ケンタッキーでの馬産の要点について話してくれた。
たぶんケンタッキーへ視察に行っても、こんなに要点を見て来て知ることは難しいだろう。
吉田氏は獣医師でもあり、実は学生のころ、うちの診療所に実習に来たこともある。
繁殖管理、外科治療についての情報もたいへん参考になった。
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馬は放牧で育てる。異論なし。
冬をどう過ごさせるかが日高での馬産の鍵。異論なし。
栄養コンサルタントは、調教師や育成者が望むより馬をふくよかにする傾向がある。異論なし。
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成長板にイオジンとココナッツオイルを混ぜたものを注入すると骨の成長が促進されて肢勢が矯正できる。おおいに疑問あり。
このGPSと呼ばれる治療方法にはケンタッキーの馬外科医も懐疑的だそうだ。
私も簡単に信じる気はしない。
そんなもんで骨の成長を促進できるなら肢を長くすることだってできるんじゃないの?
仔馬の肢勢はかなり自然に変わる。それもたいていは良くなる方向に。だから気をつけないと自然に良くなったのを治療の効果と勘違いする。
今は長く行われてきた骨膜剥離PEにも否定的な馬外科医が増えてきた。私もその一人だ。
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いずれにしても生のケンタッキーの情報を通訳なしで聞けたのはたいへん参考になった。通訳が入ると倍の時間がかかるし、多少なりとも間違いやニュアンスの違いが起こるから。
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今日は喉嚢炎馬の流動食投与、そのあとの腫瘍切除はドタキャン、そのあと鼻血の馬は篩骨血腫と診断してホルマリン注入で治療、そのあと膝のX線撮影は異常なし、午後は競走馬の飛節腱鞘炎 Tharapin の治療、育成馬の骨嚢包Bone cyst の治療、繁殖雌馬の胃内視鏡による胃潰瘍の検査。
次から次に診療しても吸入麻酔を使う手術がない日は精神的にも肉体的にも楽だ。
この方と直接面識はないのですが・・・、
もう11年前になりますが、間違いでなければ、
この方の故郷の牧場にお邪魔したことがあります。
貴公子と呼ばれた馬のお墓に参った際に、
おそらく、この方のおばあさまにお世話になりました。
I大学の恩師が、この方と知り合いだということで、
「アメリカまで見学しに行ってきたら?」
と冗談交じりに勧められたことがありました。
そうその人です。まさに、快男児です。日本人がケンタッキーへ行くとずいぶんお世話になっているようです。
日本から学生が7名実習に来て、注意していたのに茶髪・長髪で来たのがいたのですぐ髪を切らせにいかせたら丸坊主にして来た。と言う話をしておられました。面白い話でした。