goo blog サービス終了のお知らせ 

馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

アブ対策 オニヤンマ模型、あるいはトラロープは有効か?

2023-08-03 | 日常

この季節、放牧されている馬たちはアブが大敵。

馬はあきらめないで、とても嫌がる。

尻尾を振り回し、ひどいと走り回ったりもするそうだ。

ストレスで体重が減ったりもするとのこと。

           ー

最近、ホームセンターでオニヤンマの模型を売っているのをご存じだろうか?

アブ、蚊、などの吸血昆虫も、本能的にオニヤンマの姿を嫌って逃げるらしい。

馬に付けてみたらどうだろう?

市販品はけっこうな値段がするが、手製すれば馬のたてがみや尻尾に付けてやれないだろうか。

              ー

オニヤンマの模型でなくても、トラロープ、あの工事現場などで仕切りにつかわれている黄と黒のロープでも効果があるらしい。

それなら、たてがみや尻尾に何本がぶら下げることもできるだろう。

オニヤンマが集っている(ように見える)馬をアブも避けるのではないか?

              ー

誰か実証実験して欲しい。

診療センターの診療室入り口にもぶら下げてみるか。

            /////////

トンボは勝ち虫とされ、武将の兜かざりとして使われることもあった。

トンボ 兜 武将 に対する画像結果 

いくさ場で虫除け効果を期待したわけじゃないだろうけど。          

 

 

 

 

 


関節鏡手術、大型Xray、開腹(膀胱破裂・結腸捻転・術後盲腸拡張)、PRP・・・一番たいへんなのは検査業務だった

2023-04-27 | 日常

朝、距骨外側滑車が大きく欠けたOCDの関節鏡手術。

関節鏡手術と言えども、骨軟骨片が3cmあったら3cmは切開しないと取り出せない。

初心者の頃は当たり前のことができなかった。

         ー

1歳馬の前肢跛行。

もう半年も続いている。

しかし、放牧は続けている。

全身麻酔で肩関節の良好なX線画像を撮って、病変を把握して、ヒアルロン酸関節注入。

半年前から運動制限していたら、と悔やまれる。

         ー

NMS(新生仔不適応症候群)で長く入院していた15日齢の子馬が、膀胱破裂のようだ、ということで戻って来た。

腹腔穿刺して膀胱破裂をほぼ確定診断するが、腹腔尿は勢いよくは廃液できなかった。

時間が経てば、電解質も乱れ、このもともと弱い未熟仔は参ってしまうだろう。

開腹したら膀胱が臍側から壊死していた。

         ー

この日は、獣医師で検査業務をこなさなければならない。

血液検査91件!

手術室ではさらに急患の分娩翌日の繁殖雌馬の疝痛。

結腸捻転だ。

私は観ている暇もない。

         ー

予定していた浅屈腱炎の競走馬のPRP治療。

それは結腸捻転の手術が終わったらすぐやることにして・・・・・

2日前にやった結腸捻転馬がまた疝痛で戻って来ていた。

胃液逆流があり、盲腸が膨満していて・・・・もう一度開腹しなければならない。

開腹したら、盲腸内容は液状なのだが膨満していた。

colopexyの影響もあり、自分では動けなかったのかもしれない。

          ー

検査が終わって結果をFAXし始めたのは6時をまわっていた。

       /////////

冬眠から目覚めたか。

その模様には何の意味がある?

小型、軽量化、AI付き、全天候対応、自己修復能力、飛翔距離、甲殻付き、自己増殖、etc.

最新式ドローンよりよほど高性能にできている。

人智は自然にとうてい及ぶまい。

 

 

 


春の訪れ 初物

2023-03-11 | 日常

夜明けが早くなり、日が落ちるのも遅くなり

日中は日差しが強くなり

気温もずいぶん高くなった。

地面は融けてドロドロにぬかるみ、

きのうは暖かい雨が降った。

もう積み上がっていた雪もほとんど残っていない。

この冬は雪も少なく、暖かい冬だったのだろう。

        ー

分娩事故も今のところ少ないようだ。

難産も多くはなく、

子宮穿孔も多くはなく、

分娩前後の疝痛も例年並みかそれ以下で

厳寒期に新生子馬がNICU新生児集中管理入院することもなく、

が、今のところ。

        ー

細菌検査室で今年の初物を見つけた。

流れるような、湿り気の多いコロニー。

もう1日培養するとピンクっぽい色味を帯びる。

Rhodococcus equiだ。

3月の初めにみるなんて。

Rhodococcus equie ELISA検査ももう始めた。

例年になく早くから依頼が来始めたのだ。

            -

こんなことで季節を感じず、フキノトウを探しに行ったり、白鳥が帰るのを見にいきたいのだけど;笑

                                    ///////////////////

今日は、3月11日

あの地震と津波の日だ

今朝、地震があった

震源は浦河

 

 

 

 


寒波襲来

2023-01-25 | 日常

10年に一度の寒波が来る、と脅されて・・・・

1/24の朝。

-10℃。

これならたいしたことはない。

翌1/25の朝。

-18℃。さすがに寒い。でも、暗いうちから散歩した。

三石は-22℃。

これはさすがに凍れる。

午前中、関節鏡手術のためにDRのスイッチを入れようとしたが、動かない。

冷えすぎてバッテリーが機能しないらしい。

事務所のストーブで暖めたらスイッチが入った。

デジタル機器は低温に弱い。

特に充電式のものはバッテリーの出力が下がる。

最近のスキースノボウェアは、スマホを温めるための専用のポケットが付いていたりするらしい。

私たちは建物内で診療するのでなんとかなるが、往診先の農場や屋外で診療する獣医さんたちはたいへんだろう。

薬も凍るし、指はかじかむし、服を着こんでいたら直腸検査や難産介助できない。

-30℃近くなっている地域もある。

お疲れさま・・・・・じゃなくて何と言うべきだ?

           /////////////

原画を贈っていただいたので、Dukeが居た部屋に飾った。

可愛い、可愛い。

今もそばに居るような気がする。

頭を撫ぜて、胸をドンドンして、ギュッとハグしたい。

 

 

 

 

 


診療実績2021 全般

2022-11-09 | 日常

先日、3年ぶりで職場の飲み会。

地元の焼肉屋は混雑していた。

私の所長退任と、新所長就任祝いと、Y先生歓迎会と送別会と、M先生歓迎会と、etc.

この3年間のあれやこれやをまとめて;笑

          ーーー

家畜高度医療センターの診療実績2021(令和3年度)が出たので整理しておきたい。

診療件数は1,843件。

「年間千頭の馬が来ます」と言ってきたのだけど、もう「二千頭近い馬が来ます」と言うようにしてもいいかも。

          -

吸入麻酔件数は 690

静脈維持麻酔が 71

ワンショット麻酔が 243

これらの比率は診療内容にもよるし、使える薬剤にも左右される。

近年では、プロポフォールによる倒馬や麻酔ができるようになって、覚醒起立が良くなった。

しかし、吸入麻酔頭数は激増している一方で、静脈維持麻酔は横ばいが減少傾向。

追注すればワンショット麻酔でできてしまう、ようになっているのかも。

鎮静剤デトミジンが使えることや、神経ブロックが上手になったことで、立位でできる手技が増えたが、

ある程度時間がかかる処置は吸入麻酔して手術室でやりましょ、となっているかもしれない。

写真はとある日の静脈維持麻酔。

          -

年間麻酔頭数は 1,004 頭。

1年365日だよ。

そりゃ土曜日曜祝日、盆や正月も診療している。

夜中働くこともある。

でも、全身麻酔する症例を年間1000頭やっていて、そのうちの何割かは予約のない急患だ。

数年前から、「安楽殺に持って行きたい」は、「牧場でやって」とお断りしている。

「何時に来る」と予定を入れて時間を空けておいても、そのあと急患が入ることも多い。

そうなると全身麻酔を伴う診療から抜けて、獣医師が安楽殺と解剖場への搬入にかからなければいけない。

それは二次診療施設の診療の質を落とし、助けなければならない患畜を危険にさらし、余計な仕事を増やすことになる。

安楽殺はお断り。牧場でやってきてください。

       //////////////

久住高原でシャモ料理の店があったので立ち寄った。

「焼き鳥は中がレア状態で食べて下さい」とのこと。

美味。

九州は、牛肉もあり、豚もあり、鶏肉もある。

本当に豊かなところだ。

デザートはワイナリーで。

ワインソフトは、ブドウジュースに漬かっていてノンアルコールなのでドライヴ中でも楽しめました。