落し物 3


SIGMA DP3Merrill

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使うことの無いベルトであったが、いざ失くしてみると、お金をかけてでも手元に戻さねば・・という気持ちになるから不思議である。
そのまま放置するのは、事実上捨てるのと同じ事であり、後味がよくない。
そもそも落としたのは、自分の不注意によるもので、ベルトや、それを作った人に申し訳ない・・という思いもある。
今まで目もくれなかったベルトなのに・・・

忙しくてなかなか電話する機会がなかったが、先日やっと空港警察に連絡してみた。
電話に出た女性に落し物をしたことを伝えると、すぐに遺失物係りの男性につないでくれた。
自分の名前を告げ、事の経緯を説明する。
空港の女性に教えてもらった管理番号も報告した。

まずは落し物についての質問が始った。
当然のことであるが、落し物の細部に関する説明を求められる。
ベルトの形、材質、色・・・
また、どの航空会社の飛行機に乗ろうとしていたか・・といった質問もあった。
場所や時間の特定につながるのだろう。
思い出しながら、てきぱきと答えていく。

その結果、記録と僕の証言の内容が、完全に一致したようだ。
「間違いなさそうですね・・・」
何となく満足げな声で男性が言った。
ここまで正確に合致するケースは、珍しいのかもしれない(笑)

僕としては、なぜそんな場所で、ベルトを落とすことになったかも伝えたかった。
こんなミスを自分が犯した言い訳をしたかったのかもしれない。
しかしあちらにとっては、場所とモノの特徴さえ一致すれば、後は余計な情報のようだ。
聞かれたのはそこまでで、それ以上立ち入った質問はなかった。

もちろん、だからと言って、それだけで簡単に落し物を返してもらえるわけではない。
まずは一度郵便で、こちらの住所に宛てて書類を送るという。
その書類に必要事項を書き込んで、身分証のコピーを添えて、再度送り返す必要があるのだ。
実際に落し物が返還されるのは、それからになる。

そりゃあそうだろう。
ベルトくらいならまだいいが、多額の現金を落とす場合だってあるし、それが落とし主以外の人間に渡してしまったら大変なことになる。
今は警察からの書類の到着を待っているところだ。

というわけで、この話は現在も進行中である。
経過をさらに報告していくつもりだ。
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