会報


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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何年ぶりかで米国のアンティークの協会から会報が届いた。
まだ存続していたのかと驚いた。
僕自身オールドウエストのアンティークを集める趣味から離れて、すでに20数年経っている。
僕の悪い癖で、今となってはあまり興味のない分野である。

僕は日本人唯一の会員だったのだが、毎年会費を払っているうちに、金額がそれなりの額に達し、生涯会員に昇格したようだ。
そのため会費を払わなくても会報が届いていた。
何しろ現地にいるわけではないので、ミーティングなどに参加できるわけではなく、あちらにとっても「謎の日本人」であったろうと思う(笑)

今回のコロナの騒ぎで、何となく協会が消滅したのではないかと思い込んでいた。
会員に高齢者が多かったし、この趣味を引き継ぐような若手もいるとは思えなかった。
しばらく会報が途絶えていたので、もうそろそろ会も消滅かと思っていた。

本場のオールドウエスト系の人たちは、かなり保守派の傾向が強い。
僕の世代はリベラルな教育を受けているのだが、話してみると相手はけっこう右寄りだったりして戸惑うこともあった。
そこは日本のウエスタンファンの多くが、純粋に映画マニアであるのとは違うところだ。
私のご先祖様は自ら戦ってこの国を作ったのだ・・というプライドを持つ人たちだから、少なからず思想的なものも絡んでくる。

会報を見ていると、相変わらず骨董品店やオークション開催の広告の羅列で、興味の無い人だったら「?」の世界である(笑)
まあそれは当然のことなのだ。
あくまで百年以上前のアンティークのコレクターの集団であり、その売買の情報が中心であるから、今から新しく何かが始まるという事はほとんどない。
それを生業としている人たちがいるから、小さいながらも業界として続いているのであろう。

やはりといか、今回は訃報が大量に出ていた。
コロナのせいもあるだろうが、それ以前に会員に高齢者が多い。
多くは70代以上の人たちだ。
以前は彼らが積極的に会の運営を行なっていたが、あれから20年以上経ち、そういう人たちが次々に亡くなり、訃報だけで1ページを埋めるほどになっている。

その中で日本人でしかも若手の僕はかなりの変り種であったわけだ(笑)
20数年前に新婚旅行で初めてアメリカに行った時に、以前より取引のあったハリウッドのガンベルト職人に会いに行ったら、もっと歳のいった人だと思っていた・・と驚かれた。
それまで長年FAXや手紙だけのやり取りだったのだ。
そもそもウエスタンの趣味自体が、映画やテレビドラマの全盛期から言っても、70歳代以上の人たち中心の趣味と言える。

興味はないとは書いたが、会報を読んでいるうちに、何となく昔の思いが復活してきて、ちょっと欲しくなるようなアイテムも出てきた。
あの頃だったらお金を貯めてオークションに参加しただろう。
もちろんネットではなく、会場を設営した本物のオークションに不在投票をするのだ。
まあ今更そんなことはしないが・・・(笑)

現在の運営者を見ると、少数ではあるが若手も混ざっているようだ。
顔写真を見ると、当然のように全員がウエスタンハットをかぶっている。
日常的にかぶって生活しているようにも見える。
そういう世界が、まだあちらには残っているんだな・・・
アメリカという国の層の厚さを感じた。
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