取扱説明書


Z7 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

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320dの取扱説明書を読んでいたら、興味深い機能がついていることが分かった。
それは運転者が運転不能の状態に陥った時に、同乗者の指示で車が自動的に停止してくれるという機能である。
例えば運転者が急病で意識不明などになり、運転が継続できない状況になった時に、同乗者がとっさにスイッチを押せば、自動運転に切り替わり非常停止するというものだ。

そのための緊急スイッチは、センターコンソールにあるパーキング・ブレーキ・スイッチである。
・・と言っても、昔の車のようなボタン付きのハンドブレーキ・レバーではなく、シフトレバーの後方にあるもっと小さいレバー式スイッチである。
そもそもオートホールドの機能(2020年5月14日の日記)があるので、極論すればハンドブレーキのスイッチはいらないはずなのに、なぜこんなに目立つところに設置されているのだろうと不思議に思っていた。
確かにこれなら、助手席だけでなく後ろの席に座っている人からも手が届く。(ただし後席からだとシートベルトを外す必要があり危険だという話もある)

取扱説明書に書かれていることを要約してみると以下のようになる。
万一の時に同乗者がこのレバーを短時間引くと、システムが最大2分間、自動運転を行なう。
ハザードフラッシャーで異常が起きたことを周囲に知らせ、車の周りの状況を分析し、高速道路上であれば車線変更して路肩に寄って停止する・・のだという。

凄い機能だと思ったが、確かに搭載されている各種カメラやセンサー、ナビゲーション等からの情報を総括すれば出来ないことはない。
自動運転が常に完璧というわけではないが、緊急事態の際にはそんな事言っていられず、思い切ってその機能を働かせた方がいい。
しかしそこには、「国別の仕様による」という注釈が付いている。

実はこの取扱説明書は、自動的に何かする機能の説明のたびに、システムの動作が完璧ではないこと、責任はあくまで運転者にあること、国ごとの法律により搭載される機能は異なること・・などの警告や註釈が書かれている。
そのために取扱説明書が400ページにもなってしまい、読むのが大変なのだ。

しかも読んでも、では自分の車にはその機能が付いているのか・・という肝心の部分については書かれていない。
これでは何のための取扱説明書なのか分からない。
機能が複雑になり過ぎて、また車ごとの装備にも違いがあり、対応しきれないのだろうか。
重要な機能のわりに、やけにあっさり書かれているものもあり、あまり使って欲しくないのかな・・などと訝しんでしまう。

しかし緊急時の事故回避機能については、同乗者に話しておく必要がある。
万が一の時はこのレバーを引けば車が自動的に停止してくれるから・・と教えなければならない。
そのためにも、自分の車でどこまで機能が働くのか、具体的に知っておく必要がある。

そこでBMWに電話して確かめてみた。
すると僕の車両にその機能が付いているか調べてくれるということで、一度電話を切った。
しばらくして先方から連絡がきたが、この機能は付いているが、日本仕様では車線を変えて脇に寄せる機能は搭載しておらず、走行中の車線内でハザードをつけて停車するのみである・・ということが分かった。
車線変更が出来ないのは残念であるが、まあ停止させるだけでも緊急時には有効な機能であろう。
家族にいざという時はここを引くようにと説明した。

それにしても、こういう事はもっとはっきりと教えて欲しいものだ。
どうやらこの取扱説明書は世界共通のものを翻訳しただけで、日本仕様の車には搭載されていない機能も載っているようだ。
しかし自分の運転する車に関する正確な情報が無いと、ユーザーは困るであろう。
文句が出ていないとしたら、この分厚い取扱説明書をまじめに読む人は少ないのだろうか(笑)
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