デパート


Z7 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S

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時々都内のデパートに買い物に行く。
デパートによって雰囲気に明確に違いがあるのが面白い。
他店との差別化を意識して、それぞれの独自性を出すのは当然のことであるが、そこに来るお客さん側にも、デパートごとに傾向があるように思う。
いわゆる客層の違いで、それがそのお店のカラーにもなっている。

いつもは銀座や日本橋のMデパートに行く。
我が家の行きつけのデパートというやつだ。
日本橋に来るお客は平均年齢が高く、杖をついて歩くほど高齢の人も多く、置いてある商品もそれに合わせたものになっている。
母親はもっぱら日本橋であるが、Mrs.COLKIDは行っても自分の好みのものが見つからない事があるようだ。
かなり保守的な層が中心と言えるだろう。

それに対し銀座のお店はもう少し若い年齢層を対象としている。
しかし同時にこちらは外国人にも開放しているので、昔と比べると売り場の雰囲気がかなり荒れてしまっている。
大きな声で話す東洋人が大勢いて、ゆっくりものを見る環境ではなくなっている。
インバウンドの売り上げを獲得するために、犠牲になった店と言えるかもしれない。

靴売り場を見るために、新宿のIデパートに行くことも多い。
こちらはMデパートと比べると客層が明確に違う。
もう少し対象年齢が若く、同時に少し大衆的でもある。
置いてある商品はMデパートより新しくセンスのいいものが揃っている。

面白いのはお客さんに少しヤンキー系の人が混ざることだ。
高級ブランドの売り場にジャージや半ズボンにサンダルで来てしまうようなお客さんがいる。
金は持っているんだ、文句あるか・・というタイプである。

先日用があり久しぶりに池袋のSデパートに行った。
僕が若い頃は学校の帰りにいつも寄っていた。
当時はSデパートの全盛期と言え、都会的でセンスのいいものが揃っていた。

しかし今改めて見てみると、以前と違う印象を受けて驚いた。
大人しそうで地味なお客さんが大勢歩いている。
建物もずいぶん古くなったが、失礼ながらお客さんもどこか垢抜けない感じの人が多い。

やはりその場所を基点とした電車の路線の行き先とも関係しているのだろう。
Iデパートもsデパートも東京の西方面に放射状にいくつかの路線が延びている。
しかし池袋なら埼玉のお客さんが多くなるだろうし、新宿なら神奈川のお客さんも混ざるだろう。

僕が学生の頃だから、40年程前の話であるが、東京女性三世代論というのを読んだことがある。
東京に住む親子が3世代揃うと、祖母は絶対Mデパートじゃないとだめと言い、母親はIデパートくらいでいいわと言い、娘は断然Sデパートがいいと言う・・という話であった。
ちょうど上であげた三つのデパートが各世代の象徴であったのだ。

時代の変遷とともにこういう順位は入れ替わる。
40年も前の話だから、その頃娘の年齢だった人が、今は下手をするとおばあさんの立場になっている。
当然懇意にするデパートも変わるだろう・・と思ったが、今はそれ以前にデパートには行かない時代だろうか・・・
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