その時


D3 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

大きな画像

今回の地震はふいをつかれた。
火山の噴火や数日前に起きた余震など、前触れがなかったわけでもないのだが、ほとんど予測していなかった。
地震雲も見なかったし、動物の宏観現象にもまったく気付かなかった。
自分のセンサーがいかにでたらめなものか知り、ちょっとショックだった。

会社ではかなり揺れ、立っていることはできなかった。
揺れと音がどんどん激しくなり、無抵抗で暴力を振るわれているような気分になる。
非常に大きな地震だが、考えていた最悪のものより、少し小さいようだ。

幸運にも、結果的に大きな被害は出なかった。
ガラスも割れず、機械の位置も狂わなかった。
あの状況の中、奇跡的と言っていい。
近所で大きな被害の出た工場もあるので、たまたま地盤がよかったのかもしれない。

揺れが収まったところで、従業員は整然と二班に分かれて外に避難した。
その後すぐに点呼を取り、全員無事であることが確認された。
以前よりこういう事態を想定しており、毎朝朝礼の時に出社している社員の点呼を取っており、その表と付け合せたのだ。
訓練通りで、非常にスムースであった。

避難が終了したのを確認してから、ひとりで工場内を見て回った。
強めの余震が連続して起こり、ガタガタと揺れていて危険だったが、火の気がないことを確認して、大元のブレーカーを落とした。
資材がいくつかひっくり返っていたが、機械の位置が狂うといった、厄介な被害はなさそうだ。
倒れた資材は後でゆっくり直せばいいと、そのままにしておいた。

ほどほどに収まったところで、パートを帰宅させた。
若手は元気いっぱいで、まだ仕事が終わっていないというので、トラックに積み込みをして、製品を出荷してから帰らせた。
僕は夜まで残り、火などが出ないかしばらく様子を見てから帰途についた。

その程度で済んだが、もし地震が直下型でもっと大きかった場合、このやり方ではとても通用しない。
ガラスが割れたり壁が落下したりして、工場内は滅茶苦茶になるだろう。
自分の身を守るので精一杯だろうし、怪我人も出るかもしれない。

そうなった時のことも考えて、何か対策を考えていた方がいいと実感した。
いろいろな意味で、教訓になる地震であった。
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