観音薙


男体山の山腹には「薙(なぎ)」と呼ばれる山崩れの痕跡がいくつも残っている。
そのうちのひとつである観音薙は、いつも話題にしている明治35年の大災害の際に起きた崩壊であり、ニ荒山神社の西側をえぐり取って中禅寺湖に続いている。
長さ2kmに渡る、最大幅180m、深さ30m、面積20haの痕跡で、当時そこにあった立木観音や出来たばかりの小学校、人家などが押し流され、幾人かの人が亡くなられた。

この山崩れは栃木県の中でも大きいものだそうで、県がダムや水路を作り治山工事を行っている。
今でもニ荒山神社の西側には斜面をえぐる大きな溝が縦に走っているが、そこには美しい草花が植えられ、谷間をまたぐ橋が架けられ、緑に包まれた穏やかな光景が広がっている。

人が行くことはほとんど無いであろう木々の中に、ひっそりと建つ「校舎流出慰霊の碑」を見付けた。

D2X + AF-S DX Zoom Nikkor ED 17~55mmF2.8G(IF)

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