昨日のAKB総選挙をメディアは大々的に報じていた。ボロクソに書くはずの仕事先の夕刊紙も、AKB狂騒曲については微温的な論調である。国家的一大事といわないまでも、現在の日本を象徴するイベントであることは間違いなさそうだ。
本日は「特選花形落語会」(北千住・シアター1010)に足を運び、個性豊かな話芸に酔いしれた。桃月庵白酒が「佐々木政談」、柳家三三が「青菜」、三遊亭白鳥が新作の「隅田川母娘」を披露する。三三と白酒については当ブログで絶賛してきたが、初めて接した白鳥のアナーキーな芸に衝撃を受けた。東宮御所を抜け出した雅子妃と愛子内親王の冒険がテーマで、「この人、襲われない?」と気遣う声が洩れるほどブラックな中身に絶句する。ラディカルでアウトサイダーの白鳥が、俺にとって注目度NO・1の噺家になった。
噺家は客、そして共演者と戦っている。本日の3人も、枕の段階から気合の入り方が違っていた。都内の寄席は十数年前、閑古鳥が鳴いていたという。志の高い若手はめげることなく少ない客と対峙し、笑いを引き出してきた。その積み重ねが、業界の隆盛に繋がったのだろう。
<笑いを取る>という物差しは抽象的だが、目に見える数字を突き付けるのが選挙だ。夕方は杉並区議会議員補欠選挙(29日投票、定員3)に立候補予定の川野たかあき氏の事務所開きに参加した。川野氏は緑の党推薦で、宇都宮健児、三宅洋平の両氏に加え、漫画家の石坂啓さんの応援を受けている。基礎票の多い自民、共産が有力視されており、国会に議席を持つ民主、生活の党、維新、みんなの候補と鎬を削っている。
俺の中で杉並補選は<負けられない戦い>だが、世間的にいえばW杯になるだろう。この2、3年、欧州リーグを殆ど見なくなったため、流れの中でW杯を捉えられない。オランダの優勝を願っているが、チームの核といえるストロートマンの欠場はあまりに痛い。「経験不足の若手が多く、1次リーグを突破出来れば御の字」が重鎮クライフの予測だ。
あれこれ戦力を分析して展望するのは不可能なので、40年に及ぶW杯の思い出を簡単に記したい。高校3年だった74年ドイツ大会で、オランダのサッカーに度肝を抜かれる。真っ白なキャンバスに、想像力と創造力に溢れた絵が突然描かれたのだ。オランダの決勝での敗戦は、〝敗北の美学〟として俺の人生観に深く刻み込まれた。
82年スペイン大会の注目は黄金のカルテットを擁するブラジルだったが、ソ連との初戦で絶体絶命に追い詰められる。俺が見たのは午後の録画放送で、後半30分まで0―1とリードを奪われていた。約束があったので家を出て、合流した友人に「ブラジル、負けたな」と話していたが、夜のニュースで逆転勝利を知る。インターネットがなかった頃はのんびりしたものだった。
同大会のヒーローは、直前まで八百長に絡んだ疑いで出場停止処分を食らっていたイタリアのロッシだった。2次リーグで突如、覚醒し、ハットトリックでブラジルを破る。その勢いで6得点を挙げ、チームを優勝に導いた。74年同様、<理想の追求は勝利に繋がらない>ことを思い知らされた。
マラドーナの〝神の手〟と5人抜きゴールで記憶に残る86年メキシコ大会は、俺にとって82年に続くオランダ不在の大会だった。「三菱ダイヤモンドサッカー」でオンエアされた欧州予選プレーオフ、オランダ―ベルギー戦は胸が熱くなる激闘だった。ベルギーのアウェーゴールが第2レグの後半40分に決まった瞬間、時間差(2カ月前後)でがっかりしたのを覚えている。
開催国ブラジルで「W杯より福祉と教育の充実を」のスローガンを掲げたデモが頻発している。東日本大震災の被災地復興に支障が出ることが確実なのに、日本人は東京五輪開催に熱狂した。彼の地の方が遥かに民主的だと思う。
そもそも政治とサッカーは切り離せない。82年大会の2次リーグ、ポーランド―ソ連戦で、連帯支持の横断幕が掲げられる中、ポーランドは引き分けで決勝トーナメントに進む。会場が自由の聖地バルセロナのカンプノウというのも象徴的だ。
〝W杯観〟を覆されたのがボクシッチ(クロアチア代表)の発言だった。ボクシッチは「一番欲しいのはスクデッド」と繰り返し発言し、代表よりも所属チーム(ラツィオ)を上位に置いていた。ユーゴ内戦を経験したボクシッチは、<国を代表する>という構図に忌避感を覚えていたのだろう。ちなみにボクシッチは、キャリアのピークで迎えた98年大会をケガで欠場している。
理由は様々だが、自主的にW杯出場を辞退した選手も少なからずいる。メッシのように「バルセロナでは超一流、代表では並」と評される選手もいる。そのメッシは今季終盤、バルサファンからブーイングを浴びていた。W杯で逆の目が出て、ブラジルの開催国Vの夢をぶち壊すなんてことが起きるかもしれない。
友好の第一歩と期待された日韓共催から12年経ち、両国の亀裂は深刻になった。日韓関係を停滞させたのは。〝親韓派の総本山〟清和会から生まれた小泉、安倍両首相である。そこに働いている見えざる力、利権の現在に興味があるが、表に出ることはないだろう。
本日は「特選花形落語会」(北千住・シアター1010)に足を運び、個性豊かな話芸に酔いしれた。桃月庵白酒が「佐々木政談」、柳家三三が「青菜」、三遊亭白鳥が新作の「隅田川母娘」を披露する。三三と白酒については当ブログで絶賛してきたが、初めて接した白鳥のアナーキーな芸に衝撃を受けた。東宮御所を抜け出した雅子妃と愛子内親王の冒険がテーマで、「この人、襲われない?」と気遣う声が洩れるほどブラックな中身に絶句する。ラディカルでアウトサイダーの白鳥が、俺にとって注目度NO・1の噺家になった。
噺家は客、そして共演者と戦っている。本日の3人も、枕の段階から気合の入り方が違っていた。都内の寄席は十数年前、閑古鳥が鳴いていたという。志の高い若手はめげることなく少ない客と対峙し、笑いを引き出してきた。その積み重ねが、業界の隆盛に繋がったのだろう。
<笑いを取る>という物差しは抽象的だが、目に見える数字を突き付けるのが選挙だ。夕方は杉並区議会議員補欠選挙(29日投票、定員3)に立候補予定の川野たかあき氏の事務所開きに参加した。川野氏は緑の党推薦で、宇都宮健児、三宅洋平の両氏に加え、漫画家の石坂啓さんの応援を受けている。基礎票の多い自民、共産が有力視されており、国会に議席を持つ民主、生活の党、維新、みんなの候補と鎬を削っている。
俺の中で杉並補選は<負けられない戦い>だが、世間的にいえばW杯になるだろう。この2、3年、欧州リーグを殆ど見なくなったため、流れの中でW杯を捉えられない。オランダの優勝を願っているが、チームの核といえるストロートマンの欠場はあまりに痛い。「経験不足の若手が多く、1次リーグを突破出来れば御の字」が重鎮クライフの予測だ。
あれこれ戦力を分析して展望するのは不可能なので、40年に及ぶW杯の思い出を簡単に記したい。高校3年だった74年ドイツ大会で、オランダのサッカーに度肝を抜かれる。真っ白なキャンバスに、想像力と創造力に溢れた絵が突然描かれたのだ。オランダの決勝での敗戦は、〝敗北の美学〟として俺の人生観に深く刻み込まれた。
82年スペイン大会の注目は黄金のカルテットを擁するブラジルだったが、ソ連との初戦で絶体絶命に追い詰められる。俺が見たのは午後の録画放送で、後半30分まで0―1とリードを奪われていた。約束があったので家を出て、合流した友人に「ブラジル、負けたな」と話していたが、夜のニュースで逆転勝利を知る。インターネットがなかった頃はのんびりしたものだった。
同大会のヒーローは、直前まで八百長に絡んだ疑いで出場停止処分を食らっていたイタリアのロッシだった。2次リーグで突如、覚醒し、ハットトリックでブラジルを破る。その勢いで6得点を挙げ、チームを優勝に導いた。74年同様、<理想の追求は勝利に繋がらない>ことを思い知らされた。
マラドーナの〝神の手〟と5人抜きゴールで記憶に残る86年メキシコ大会は、俺にとって82年に続くオランダ不在の大会だった。「三菱ダイヤモンドサッカー」でオンエアされた欧州予選プレーオフ、オランダ―ベルギー戦は胸が熱くなる激闘だった。ベルギーのアウェーゴールが第2レグの後半40分に決まった瞬間、時間差(2カ月前後)でがっかりしたのを覚えている。
開催国ブラジルで「W杯より福祉と教育の充実を」のスローガンを掲げたデモが頻発している。東日本大震災の被災地復興に支障が出ることが確実なのに、日本人は東京五輪開催に熱狂した。彼の地の方が遥かに民主的だと思う。
そもそも政治とサッカーは切り離せない。82年大会の2次リーグ、ポーランド―ソ連戦で、連帯支持の横断幕が掲げられる中、ポーランドは引き分けで決勝トーナメントに進む。会場が自由の聖地バルセロナのカンプノウというのも象徴的だ。
〝W杯観〟を覆されたのがボクシッチ(クロアチア代表)の発言だった。ボクシッチは「一番欲しいのはスクデッド」と繰り返し発言し、代表よりも所属チーム(ラツィオ)を上位に置いていた。ユーゴ内戦を経験したボクシッチは、<国を代表する>という構図に忌避感を覚えていたのだろう。ちなみにボクシッチは、キャリアのピークで迎えた98年大会をケガで欠場している。
理由は様々だが、自主的にW杯出場を辞退した選手も少なからずいる。メッシのように「バルセロナでは超一流、代表では並」と評される選手もいる。そのメッシは今季終盤、バルサファンからブーイングを浴びていた。W杯で逆の目が出て、ブラジルの開催国Vの夢をぶち壊すなんてことが起きるかもしれない。
友好の第一歩と期待された日韓共催から12年経ち、両国の亀裂は深刻になった。日韓関係を停滞させたのは。〝親韓派の総本山〟清和会から生まれた小泉、安倍両首相である。そこに働いている見えざる力、利権の現在に興味があるが、表に出ることはないだろう。