亀岡から、明けましておめでとうございます。今年も戯言にお付き合いください。
07年は<恋でもしようか>で、08年は<猫になる>だった。そして昨年は<もっとラディカルに、もっとワイルドに>……。年頭の誓いを思い出すと赤面せざるをえない。
世の中が傾き、自らの足元も揺らいでいた昨年の元日は、ミューズの「ナイツ・オブ・サイドニア」を口ずさみつつ戦闘モードに突入していたが、10日ほどで拳を下ろすことになる。フルタイムの仕事を提示されたからだ。
初志貫徹といかなかったが、「反貧困ネットワーク」の賛助会員になった。些少な額を時折寄付しているが、善根を施しているわけではない。俺などいつ行き詰っても不思議はない。その時には心置きなく世話になりたいという<計算>が働いているからだ。
昨年分は形を変えて継続し、今年は新たな誓いを設定した。これまた口にするのも恥ずかしいのだが、<正しく愛する>……。
当ブログにも記した通り、50歳を過ぎてようやく、自分が<正しく愛する資質>に欠けていることに気付いた。今さら手遅れとはいえ、<愛>が人にとって最大のテーマである以上、初級クラスぐらい卒業してから召されたいもの。むろん<愛>といっても、男女間の恋に限定しているわけではない。
<自分一人が幸福になるということは、恥ずべきことかもしれないんです>……。
ヒントになったのが、昨年再読した「ペスト」(カミュ)の中のランベールの言葉だった。若いうちは情熱で事足りるが、俺ぐらいの年になると対象は何であれ、普遍的な価値観――倫理、正義感、優しさ、自己犠牲、友愛――に裏打ちされた<愛>が求められる。
年相応に枯れ、底にゆっくり沈みながら、距離を取る……。<正しく愛する>とはこんなイメージだが、煩悩多き身には険しい道のりである。
実現可能な目標も設定した。ドストエフスキーと漱石に続き、<自分を培ってくれた小説との再会>だ。ジョージ・オーウェル、高橋和巳、福永武彦、開高健らの作品を再読するつもりだが、古い文庫本は字が小さいのが難点だ。
知的好奇心を保つための条件は、何と言っても健康だ。昨年は糖分過剰摂取で体調を崩したが、同じ轍を踏まぬよう留意していくつもりだ。
最後に、30年ぶりに見た紅白歌合戦の感想を。<歌の力>を繰り返し強調していたが、心に響いたのは特別出演の2組だけだった。スーザン・ボイルの圧倒的な声に、不遇だった人生を解き放つ呪力と魔力を感じた。矢沢永吉は決して好みの歌手ではなかったが、全身から零れ落ちるオーラに圧倒された。
07年は<恋でもしようか>で、08年は<猫になる>だった。そして昨年は<もっとラディカルに、もっとワイルドに>……。年頭の誓いを思い出すと赤面せざるをえない。
世の中が傾き、自らの足元も揺らいでいた昨年の元日は、ミューズの「ナイツ・オブ・サイドニア」を口ずさみつつ戦闘モードに突入していたが、10日ほどで拳を下ろすことになる。フルタイムの仕事を提示されたからだ。
初志貫徹といかなかったが、「反貧困ネットワーク」の賛助会員になった。些少な額を時折寄付しているが、善根を施しているわけではない。俺などいつ行き詰っても不思議はない。その時には心置きなく世話になりたいという<計算>が働いているからだ。
昨年分は形を変えて継続し、今年は新たな誓いを設定した。これまた口にするのも恥ずかしいのだが、<正しく愛する>……。
当ブログにも記した通り、50歳を過ぎてようやく、自分が<正しく愛する資質>に欠けていることに気付いた。今さら手遅れとはいえ、<愛>が人にとって最大のテーマである以上、初級クラスぐらい卒業してから召されたいもの。むろん<愛>といっても、男女間の恋に限定しているわけではない。
<自分一人が幸福になるということは、恥ずべきことかもしれないんです>……。
ヒントになったのが、昨年再読した「ペスト」(カミュ)の中のランベールの言葉だった。若いうちは情熱で事足りるが、俺ぐらいの年になると対象は何であれ、普遍的な価値観――倫理、正義感、優しさ、自己犠牲、友愛――に裏打ちされた<愛>が求められる。
年相応に枯れ、底にゆっくり沈みながら、距離を取る……。<正しく愛する>とはこんなイメージだが、煩悩多き身には険しい道のりである。
実現可能な目標も設定した。ドストエフスキーと漱石に続き、<自分を培ってくれた小説との再会>だ。ジョージ・オーウェル、高橋和巳、福永武彦、開高健らの作品を再読するつもりだが、古い文庫本は字が小さいのが難点だ。
知的好奇心を保つための条件は、何と言っても健康だ。昨年は糖分過剰摂取で体調を崩したが、同じ轍を踏まぬよう留意していくつもりだ。
最後に、30年ぶりに見た紅白歌合戦の感想を。<歌の力>を繰り返し強調していたが、心に響いたのは特別出演の2組だけだった。スーザン・ボイルの圧倒的な声に、不遇だった人生を解き放つ呪力と魔力を感じた。矢沢永吉は決して好みの歌手ではなかったが、全身から零れ落ちるオーラに圧倒された。