閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

丸餅、切餅

2007-01-12 09:11:07 | 

あやめ草さんのところで、「おしるこ」か「ぜんざい」か、
という話がにぎやかなので、ついでに、
お餅が「丸餅」か「切餅」か、という話。

一説によると、「丸餅・切餅」の分布の境界は
静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を結んだ線、
すなわち家電製品の「50Hz・60Hz」の境界線と一致するらしい。

…というのは嘘。
嘘つきはモノ書きのはじまり。信じちゃいけません。
(ああ、なんだか、嘘のつき方がMに似てきちゃった)

西が丸餅、東が切餅、と大まかに認識していましたが、
三重県で切餅だと聞いて、あら?と思ったのでした。
(わたしの頭の中では紀州はぜんぶ「関西圏」だったので)
そのあたりに分岐点があるのでしょうか?
それと、東京より北はどうなっているかも、よくわかりません。

自分の家でお餅つきをすることを考えると、
切餅、つまり「のし餅」のほうが、とりあえずは簡単。
わたしもやったことがありますが、専用ののし台があって、
つきあがった1うす分のお餅をぺたんと置いて、
台の幅と厚さに合わせて棒でのばしていくだけです。
1こずつきれいに丸めるほうが技術も人手も要りそう。
(だけど、のし餅って、柔らかくてもかたくなりすぎても
切りにくいものなので、それはそれで手間はかかる…)

わたしは11歳のとき関西から関東に引っ越したので、
お雑煮のイメージなどもごちゃまぜです。
視覚的には丸いお椀に丸いお餅がほのぼのして好き。
東京で初めてのお正月仕度に大きな四角い(切る前の)のし餅が
ぺろんと登場したのは、さすがにカルチャーショックでしたっけ。

いまいるところも「切餅」地域です。
でも、考えてみたら、お正月だけですよね、四角いのは。
こちらでは新築の家の上棟式や、漁船の乗りぞめ、
それに節分など、なにかにつけて「餅をまく」という
風習がありますが、それらはすべて丸いお餅です。
丸めるのが嫌だというわけではないらしい。
(カドのあるお餅は投げると痛いから…ではないよね?)

お餅の形が2種類あるのに、お供えの鏡餅だけは
全国共通で丸い、というのも謎のひとつ。
でも、最近売られている鏡餅はプラスティックの置物で
裏を開けると小さいパックの切餅が出てきたりするから
もう何がなんだかわからないですね。


あやめ草さん、「道祖神」について、ありがとうございます。
ここのサイノカミサンは1つじゃなく、あちこちにあって、
(どんど焼きで燃されるのは、そのうちの1つ)
いまは100軒ほどある集落が、かつてはいくつもの小単位に
わかれていたらしいことが想像できます。

このへんには、サイノカミサンの他に、
子安さん(安産の神)、庚申さん(「塗仏の宴」に出てきましたね)、
オチイさん(?)、あづまさん(漁業の神)、お稲荷さん、
馬頭観音(馬の供養)、大日さん(牛の供養)、金比羅さん、
びき岩さん(日切り地蔵)
…など、いろいろそろっているんですよ。

コメント
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