閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

こたつ

2007-01-22 08:59:51 | 日々

暖冬でも、温暖化でも、まだ冬は冬。
雪がほとんど降らない当地は、全体に防寒体制が甘く、
人も家も無防備なままで、
「きょうは寒いねーっ」などと言い合っているので、
北国の人が見たら笑ってしまうでしょう。

近年、冬場にタートルネックが手放せなくなったのは
トシのせいかと一瞬思ったけれど、
よく考えてみたら、わたしは昔から寒がりでした。
それでも、夏よりは冬がいい。
コートにマフラーに手袋と、着込んだほうが安心できる。
冬はアレルギーもあまり出ないし、わりと元気です。

東京で、結婚した最初の冬、わが家の暖房は
電気こたつしかありませんでした。
食卓を兼ねたこたつが1つと、
仕事机を兼ねた小さいこたつがそれぞれ1つずつ。

ストーブを使わない部屋の空気は澄んでつめたく、
こたつだけって、なんていいんだろうと思いました。
(実家では「こたつに入っていると不精になる」といって、
昔からあまり使わなかったのですよ)
でも、わたし、正座は苦手。
どうしても横座りになってしまうため、腰が痛くなったり、
肩がこったり、血行不良でしもやけになったりしました。
それに、こたつで仕事をしていると、すぐ眠ってしまうの。
それで、やっとガスストーブを買いました。

そういえば、最初は、いろんなものがなかったのです。
2年くらいたってからテーブルと椅子を買ったんだったかなあ。
台所のガスこんろはマッチをすって点火する式のだったし、
炊飯器も食器類もみんなお下がりか貰い物だったし、
調味料の棚なんか、拾ってきた柱時計でできていました。
パスタを茹でられるサイズのシチュー鍋や、鉄の中華鍋など、
当時ひとつずつそろえたものは、いまでも使っています。
そのアパートで、3年後に猫を拾って飼い始め、
そのまた3年後の真冬に、こっちへ引っ越してきたんだっけ。

アパートから荷物を積み出したあと、
知人のトラックに、3匹の猫とごはんとトイレ、
それに布団とこたつだけ乗せてもらって、
月夜の海岸沿いをびゅんびゅん走ってきました。
カーテンもないからっぽの部屋のまんなかに、
何よりも先にこたつを置き、猫たちを押し込んで、
一夜明けた翌朝に、その他の家財道具が到着しました。
いま思えば、猫、猫、猫はどうするっ! と
とにかくそればっかり考えていたので、他のことは
どう片付けたかまったく記憶にない、そんなお引越しでした。

Kが生まれたときは、もうこたつは使っていませんでした。
いまいる猫たちも、全員こたつ知らずの世代です。
(そもそもこの家には畳もふすまもない…)

暮した年数、いつのまにか、ここが一番長くなりました。
またいつかどこかにお引越しすること、
あるかな。

ないかな。

コメント
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