閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

さんちゃん危機一髪

2007-01-09 09:14:27 | 日々

先日、ねずみさんを怖い目にあわせた三太郎。
今度は自分が怖い目にあってしまいました。

お昼前、猟犬の鈴の音が聞こえたので、
「猫、外に出てないよね?」と言いながら外を見たら、
いるじゃありませんか、庭の桜の木の根元に、
ぼけっとすわってる黒猫が。

発信機のアンテナをつけた茶色の猟犬が2匹、
連れ立って小走りにやってきます。
「ゲート閉めて!」とベランダからKに言ったとき、
やっと状況に気づいたらしく、三太郎、動きました。
ところが、何を間違えたのか、家に戻らず、
わざわざ庭の柵の外に飛び出してしまった。
さんちゃん、方向が逆だ!

ふつう猫は犬などが来ると、じいっと動かずにやりすごします。
真鈴はこれがとてもじょうずで、うちのポケなんか、
すれすれでも気づかず通り過ぎてしまうほど。
しかし、さんちゃん、犬の見てる前でダッシュしてしまった。
これは非常にまずい行動です。
猪猟犬は猪だけ追うように仕込まれていて、
「勤務中」にはあまり他のものに興味を示さないんですが、
目の前にシッポの長い黒い奴が飛び出したので、
思わず本来の職務を忘れ…。

さんちゃんもパニックですが、こちらもパニック。
さんちゃんは小川を飛び越え、山の斜面を駆け上ります。
逆だってば!
あとを追って猟犬が1匹。
さらにそれをKが追っかけて行くのだけど、
「四駆」の犬猫に比べると二足歩行はまったく不利。
それに犬がいるということはハンターもいるんだから、
いつ鉄砲の弾が飛んでくるかわからないし、
猪が突進してくる可能性だってあるわけで、
「戻りなさいっ!」とわたしはこっち岸から叫んでいる。

ほどなく犬は呼び戻され、
ハンターたちも引き揚げていったようなのですが、
問題はそのあと。
さんちゃんが帰ってこない。

遠くまで逃げて帰り道がわからなくなったのか。
高い木にのぼって下りられないのか。
まだ用心して隠れているのか。
とにかく、呼んでも呼んでも帰ってこない。
(もともと呼べば来るような猫ではないし)
どこを探してもみつからない。
あたりがすっかり暗くなっても帰ってこない…。

こういうときの猫は、しかたありません。
どんなに人になついていても、
いざというとき信じるものは自分だけ。
大声で呼んだり、がさがさ探し回ったりしても、
よけい警戒して出てこないこともあるのです。

心配しつつ、6時ごろ、台所で夕食の支度を始めたら、
背後で「むにゃ…」と小さい声。
振り向くと、さんちゃんが、いました!
いつもごはんをねだるテーブルの上に。

毛も汚れてないし、足の裏もすりむけてない。
よかった。そんなに遠くまで行ってなかったんだね。
どこも怪我してないね。
「うん。でも腹へった」
がつがつ食べる、いつもの三太郎でした。

コメント
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