わが家の文庫本本棚がそろそろ満杯になってきたので、保管する価値がないと思われる本を選んで近くのブックマート(古本や)に持っていきました。ページが黄色くなった本は引き取るとしても無料、それ以外はほぼ一律100円で引き取ってくれました。
そのとき50円割引券をもらったので、店内を物色しました。そこで見つけたのが以下の本です。
アマゾンでも古本でしか入手できないのですね。
読んでみたらおもしろい本でした。このような興味ある書籍が新刊書店で購入できないというのは残念なことです。
著者の田島優子氏は、1952年生まれ。東大法学部卒業の翌年に司法試験に合格。司法修習の後に職業として検事を選択します。新任で東京地検、その後福島地検、東京法務局、東京地検、法務大臣官房、外務省出向を経て92年に退官。さわやか法律事務所で堀田力氏のパートナー弁護士としてスタートした時期にこの本を執筆しました。1998年に刊行。
学生時代からのボーイフレンドで建設省キャリアの男性と司法修習中に結婚し、福島地検時代に二人のお子さんを出産しています。
田島氏が大学生だった1970年代前半、女性が男子学生と平等の条件で採用される就職口はほとんどなかったとのことです。彼女が高校2年のとき、司法試験を受けて弁護士になろうと決意します。
ところが、大学卒業の1年後に司法試験に合格し、仙台で2年間の司法修習を受けているときの実務修習先の法律事務所がひどいところでした。その事務所の所長弁護士は、年配で法律知識を身につける努力をしていなかったためか、裁判の準備などは男性事務員に任せっぱなしにしています。依頼者には法律知識がないから簡単にごまかせます。
この経験ですっかり弁護士に嫌気がさしてしまいます。また依頼者が女性弁護士を嫌うので、弁護士事務所が女性をまともに採用しないというのです。
一方、修習中に検察庁で過ごした4ヶ月間の雰囲気が気に入りました。
しかし田島氏は修習中に結婚しています。検事となり、単身赴任で全国を異動してまわることができるだろうか。
相談した研修所の検察教官も、検察の筆頭教官も、検事志望に反対します。「検事は女性に不向きな職業だと思いますよ。取り調べは女性には大きな負担だろうし、やっているうちに性格もキツくなる。転勤しないわけにいかないのだから、ご主人といつも別居になってしまうというのも、夫婦の関係によくないでしょう。」
唯一実務修習庁の検事正のみが賛成してくれました。
夫も最初は反対しますが、最後は折れます。そして検事に任官したのでした。
検事は新任の1年間、東京地検などの大きな地方検察庁に配属になり、刑事部と公判部を半年ずつ経験します。田島氏は東京地検です。「好奇心いっぱいの私には、捜査はたちまち面白くてたまらない仕事になった。」
事件の割り当ては副部長の仕事です。1年生に対しては、順次簡単な事件から割り当てていきます。まずは暴行・傷害事件、次に無銭飲食事件、その次は窃盗事件、といった具合です。このあたり、1年生検事の見聞録として実におもしろい内容となっています。
しかしやはり検事だなあと思うところもあります。
「私はつくづく、人間は大嘘つきだと思うようになった。・・・検事になるまでは人間が嘘つきだとは思っていなかったのだから、これは驚きだった。」
「私には今、中学生の娘と息子がいる。母親として、子供たちのことで最も気がかりなのが、娘の場合には援助交際、息子の場合には覚醒剤である。」
この辺の感覚はやはりわれわれ一般人とは異なっているようです。
後半へ続く。
そのとき50円割引券をもらったので、店内を物色しました。そこで見つけたのが以下の本です。
![]() | 女検事ほど面白い仕事はない (講談社文庫)田島 優子講談社このアイテムの詳細を見る |
アマゾンでも古本でしか入手できないのですね。
読んでみたらおもしろい本でした。このような興味ある書籍が新刊書店で購入できないというのは残念なことです。
著者の田島優子氏は、1952年生まれ。東大法学部卒業の翌年に司法試験に合格。司法修習の後に職業として検事を選択します。新任で東京地検、その後福島地検、東京法務局、東京地検、法務大臣官房、外務省出向を経て92年に退官。さわやか法律事務所で堀田力氏のパートナー弁護士としてスタートした時期にこの本を執筆しました。1998年に刊行。
学生時代からのボーイフレンドで建設省キャリアの男性と司法修習中に結婚し、福島地検時代に二人のお子さんを出産しています。
田島氏が大学生だった1970年代前半、女性が男子学生と平等の条件で採用される就職口はほとんどなかったとのことです。彼女が高校2年のとき、司法試験を受けて弁護士になろうと決意します。
ところが、大学卒業の1年後に司法試験に合格し、仙台で2年間の司法修習を受けているときの実務修習先の法律事務所がひどいところでした。その事務所の所長弁護士は、年配で法律知識を身につける努力をしていなかったためか、裁判の準備などは男性事務員に任せっぱなしにしています。依頼者には法律知識がないから簡単にごまかせます。
この経験ですっかり弁護士に嫌気がさしてしまいます。また依頼者が女性弁護士を嫌うので、弁護士事務所が女性をまともに採用しないというのです。
一方、修習中に検察庁で過ごした4ヶ月間の雰囲気が気に入りました。
しかし田島氏は修習中に結婚しています。検事となり、単身赴任で全国を異動してまわることができるだろうか。
相談した研修所の検察教官も、検察の筆頭教官も、検事志望に反対します。「検事は女性に不向きな職業だと思いますよ。取り調べは女性には大きな負担だろうし、やっているうちに性格もキツくなる。転勤しないわけにいかないのだから、ご主人といつも別居になってしまうというのも、夫婦の関係によくないでしょう。」
唯一実務修習庁の検事正のみが賛成してくれました。
夫も最初は反対しますが、最後は折れます。そして検事に任官したのでした。
検事は新任の1年間、東京地検などの大きな地方検察庁に配属になり、刑事部と公判部を半年ずつ経験します。田島氏は東京地検です。「好奇心いっぱいの私には、捜査はたちまち面白くてたまらない仕事になった。」
事件の割り当ては副部長の仕事です。1年生に対しては、順次簡単な事件から割り当てていきます。まずは暴行・傷害事件、次に無銭飲食事件、その次は窃盗事件、といった具合です。このあたり、1年生検事の見聞録として実におもしろい内容となっています。
しかしやはり検事だなあと思うところもあります。
「私はつくづく、人間は大嘘つきだと思うようになった。・・・検事になるまでは人間が嘘つきだとは思っていなかったのだから、これは驚きだった。」
「私には今、中学生の娘と息子がいる。母親として、子供たちのことで最も気がかりなのが、娘の場合には援助交際、息子の場合には覚醒剤である。」
この辺の感覚はやはりわれわれ一般人とは異なっているようです。
後半へ続く。
私は田島先生の著書を読みました。
私も検事をしております。私も田島先生と同じように親に迫られてます。男性との関係ですが、田島先生はどのように出会われたのでしょうか。
ご参考までにお教え願えればありがたいと思います。
こちらにお返事します。
田島優子さんの「女検事ほど面白い仕事はない」は本当に面白いですね。
同じように面白い話として、米沢 富美子さんの「二人で紡いだ物語 (朝日文庫)」がありますよ。
http://blog.goo.ne.jp/bongore789/e/0f1ae4b1120bdd41c07efcee80cab38b
どちらも、口では奥さんに協力すると良いながら、全くの空手形でした。女性は本当に大変です。