<2877> 大和の花 (943) イチヤクソウ (一薬草) イチヤクソウ科 イチヤクソウ属
林内の半日蔭になるような場所に生える常緑多年草で、葉が根元に集まってつき、根際から花茎を立てる。葉は長さが3センチから6センチの広楕円形で、先は尖らず、縁には細かい鋸歯が見られる。脈が目につき、やや波打つ。花期は6月から7月ごろで、葉の間から立つ花茎は淡緑色で、20センチほどになり、多いもので10個ほどの白色の花をつける。直径1.3センチほどの花冠は5裂し、雄しべは10個。雌しべは1個で、長く突き出し湾曲する。花は花柄を有し、下向きに開く。
北海道、本州、四国、九州に分布し、国外では朝鮮半島、中国東北部に見られるという。大和(奈良県)では山足から標高1300メートル付近の山地でも見かけられ、標高が高くなるほど花が貧弱になる傾向がうかがえる。全草を薬草とし、一番よく効くとしてこの名がつけられたようで、漢方では全草を乾燥したものを鹿蹄草(ろくていそう)と呼び、煎じて脚気や利尿に用いられる。また、生葉の汁は切傷に効くという。 写真はイチヤクソウ。つぼみと花(平群町の生駒山系ほか)。 百舌鳴けり許容にありて天高し
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます