<8> トマ ト
夏ゆけり 庭の眺めの 少し荒れ
朝晩急に涼しくなって一息入れる気分になって、庭の眺めにもその気分が感じられる。 妻が植えたポットのトマトは夏を迎えてひとしきり花を咲かせ、暑さの増すころ赤い大きな実をいくつも提供してくれた。 夏が過ぎようとするいま、そのトマトは水を遣っても効き目がないくらいに衰え、熟れ残った実を一つぶら下げている。 私が勤めをしていたころから庭は妻の領域で、野菜や花などを植えて楽しんで来たようなところがある。そして、いまも継続し、それに変わりない。
私はもっぱら眺める人であり続けているが、夏の暑い盛りは妻も庭に出る回数が少なく、その分、庭も少し荒れて見えるところがある。その庭の眺めも季節の移ろう姿と言えるが、その眺めにも感慨がもてるのは、涼しくなると手入れに熱の入る妻の働きが裏打ちとしてあるからに違いない。 いま少し 待たるる秋や 庭の面
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