<3060> 余聞 余話 「墳丘黄変」
墳丘の草地一面ブタナ咲くこの風景に見ゆるものとは
コロナ禍の自粛で休園していた馬見丘陵公園がこの間から開園され、久しぶりに歩きに出かけた。木々の緑が深まり、花も春から夏に変わっていた。樹木で言えば、ヤマボウシが花盛り。草花で言えば、タンポポと入れかわり、ブタナが墳丘の草地を被い尽くして黄色い花を咲かせていた。
その黄色い花の絨毯はタンポポを凌ぐ感があり、写真に収めた。ブタナは大和の花シリーズで紹介したとおり、ヨーロッパ原産のキク科の多年草で、日本には昭和時代の初めに渡来し、野生化して全国的に広まっている。タンポポのようなロゼット状の根生葉をつけ、花もタンポポに似て、黄色い舌状花を咲かせる。
ともに日当たりのよい草地に生え、群生することが多いが、タンポポとの違いは、濃緑色の花茎が枝分かれし、長く伸び出すこと。で、一見して見分けられる。ブタナは豚菜で、フランス語の「salade de pore」(ブタのサラダ)の訳によるところ、ブタの飼料を意味する。古墳時代に造られた墳丘を被い尽くして咲く明るい黄色の花を見ていると、グローバル化の時代が思われ、新型コロナウイルスのことなども連想されたことではあった。 写真は一面に咲くブタナ(馬見丘陵公園一本松古墳付近)。
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