大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2017年02月14日 | 植物

<1873> 余聞・余話 「葉について(3)」 ( 勉強ノートより )

     草木にも冬の次には春が来る 思へば四季の国なる日本

 (2) 単葉と小葉の形

 単葉もしくは複葉の小葉における葉身にはいろいろな形がある。あげてみると次のようである。糸状、線形、広線形、針形、披針形、広披針形、倒披針形、長(狭)楕円形、楕円形、広楕円形、長(狭)卵形、卵形、広卵形、倒卵形、扇形、心形、倒心形、腎形、菱形、三角形、へら形、矢じり形、鉾(矛)形といった具合である。(左図参照)

  1、糸状(イトスゲ、ミカヅキソウ)。2、線形(ミミカキグサ、コマツカサススキ、センブリ)。3、広線形(ノニガナ)。4、長楕円形(ムラサキシキブ、オノエラン)。5、楕円形(テイカカズラ、ヒイラギ、コヨウラクツツジ)。6、広楕円形(バイケイソウ、ヤマハッカ、ヒツジグサ)。7、円形(ムシカリの一部、サルトリイバラ)。8、扇形(イチョウ、クマガイソウ)。9、針形(クロマツ、アカマツ)。10、披針形(ヤマユリ、ヒレタゴボウ、チョウジタデ)。11、広披針形(イワナンテン、アクシバ、ソクズ)。12、倒披針形(アセビの一部、メドハギ、キランソウ)。13、長卵形(ノササゲ、キキョウ)。14、卵形(ハコベ、コウヤボウキ)。15、広卵形(フデリンドウ、キササゲ)。16、倒卵形(タンキリマメ、ヤマシャクヤク)。17、心形。18、倒心形(カタバミ)。19、腎形。20、菱形。21、三角形(ミヤマタニソバ、イシミカワ)。22、へら形(スベリヒユ)。23、矢じり形(オモダカ)。24、鉾形(矛形・ヒルガオ)。

                                                   

 以上であるが、完全に言い表しているということは稀で、広披針形とも言えるスイバなどは長楕円状被針形と表記されたりしている。また、心形や腎形にしても心臓や腎臓をイメージした形であり、完全にその形のものはなく、イメージにほかならず、アレチウリでは円心形、ツルギキョウでは卵心形、ヤマネコノメソウでは腎円形と呼ばれたりもする。

  菱形も同様で、その名は一説に菱の葉から来ていると言われるが、その葉はどう見ても完全な菱形ではなく、広菱形と呼ばれたりしている。ほかにも、エンレイソウの菱状円形、ミズタマソウの卵状楕円形、長楕円状被針形、カキツバタでは剣形と呼ばれる。また、ウワバミソウのように歪んだ葉身やユズの葉のように中途でくびれた特殊な形態の葉身も見られる。

                                         

 また、葉柄に通じる葉身の基部にもいろんな形があり、くさびのようなくさび形(イノコズチ)。葉柄と葉身の基部がほぼ直角になる切形(イタドリ)。葉身の基部の両側が耳たぶのように膨らむ耳形(ミゾソバ)。矢じりのような矢じり形(オモダカ)。鉾(矛)のような鉾形(矛形・ナガバノウナギツカミ)等がある。(右上図参照)

  葉身の縁にもいろいろな形があり、次のように現われる。鋸歯などが全くない全縁(マテバシイ)、波打つ形の波状(カシワ)、細かいぎざぎざがある鋸歯(コアジサイ)、ぎざぎざが複雑に現われる重鋸歯(オオシマザクラ)、鋸歯が大きく牙を思わせる齒牙(ミズナラ)、歯牙が大きく複雑に現われる欠刻(カラコギカエデ)等々が見られる。(右中図参照)

 一方、葉の裂け方にもいろいろある。全縁から欠刻までは葉の縁の変化で、裂けるという言い方はしない。それ以上に切れ込むものは、浅く裂けるものを浅裂、中途まで裂けるものを中裂、深く裂けるものを深裂という。また、掌状になるものは掌状分裂葉といい、鳥の羽のように裂けるものは羽状分裂葉という。(右下図参照)  写真はイメージで、緑あふれる山。 

 


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