<1932> 余聞・余話 「浅田真央選手現役引退の報に触れて」
真央ちゃんの引退 列島さざれ波
フィギュアスケートの浅田真央選手が十日夜、自らのブログで引退を明らかにした。十二日には記者会見を行ない、引退に至った経緯や心境を語った。五歳から二十六歳の現在まで、フィギュア一筋の人生に「悔いはないです」と述べた。競技では喜び半分、悔しさ半分だったことは観戦者の承知するところであるが、その観戦者の多くに愛され、ともに喜び、ともに悔しさを噛みしめた一人の少女であり、舞姫だったと、会見は印象づけた。
会見に臨んだ彼女の気品に満ちた姿、立ち居振る舞い、言葉づかい、どれを取ってもこれ以上何をつけ加えるところがあるだろう。洗練された女性へと成長したその美しさは日ごろの厳しい鍛錬の賜物であり、その成果に違いないと思えた。あまり褒め過ぎてもいけないが、美しいということはいいことだ。まことにいい会見だった。
冒頭の句は、「真央ちゃんの引退」を季語にして詠んだ。「さざれ波」はさざ波のこと。ファン一人一人の胸の中に起きた心の動きの言いである。俳句として詠んだが、川柳になったかも知れない。では、今一句。 春愁や時の定めのこの世観 写真はイメージで、春のさざれ波。
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