<1441> 冬 日
法隆寺 冬日は塔より 差し始む
赤道付近を東から西に吹いている貿易風が弱まり、南米のペルー沖から日付変更線辺りに至る太平洋の赤道付近の海域において海水温が通常よりも高くなる状態が長期に及ぶことをエルニーニョ(神の子)現象と呼ぶ。この現象が起きると世界各地に異常気象をもたらし、日本列島では暖冬になると言われる。現在、超が冠せられるほど大きいエルニーニョ現象が起きていると言われ、日本列島では温暖化と相まって今年は暖冬になるとの長期予報がなされている。
これは気象の変動に関わる問題で、地球と太陽や月の位置関係の状況変化によるものではない。故は、この冬が暖冬になって暖かくなり、雨や雪が多くなっても、太陽の位置は変わらず、晴れた日の日差しをうかがえば、それは昔と何ら変わらず、冬には冬の角度をもって日差しはあるということである。寒暖の差は私たちの感覚に及んで来るが、暖かくても寒くても、どちらにしても、冬には冬の日差しがあり、日差しが寒暖によって角度を変えるということはない。だから、いくら超エルニーニョ現象状況に至っても、日本列島の冬は冬としてあることになる。
今日は朝方冷え込んで、霜が降りていたが、日中は穏やかに晴れて、師走とも思えない穏やかな陽気になった。けれども、日差しを見れば、太陽の運行が南に傾いているので、室内に差し来る日差しは奥の方にまで及び、冬を感じさせる。建物に当たる日差しにしてもこれが言えるわけで、寒暖のみでなく、日差しも私たちの感覚には及んで来る。ということで、冒頭の一句を得たのであった。 写真は朝日が当たる法隆寺の伽藍。
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