大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2022年07月16日 | 創作

<3831> 写俳二百句(148) 夏病み

           夏病みや頑張ってゐる齢かな

          

 七月はじめに夏風邪を引いて喉まわりの調子が悪く、かかりつけ医に処方してもらった薬を一週間飲み続けた結果、痰も切れ、咳も止まり、熱も下がってよくなったのであったが、睡眠不足に加え食欲が湧かず、悩ましさが続いている。これを「夏病み」というのであろう。

 後期高齢の齢に基礎疾患、というような我が身にあってコロナウイルスの感染症には気を遣って来た。ワクチンも世間並みにこれまで三回。四回目も七月末に予約済みで、それなりに防御している。夏風邪を引いた関係でこれまで二回抗原検査を受け、二回とも陰性だったが、コロナがまた感染者を増やし始めている。

 それはそれで致し方のないことであるが、この「夏病み」は私の場合、どうも齢から来ているそんな気がする。世の中の出来事にしても、最近はコロナ禍をはじめ、ロシアによるウクライナへの一方的軍事侵攻、この間起きまだ尾を引いている安倍元首相の暗殺事件にしても、人間の世界が普通でない、私の頭ではついていけない異様な光景の連続で、そう言った世の中の状況も心のどこかに沁み込んで影響しているのだろうか。

 以前だったらこうした状況においてもその状況を跳ね返して精神の馬力にして来たような気がするが、これが齢というものであろうか。「夏病み」という言葉が脳裏に浮かんで来て、冒頭の句になった次第。最初は「頑張ってゐる」を「悩み増しゐる」にしたが、気分が暗くなる一方で、斯くのごとくに句をまとめた次第である。 写真は寝床から見た目線の室内写真。