<3830>奈良県のレッドデータブックの花たち(245)マイヅルソウ(舞鶴草) キジカクシ科(旧ユリ科)
[学名] Maianthemum dilatatum
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴] 深山、山岳の冷温帯域から寒温帯域に生える多年草で、根茎が長く這い、群生することが多い。葉は茎の上部に2~3個が互生し、葉の基部は深い心形になり、単子葉植物特有の縦条がくっきりし、先は尖る。この葉が茎に2個つく姿がツルの舞うごとく見えるのでこの名があるという。花期は5~7月で、茎頂の総状花序に、白色の小さな花を多数つける。実は球形の液果で赤熟する。
[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外ではユーラシア北東部と北アメリカの北東部に広く見られる。
[県内分布] 五條市、東吉野村、天川村、上北山村、下北山村、十津川村。
[記事] 大和地方(奈良県域)では、産地が大高山脈と大峰山脈の稜線部に限られ、シカによる食害のためか開花個体が少なくなっているとして、奈良県のレッドデータブックにあげられている。大峰山脈の主峰八経ヶ岳(1915メートル)の植生保護区のシカ避け防護ネット内では大きい群落が見られるが、花は毎年とは限らないようである。 写真はシカ避け防護ネット内で群生し花を咲かせるマイヅルソウ(左)と花序のアップ(右)。
虫でも鳥でも
鳴いているということは
生存している証である