先日、夕食のあと、他にお客様もなく、暇にまかせて、お遍路さんとお話をしたときのことである。その方は、お坊様で、3度めきてくださった方だ。
その方、Yさんが、横峰寺から石鎚山へ御参りしたお話である。
「私もこの夏、あの道は通りました。」
「ホオー、あんたどうもなかったか?ワシが横峰から星が森を通り、薬師堂にさしかかった時、突然足が前に進まなくなった。後ろを歩いていたおにいちゃん遍路も、トリハダがたってきたていうとった。なんでやろと不思議でたまらんやった。石鎚に登った時、信者の人にこのはなしをしたら、そりゃあそうだろう、ひとつき前、あそこで遭難した人がおる、といわれた。成仏できんかったんやろうな。」
7月30日にかいた日記、お堂と石仏の写真の辺りのことである。感受性がにぶいせいなのか、通ったのが遭難の前だったのか、私は何も感じていない。いままで、霊に関するようなことは経験がない。そういう類のことはあまり信じていないのだ。でも、この話をもし歩く前に聞いていたとしたら、私だって、怖くてあの道を通る気にはなれなかったろう。遍路の途中、金縛りにあったり、不思議な体験をする人が結構いるらしいが、目の前の人に体験を聞かされると、真実味があって怖い気がする。
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