日記

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八街で

2024-09-03 14:17:02 | 日記

 セミの声がピタッと止まった。朝の時間の静かなこと。夕方近くになると、ツクツクボーシの声が近所の庭から聞こえてくる。

 夜は夜で、虫の大合唱だ。何種類かの鳴き声のうち、スズムシしか分からない。リーンリーンと、鈴を振るような綺麗な声だ。毎日毎日一晩中鳴き続けて、疲れないのだろうか。

 別宅の周りでもそろそろ稲刈りが始まった。でも、まだ緑の田んぼも多い。先月末、八街に滞在したとき、電車の車窓から景色を眺めていると、ほとんどの田んぼが金色している。まさに稲刈り最盛期に入ろうとしていた。

 このころ、どこのスーパーでも米売り場に商品が空っぽ、米買いだめの現象が起きていた。うちでは、シーズンオフなので、米の消費はとても緩やか、年寄二人が食べる米など知れている。米売り場に注意を向けたこともなかったが、なるほど、コスモスもきむらも、売り切れ。私はいつも産直で米を買うが、そこでは出ていた。5キロ入り2300円の新米を置いてあった。去年のは1700円で売っていたから、まだ高い。今新米を出荷できる農家さんは儲かる。私はもう少し下がってから買おう。私のところでは、お客さんに食事を提供することは今のところないが、飲食業の方たちが買い占めるのは無理ないことだろう。

 八街に住むの娘が「お米が高い、5キロ2900円もする」と言っていたが、送料はかかっても、こっちで買って送ってあげたほうがましかなと思った。でも、若い人たちはお米を食べない。娘らは小麦が主食だ。炊き立てのご飯は、塩をふるだけで甘くて美味しい。

    

 娘たちは、八街駅から車で10分くらい離れたところに住んでいる。パラパラと家や林や荒れ地がある。ここでの私の仕事は、買い出しとご飯作りである。車は持っているけれど、婿が出勤に使う。自転車はあるけれど壊れている。なので私は、一番近いスーパーへザックを背負って歩いていく。20分強の散歩と思えばいい。ピーナッツ畑、繋がれたヤギ、竹藪、荒れた湿地帯、セミの声を聴きながら歩く。自宅ではクマゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミだったが、八街ではミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクボーシがにぎやかだった。関東と四国では、自然が全く違うんだね。目に入る景色も、香川では、おにぎりみたいな里山がポコポコ、八街では、広くて平たい丘陵のところどころに林や畑や民家がある。

  

 料理が得意でない娘がまず作らないだろうおかずを、いろいろ用意したが、あれ?味付けが、ほとんど醤油砂糖ゴマ。

   

 白いフワフワした毛のスピッツの散歩を受け持ちたかったけれど、彼女は私と行きたくない。私が連れ出そうとすると、踏ん張って動かない。婿のお父さんが滞在中には二人で散歩したらしいのに、どうして?

 このスピッツと、うちのチャトラの猫、コロとは、ほぼ同じ重さ。毛がフワッとしているから大きいように見える。うちのコロちゃんは、短毛だけど、ズシリと重たい。

 

 毎朝、涼しいうちに、玄関前の草取りをした。草取りは嫌いではない。いろいろ考えながら手を動かせていると、いつの間にかきれいになっている。私にできることはこれくらいしかない。

 

 お姉ちゃんと弟

 お風呂はパパの仕事になるらしい

 45年前、初めて子供を産んだ時のことが走馬灯のように思い出された時間だった。母乳がなかなか出なくて、赤ちゃんがよく泣いて、私はノイローゼのようになったっけ。育児書のようにしなくてはと、四角四面に考えていた。第二子の時は、よく寝てくれて楽だった。三子の時は、実はあまり覚えていない。それくらい、出産育児に慣れたということか。しかし、妊娠中の体がきつかったのはよく覚えている。四子は無理、と思った。

 赤ちゃんが泣いたらおっぱいあげたらええんよ、そしたら出るようになる、と私の経験から言うが、娘は時間と量を決めている。40年も前とは育児方法も変わっているだろうが、いちばんは、赤ちゃんが元気に育って、よく寝てくれることだ。二人で協力してお世話するだろう。

 

 

 


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