山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

09北海道くるま旅くらし: 第49日

2009-08-29 03:07:17 | くるま旅くらしの話
行程:道の駅:よこはま→道の駅:七戸→道の駅:十和田→道の駅:三戸(Tさんのお店)→一戸ICから高速道に入る)→岩手山SA→長者原SA(泊)


今日は単なる移動日であり、ブログに書くことなど何も無いと思っている。昨夜着いた時は、雨は降っていなかったのだが、夜半から雨となり、朝は本降りとなっていた。予定としては、野辺地から青森市方向に向かい、浅虫温泉の道の駅で温泉に入って、午後遅くまでのんびり過ごし、その後高速に入って南下し、適当なSAで泊まるつもりでいる。
泊まった旅車の殆どが出発した後、我々も野辺地に向け出発。朝のニュースで六ヶ所村の原燃再処理工場の試験運転計画が再延期となったということが繰り返し報道されていたが、その近くを通過しながら、やっぱり不安を覚えたりした。原子力のことは分からない。出発時は浅虫温泉に入るのを楽しみにしていたのだが、相棒が今朝の天気予報であの辺りが荒天で風雨がひどく、雷が鳴るとのことなので、長時間の滞在は止めて欲しいなどと言うものだから、急に予定を変更し、青森の方に行くのは止め、野辺地からはR4を七戸の方に行くことにした。高速道の特別割引は、明日に掛かっているので、今日は急ぐ必要は無いのである。早く高速道に入っても、どこかで泊まる必要があるのだから。
野辺地からしばらく走って、七戸の道の駅に到着。ここは野菜をゲットするには、全国有数の場所ではないかと思っている。久しぶりの来訪だった。たくさんの魅力的な品質と価格の野菜が並べられていたが、今日の最高は枝豆。よく実の入ったのが一袋たった120円で売られていた。七戸には新幹線の駅が近くに造られており、この辺りの景観が変わりつつあった。道の駅もその影響を少なからず受けている様だが、この野菜販売だけはこれから先も不変であって欲しいと思った。枝豆をはじめ、かなりの野菜をゲット。これらは旅用ではない。帰宅後の生活用である。野菜に満足した後はR4の次の道の駅:十和田を目指す。
朝からの雨は依然降り止まない。十和田市郊外の道の駅に着いたのは、11時少し前だった。この道の駅も地元産の野菜の販売システムがきちんと整備されていて、七戸に引けをとらないのだが、先に買ってしまったので、買い洩らしたものはないかと、一回りする。特になし。相棒が駅舎に隣接する匠の館という建物を見学したいと、その中へ消えて行った。どうやら地元の伝統工芸の一つの裂き織りの館らしい。しばらく戻って来ないので、七戸で買った枝豆を茹でたりして待つことにした、まだ時間があったので、車を館の方に移動して、近くの水飲み場から水などを補給する。30分以上経って相棒が興奮気味で戻って来た。裂き織りは彼女の趣味の一つで、最近の最大関心事であり、そのことの壁を破る様な衝撃を受けたらしい。カルチャーショックを受けたなどと言っていた。カメラを取り出して、もう一度館の中に入って行った。こうなると待つしかない。昼時となっているので、先ほど七戸で買った豆腐を取り出し、冷や奴で食べることにした。ビールを飲む訳にはゆかな
いのが残念だ。しばらくして、漸く気持ちにケリをつけたらしい相棒が帰って来た。先ほど自分もちょっと館の中を覗いて見たのだが、裂き織りの織り機がずらりと並んでいて、そこで体験学習や研修ができる様になっていた。相棒の話によると、全国一の南部裂き織りの研修機関らしい。今まで何度もこの道の駅に寄っているのに一度も中に入らなかったのを悔やむことしきりだった。ここには早朝や夕方の来訪が多かったので、館を訪ねる機会を逸していたのかも知れない。今度は裂き織りの勉強だけを目的に来訪したいと言っていた。たいへんなことになりそうだなと思った。家の中に機織りの器具を置いて、存分にその作業に没頭するのが、彼女の夢らしい。ま、夢というのは実現させるべきものであろう。反対はしない。彼女の決心次第である。興奮しながらの食事の後出発したのだが、しばらくは自分の預かり知らぬ世界の話を聞かされ続けたのだった。
十和田の次は三戸である。ここの道の駅にも優れた野菜が多いが、特に果物が良い。それより何より、相棒の大切な友人のTさんの地元である。ここを通るからには、Tさんに挨拶なしでは済まないのである。Tさんは地元で家族と一緒に多角的農業を営みながら、その販売や食堂の経営にも係わっておられる超多忙のお人である。三戸の有名人のお一人なのかも知れない。そのTさんの野菜販売所に寄ったのだが、隣接する「元気亭」という食堂を切り回している娘さんに訊くと、道の駅の方ではないかとのこと。何しろ全く予告無しの来訪で、Tさんには誠に申し訳け無し。道の駅に行ってみると、ラッキーにも会うことが出来たのだった。これから病院で腰や膝の診察に出掛けるという。心配になった。診察が終わった戻るまで2時間ほど待って欲しいとの話だった。却って迷惑をかけるのではないかと思ったのだが、せっかくのご好意を無にするのは申し訳なく思い、待つことにした。
この間、一つの出来事があった。福岡からヒッチハイクで北海道まで行き、その帰りだという大学生らしき3人が、足が痛くなって厳しいので、どこでも良いから山道を越えた平らな場所まで乗せてくれないかという。3人ともかなり疲れている様子だった。相棒がOKなら考えてもいいかなという気持ちにはなったのだが、良く訊くと何と自転車でなのだという。それは無理というもの。3台も自転車を積んで高速道を走る訳にはゆかない。彼らはしぶとくて、車の中に自転車を縦にして入れれば何とかなるだとかいう。その必死の気持ちは解らぬではないが、言わば暮らしの為の狭い居間の中に、汚れた自転車を3台も持ち込んで乗せて行けというのだから、呆れてしまう。テントやシュラフも持参していないという。更には、旅に出る前に自転車に乗っての訓練や鍛錬など何もせずに、そのまま出て来たという。それは無謀というものだと話したら、無謀が好きなのだと返って来た。だんだん腹が立ってきた。後で近くにあるコンビニに置いてあるという自転車を見たら、何とママチャリ
ではないか。呆れてモノが言えない。多少はあった同情心は一挙に吹き飛び、無謀の結果がどうなるかを、これからトコトン学べば良いと思った。願わくば、これから先福岡まで、如何なる車も彼らを乗せないようにして貰いたいと思った。
その後、Tさんから連絡があり、病院の診察を30分遅らせたので、これから畑に行きトウモロコシなどの野菜を採って持って行きなという。いやあ、そんなことまでして頂くなんてと恐縮したのだが、せっかくのご好意をお断りするのもできず、Tさんの運転する車で畑に行き、まあ、たくさんの野菜を摘み、頂戴してしまったのだった。忙しい中、体調が悪くて病院の診察を受けられるというのに、突然の来訪でとんだご迷惑を掛けてしまい、本当に申し訳けない。と同時に相棒も自分も幸せ者だなと思った。Tさんのご好意をしみじみとありがたく嬉しく思った。病院に向かうTさんは、相棒が着ているのと同じデザインの着衣を、絣の布地で手作りされており、相棒はその手さばきに驚いていた。お聞きすれば、その昔に洋裁に勤しまれたという。波乱の人生の一端を垣間見たような気がした。二人並んで、記念写真を撮る。Tさんの腰や膝が早くトラブルを脱出されますことを願い、祈りつつ、車を見送る。Tさん、本当にありがとうございました。御身お大切に。
旅は明日で終わりだけど、今日はいろんな出来事があり、思いもしなかった大忙しのブログ記事となってしまった。その後は一戸ICから高速道に入り、東北道を南下して、長者原のSAに泊まる。明日は旅の丁度50日目。終わりの日である。
コメント
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