山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

09北海道くるま旅くらし: 第45日

2009-08-25 03:23:34 | くるま旅くらしの話
行程:道の駅:ライスランドふかがわ→道の駅:たきかわ→ノースライフ(キャンピングカーサービス工場)→竹山温泉→マオイ名水→Aさん宅→道の駅:マオイの丘公園(泊)


とんだ出来事の昨日の悪夢から覚めて、朝が始まったのだが、悪夢を引きずるように夜来の雨は降り止まず路面を濡らしていた。今日はその悪夢の現実を何とか解決しなければならない。とにかく食に重大な影響を及ぼす冷蔵庫を何とか元の正常な箱に戻さなければならない。しかも一刻も早くである。これを解決しないと心が落ち着かないのである。というわけで、朝食もそこそこ出発の準備をし、修理をお願いした札幌市清田区のノースライフ社を目指すことにする。
出発後滝川の道の駅に寄り用を足したあとは、ひたすらに札幌市内の目的地を目指す。R12を走り、厚別からR274そして道道に入り、地図と勘を頼りに目的地に向かう。ナビ無し主義はこんな時は微妙である。しかしノースライフ社はとても判り易くて、何の苦労も迷いもなく一発で到着することが出来た。やれやれである。早速事情を話して点検と修理をお願いする。それから1時間ほど掛けて、あれこれと丁寧にチェックして頂き、どうにか冷蔵庫の機能を回復させて頂くことが出来た。しかし完璧というわけにはゆかず、部品の交換などが必要であり、それらは帰宅後の課題として残ることになった。とにかく直して頂きホッとした次第である。旅先でのトラブルは旅を台無しにしてしまうことが多く、真に要注意である。ノースライフ社は我々を悪夢から解放させてくれた月光仮面のような存在だった。自分と同じように我がSUN号も加齢による随所の劣化や痛みを避けられず、これから先の北海道の旅では、北の大地の心強い味方である月光仮面のノースライフ社に助け
て頂くことになるのではないか。よろしくお願いします。ありがとうございました。
とにかく冷蔵庫が元に戻りホッとして、その後はこのドタバタ騒ぎの疲れを拭い去るべく、温泉に入ることにする。近くに竹山高原温泉というのがあり、そこへ行ってみることにした。割引券があり、半額の料金でいい湯を楽しむことが出来た。北海道には、探せば何処にでも温泉があると言って良いほど、苦労無しで見つけることができありがたい。昨日掻いた冷や汗もすっかり洗い流して、サッパリした気分になって、今夜は長沼町にある道の駅:マオイの丘公園に泊まることにして、R36を千歳方面に向かう。
途中恵庭市に入り、初めての道の駅:花ロードえにわがあるのを知り、ちょっと立ち寄る。北海道の道の駅は、だんだんその数を増やし、現在は100を幾つか超えているが、その殆どを訪ねており、未訪問の所近くを通る時には必ず寄るようにしている。旅の最初の頃は、まるで道の駅巡りのような毎日だったが、この頃は気に入った所だけお世話になるようになってしまった。恵庭の道の駅は、駅舎も花野菜売り場も良く整備され、活気を呈してした。残念なのは、ここにも水汲み場はなく、ゴミ箱も無い。やっぱり売るだけ中心主義での繁栄を目指しているようだった。生産・販売の負の部分は全て消費に関わる個人の責任だという発想は、果たして環境問題を論ずる今日の社会において正論なのだろうか。くるま旅を重ねるにつれて、特にゴミ処理の問題については、国や行政のあり方に対する疑問は深まるばかりである。せっかくの新しい道の駅にケチをつけるようで申し訳ないけど、そう思った。寄り道の後は千歳からR337に入り長沼町方面を目指す。
飲料水が少なくなったので、道の駅に落ち着く前に、近くにあるマオイ名水を汲ませて頂こうと向かう。20lほど汲んでいると、急に汲む人が増え、皆さん大量の入れ物持参で、たった3ヵ所しかない給水口では、かなりの待ち時間を要する状況となってしまった。あっという間のできごとである。もうこれ以上汲むのは諦めて帰ろうとしたら、同じく水汲みに来られた地元近くの方が、家に寄って行かれませんかと声を掛けて下さった。というのは、我々より少し遅れて到着された時に、奥さんがキャンカーに興味をお持ちのようだったので、簡単に中を覗いて頂いたのだった。初めて会った方なのに、お邪魔するのは如何なものかと思ったのだが、相棒が乗り気なので、思い切ってその車の後をついて行くことにした。
イヤア、それから後は大へんなことになった。Aさんとおっしゃるその方の家で、何と2時間近くも歓談することになり、この間、下の畑で採れた枝豆や掘ったはかりのジャガイモ、それに奥さん手作りの梅を使った上品な味の料理(名前を忘れて失礼)などなどを美味しいコーヒーと一緒にご馳走になり、何だか昨日とは打って変わったことの成り行きに、嬉しい人生の恵みを授かった感がしたのだった。とりわけて蒸かしてご馳走になったジャガイモは、自称ジャガイモ人間には、黙り込んでしまうほどの美味さだった。話は尽きず、ここに書くことは控えるけど、テレビの番組の一つに「人生の楽園」という、定年後の暮らしを紹介するねがあるが、Aさんはそれに出演するに相応しい方だと思った。丘の斜面に建てられた別荘風の家はなんと全てご自分で建てられたという。畑も庭も原野に近い土地を自力で整地して作られたとのこと。仕事から引退後は、本格的にここでの暮らしを楽しみたいとおっしゃるその目は、奥さん共々少年・少女のように輝いていた。くるま旅くらし
が牧羊や騎馬民族なら、Aさんは明らかに農耕民族であり、日本人だなと思った。突然のお邪魔で本当に恐縮千万だったのだが、その様な気持ちを忘れてさるほど図々しく振る舞わせて頂いて、Aさんご夫妻にはお礼のことばもありません。嬉しくもありがたい時間だった。
18時少し前に道の駅に到着し、錨を下ろす。なんと何と、ここには先日厚田港でご一緒した方々とその仲間の方々のお顔があった。公園内に作られた集会所のような建物の中で、皆さん既にかなり盛り上がっておられた。ここにも図々しく参加させて頂いて、歓談の輪に加えさせて頂いた。一別以来の旅のできごとの報告や情報交換、それにそれぞれのお国ことばなどの話題など、話は尽きない。何しろ九州から北海道まで、少人数とは言え全国規模の歓談の輪なのである。くるま旅ならではのめぐみの時なのである。一度この味を知ってしまった人は、その嬉しい魔力から逃れることができず、来年もまた旅に出掛け、やって来るのである。今日は連続してその恵みに巡り会ったようである。
宴が終わり車に戻りかけた時、大阪から来られたという、若い方に声を掛けられた。新しい車を買われ(自分と同じビルダー製の最新にして最後の車)、初めての長旅を経験中とのことで、旅に出るまでは気づかなかった、様々なできごとや問題などについて話をされていた。10年前の自分たちのことを思い出しながら、彼の心情に同感すると共により多くの体験・経験を積まれて、くるま旅の醍醐味を味わって欲しいなと思った。知ったかぶりのアドバイスなどよりも、旅はその積み重ねがものをいう様に思う。これからの新しいくるま旅のスタイルを生み出して欲しいなと思った。
寒くなって来て、車の中に戻って、夕食代わりに一杯やって、満足の眠りに就く。
コメント
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