25日から今日28日まで、房総方面への小さな旅をして来ました。天気にも恵まれ、まあまあの旅でした。今日はその概要の報告です。
初日の25日は、家内のフォークダンスの練習に付き合い、9時半からそれが終了するまでの12時半まで、10kmほどつくば市内を歩きました。家内が戻ってきて、旅車の中で昼食のうどんを食べさせ(?)それからが旅の出発です。当初の今日の予定は、温泉博士を利用して茨城県の大洋村(現在は鉾田市)の温泉施設に行き、その後の泊りは潮来の道の駅にしようと思っていたのですが、先に書きましたように生憎と休日に当たってしまったものですから、予定を変更して銚子まで足を延ばし、犬吠埼にあるホテルの温泉に入らせて貰い、そのあと蓮沼村(山武市)の道の駅に泊まることにしました。
いつでもそうですが、旅の初日は移動日です。つくば市からは、R125を霞ヶ浦の南に沿って佐原方面へ向かい、R51に至って、右折して成田方面へ向かいます。佐原といえば、水郷地帯であり、祭りの佐原囃子や測量と日本地図作成の巨人、伊能忠敬が有名ですが、今はその地名が消えてしまい、香取市となってしまいました。私的には、香取よりは佐原の方がずっと親近感を覚えます。
その佐原は、利根川を渡ると直ぐ左手にあります。ここで左折してR356に入り、その道をどこまでも行けば銚子に至ります。小見川、東庄を過ぎると、佐原からは1時間弱の距離でした。銚子の市内は、道が良く分からないのですが、当てずっぽうに行っても犬吠埼は大丈夫です。ナビ無しでも迷うことなく目的地の、ホテルニュー大新に到着しました。
このホテルの温泉に入らせて頂くのは二度目です。大浴場と露天風呂があり、今日の歩きの疲れをお湯に浸ってゆるりと流し去ることが出来ました。今頃は観光地の至る所に温泉がありますので、真に有難いことです。松籟の湯と名付けられたこのホテルの湯は、松風の騒ぐ音を聴きながらの風情を醸し出していました。
ホテルを出る頃はすでに夕暮れが迫ってきていました。ここから蓮沼の道の駅までは1時間ほどかかります。犬吠の岬からの海岸線はしばらく断崖絶壁が続きます。夕方になって風が強くなり出し、見下ろす太平洋はかなりの白波が押し寄せていました。10分ほどで海岸線を離れると、後は少し内陸部に入ってR126が続いています。特に渋滞もなく道の駅:オライ蓮沼に着いたのは、18時少し前でした。もう辺りはすっかり暮れて、小型の発電風車が勢いよく回り続けていました。湯上りの汗もすっかり引っ込んでしまった感じでしたが、早速ビールで乾杯して旅の初日の疲れを癒したのでした。
翌日26日は、二つの目的を決めました。一つは芝山町にあるはにわ博物館を訪ねること、もう一つは白子町にあるという羅漢槙の大木を見物することです。この二つの目的を果たしたら、どこか近くの適当な道の駅を選んで泊ることにしています。先ずは、はにわ博物館へ。ここは以前老友と一緒に訪ねたことがあるのですが、家内は行っておらず、今回是非見学したいということで訪ねることにしたわけです。道の駅からは30分ほどの距離です。はにわ博物館は、近くにある観音教寺というお寺の境内にもありますが、訪ねるのはお寺からは少し離れた芝山町立の芝山古墳はにわ博物館の方です。
65歳以上の入場料は3割引で、140円で入館することが出来ました。前回はこのような取扱いがあることを知らず、所定の200円を支払っており、ちょっぴり複雑な気持ちでした。古墳とかはにわというのは、要するに死者の埋葬に係わる遺跡ですから、なんとなく気味の悪さを覚えるところがありますが、今回は真面目にそれらの遺跡が何を現代に伝えようとしているのかを知ろうと努めました。いろいろ感ずるところがありましたが、それらについては追って書くことにしています。
博物館のあとには、ついでですので近くにある観音教寺に参詣することにしました。初めて訪れたのですが、なかなかの名刹のようで、立派な本堂のほかに境内には三重塔もあり、はにわ博物館と併せて立派な佇まいでした。このお寺は、特に山門の仁王様が有名らしく、山門の左右それぞれの仁王様は仁王尊と呼ばれ、小座敷が設けられて参拝できるように作られていました。これは珍しいなと思いました。本堂の前で般若心経を誦し、お寺を後にしました。
さて次は白子町の関という所にある樹齢500年を超えるという槙の大木です。羅漢槙というのはイヌ槙の変種でイヌ槙よりも葉が密生して多く、高さは5m内外で、衣を着た羅漢のように見えるということからそう呼ばれているとのことです。私は植物も生き物だと思っているので、樹齢を重ねた大木を見るのに大変興味があります。この木は千葉県の歴史散歩という本に掲載され、紹介されていましたので、是非それを訪ねようと思ったのでした。しかし、この結果は惨敗でした。近くまで行ったのですが、結局その木に会うことはできず、諦めてその地を後にしたのでした。そのいきさつは後で書くことにします。
羅漢槙の大木にお目にかかれなかったものですから、調子が狂ってしまい、時間に余裕も出来てしまったので、今日は途中でぶらつくことは止めて、一挙に南房の方まで行ってしまうことにして、明日と明後日は花などを見ながら過そうということにしたのでした。白子町から一宮町に抜け、R128に入って鴨川方面へ向かいました。途中御宿町を通る時に、月の砂漠の記念像があるのを思い出し、いつも通過してばかりいてまだ見ていなかったので、ちょっと寄ることにしました。ぶらつくのは止めるという考えは、たちまち雲散霧消となったのでした。青い海を望む白い砂浜に造られた記念像は、不思議な印象を残すものでした。これも後でちょっぴり書いて見たいなと思いました。良い寄り道でした。
その後は車を走らせ続けて、鴨川の市街を抜け、少し行って道の駅:鴨川オーシャンパークで小休止。ここで鴨川市の奥まった所に棚田があることを知りました。大山千枚田というそこへ、明日は是非行ってみようと、俄然好奇心が高まりました。棚田は、家内が写真を撮りたい場所の一つです。私は写真よりも棚田そのものに郷愁のようなものを感じて、それを味わいに行きたいのです。思わぬ発見に楽しみが一つ増えて、嬉しくなりました。
鴨川から先は、目指すのは今日の宿の道の駅、丸山町(今は南房総市)のローズマリー公園です。到着は17時半過ぎでした。泊りは私たちだけでした。夜間は一台のトラックも入って来ず、遠く防風林の松籟を聞く、真に静かな一夜でした。
3日目の27日は、二つの目的があり、その一は昨日知った大山千枚田を訪ねること。その二は少し興味本位なのですが、滝沢馬琴の南総里見八犬伝縁(ゆかり)の地を訪ねることにしました。何度かそのような案内板を見ながら通過していますので、今回はそのうちの何箇所かを訪ねてみようというわけです。
先ずは大山千枚田ですが、これは素晴らしいものでした。季節が冬なので、少し淋しい感じは拭えませんが、それなりの風情があって、久しぶりに子供の頃の遠い昔を思い起こしました。この辺のことについては、後で取り上げて書きたいと思っています。
その後は、八犬伝縁の地として八房の犬の伝説の地と里見家の身内同士の合戦のあったという犬掛の古戦場と里見家の墓というのを訪ねました。いずれもうっかり見過ごしてしまいそうな場所でした。その後は近くにある滝田城の城跡を訪ねようと、車を置いて歩き出したのですが、この城はかなりスケールの大きい山城で、その登城口に辿り着くまでに家内の息が上がり出し、早くもギブアップ。あなた一人で行ってきなさいよ、というのを、その気になって一人で行く気にもなれず、諦めて退散と相成ったのでした。
城跡への探訪を断念した後は、しばらく車を走らせて、三芳村(今は南房総市)の道の駅:鄙の里にて昼食休憩。14時近くまでゆっくりしました。気に入っている道の駅の一つです。この後どうするかを検討の結果、八犬伝の縁の城といえば、やはり館山城であろうと、そこには博物館などもあるので、参考になる情報も手に入るに違いないと考えた次第です。というわけで、館山の方に向かったのですが、すんなり市街地に入ってゆくはずだったのに、途中どこで道を間違えたのやら、どうしても細かい道を行かないと市街には行けそうもない状況となり、もう面倒くさくなって館山城跡に行くのは取りやめると即断したのでした。その代わりに走っているR410の近くに一昨年に住まいを移された旅の知人のNさん宅を訪ねてみようと決めたのでした。
突然の来訪で、これは礼儀に反する行為なのですが、ま、お許し頂けるものと勝手に甘えて、うろ覚えの道を辿って、いきなりお邪魔をしたのでした。幸い奥さんが在宅されており、ご主人は鴨川まで通院で出かけられたとのことでした。間もなく戻られるというので、折角ですので、お顔を見てからにしようと待たせて頂くことにしました。やがてご主人も戻られ、しばしの歓談となりました。これらのことについても追って書ければと思っています。いろいろびっくりするような出来事も含まれており、ご無沙汰というのは、考えものだなとしみじみ思いました。
Nさん宅を辞した後は、千倉の花畑の写真を撮ろうと房総フラワーラインと呼ばれるR410をひた走り、道の駅:ちくら潮風王国の第3駐車場へ。ここは道の駅の本館からは遠く離れた白間津という所にあります。かなりの風の中を花たちの咲き誇る姿を香りと一緒に何枚かカメラに収めました。明日も花畑に来ることにして、今日も昨日と同じ道の駅:ローズマリー公園に泊まることにしました。
その前に、千倉海岸温泉の癒し湯めぐりの宿、「夢みさき」の温泉に入らせて頂きました。ここの湯は、1Fと7Fにあり、7Fは展望露天風呂ということです。私たちは、1Fの古代檜で作られた幾つかの湯をじっくりと楽しませて頂きました。湯から上がった頃はすっかり日が暮れて、ライトをつけないと走れない状況となっていました。ここから道の駅までは、10分もかからず、再び昨日と同じ場所に車を停めての宿泊でした。
最後の28日は、駅舎がある方の千倉の道の駅に車を停め、いつも訪ねている落合ご夫妻の経営されているお花畑を訪れ、ご挨拶と少しばかり花を買わせて頂いて、その後は帰路に就いたという次第です。帰り道には、鋸南町の保田という所にある、番屋という魚料理を食べさせる店に立ち寄り、久しぶりに魚の美味さを味わいました。旅の間の粗食を一気に挽回した感じでした。その後は千葉の家内の実家に寄った後、真っ直ぐに自宅に戻ったというわけです。
たった4日の行程でしたが、いろいろ感動的な出来事もあり、明日からそれらについての思いを書き綴って見たいと思っています。