山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

あと10年からあと5年へ

2019-12-26 03:29:11 | 宵宵妄話

 令和元年も残り1週間を切って終わろうとしている。この元号の切り替わったこれからの時代がどのようなものとなるのか見当もつかないが、予感としては陽ではなく陰の方向に沈んでゆくのではないか。そのように思えてならない。

 とうとう傘寿の世界に足を踏み入れた。この12月、数えで80歳となったのである。自分としては人生80年が基本だと考え、この80年を24計時の時計で計ったら、今何時何分の位置にあるかを確認しながら生きて来たのだが、それがとうとう残りあと18分を切ったのだ。80年の人生時計では、1年は18分(24時×60分÷80年=18分/年)となる。満79歳となった時点で、時計の針は23時42分を回ったということで、あと18分経ったら、自分に用意されていた人生の時間を使い終えて、余禄或いは余慶の時間が与えられるのだと思うことにしている。

 人生というものをどのような捉え方をするかについては、人様々だと思うけど、自分は先ずは時間で捉えることにしている。人間に与えられた時間は有限且つ絶対的なものである。だから物事というのは時間をベースに考えなければならないと自分は思っている。今までは何とか80歳までは生きたいと考え、そこを一つのゴールとしてやって来たという思いがある。それが、あと17分余で達成できるのだ。何事もなければの話だけど。

 さて、これまでの我が人生は、学びの時間を終えて世に出てからは、常にあと10年生きることを一つのゴールとして目指してやって来たように思う。30歳の時は40歳を想い、60歳の時は70歳を想うというふうに。10年先くらいなら凡その見当がつくと考えたからだった。そして70歳となりようやく80歳が見えて来たということなのだが、このゴールが近づくにつれて、10年先の見通しは少しずつ怪しくなりだすのを実感し始めている。否、少しではなく、そのスピードは速まっているのかもしれない。この頃はそう思うようになって来ている。これは老が進んでいる証というものであろう。

 そこでいろいろ考えたのだが、これからの余禄の時間は、取り敢えず5年先まで生きることを考えることにしようと思っている。取り敢えずというのは、一応達成の可能性があると考えるからで、障害が起こればたちまちそれは遮られるということになる。5年経って生き残って真老(75~85歳)を終える85歳ごろになっても、やはり取り敢えず5年先まで生きることを目ざすようにしたいと思うことにした。今までのように10年先を想うのは不可能というのが判って来たからである。

 しかし、この5年先というゴールの設定は、実のところ深老(85歳~95歳)になったら無理と考えるようになるのではないか。もし深老に達するまで生きていたとしたら、その後半は恐らく取り敢えずあと1年ということになるに違いない。そして、最後近くになる頃はそのゴール設定はもっともっと短くなるに違いない。ま、それは今考えることであって、想像に過ぎないのだけど。

 間もなく新年を迎えるのだが、この頃はこれからの先読みをこのような調子で考えている。今年の年賀状には、一休さまの「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」という歌を引き合いに出して、この歳回りの所感を書いたのだが、これは年賀状には相応しくない。しかし、老人なのに新年がめでたいなどと浮かれてるのは、まさにめでたいお人であって、自分などには到底できない芸である。一休さまのような考え方が普通の老人ではないかと思っている。

 ところで、初めに戻るのだけど、残りの時間が少なくなるにつれて、この先の未来というか将来というのかに対するこの老人の見通しは暗い。USAを初め世界各国の政治は損得の物差しばかりの自国中心主義の高揚に向かっていて、地球トータルを省みず、一少女が声を上げて指摘するように、地球という人類の居住地は環境破壊に晒され続けている感じがする。そして人間社会の内部に目を向ければ、歯止めのない高度情報化の技術は人間に利便性を提供する一方で、それが引き起こす負の部分を一切無視したまま、人間の持つ悪性を強め続けて表出している感じがする。今日起こっている犯罪の半分以上は、この負の部分に起因しているのではないかと思うほどだ。情報の氾濫は人間社会を過去に経験したことのないカオスに向かわせている感じがしてならない。

 令和2年という年がどのようなものとなるのか不明だが、とにかく未来に向かってこれ以上悪化しないように、歯止めをかける兆しが見える年になればいいのだが、と思っている。

コメント (3)
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