今日は旅の話とは無関係なテーマである。しかし間接的にはくるま旅がし難くなったという点で無関係とはいえない。
サブプライム問題を引き金として、現在世界中が経済混乱に陥っている。どなたかのコメントでは、100年に一度の大危機だとか。そのようなコメントを出している人も、混乱の発生に一役買っていたのではないか、などといったらFBIから狙われるのかも知れない。
アメリカの経済を動かしているのが誰なのか、どこなのか、そのような難しいことはさっぱり解からないけど、超頭の良い人がどこかにいて実体経済でないものを商品化したりして、それを世界中に売り捌いているに違いない。
以前から心ある人にはよく指摘されていたことだが、アメリカ経済は借金経済をベースにしている、という。今回のサブプライムローンというのは、信用度の低い人たち向けの住宅や自動車のローンがその実態だが、これは正に借金で欲しいものを手に入れるというやり方で、現金を持っていて買うわけではない。自分の買うその家を担保にして買うというわけだが、その担保価値を決める格付け会社というのがあって、それがたまたま住宅バブルによる値上がりを見込んで安易に信用保証の手形を与えていたのだという。ところがバブルがはじけて、一挙に回収不能の状況が生まれしまったということである。
アメリカが世界をリードする上で最重要と考えているのは、ものづくりなどではなく、金融ではないかと思っている。頭を使ってお金を操作すれば、どのような世界でも支配が可能となる。そのために様々な手法というか、金融商品を開発し、それを世界中に売り込んで収益を上げてきたのだと思う。しかし、金融商品が進化するに連れて、実体経済を置き去りにしてきた、という現実があったのではないか。お金の方が先走りして、現実の姿を忘れ果てた目論見の世界が、恰(あたか)も本物のように錯覚されて動いていたのが、ここに来て一挙にその正体を暴露したと言われても仕方がないのではないかと思う。
金融商品の進化というのは、その核に経済取引における「信用」を扱っている。信用というのは,経済取引における財貨(モノ・実態)と対価(金)の交換にズレがあることを意味する。つまり、ものを買うにあたって、実際にお金を払うタイミングが遅れるということであり、遅れても大丈夫という安心というか信頼関係がそこに成り立つことを信用というのである。単に人を信用するというようなことではない。そのように昔学んだことがある。
経済活動における商取引の始まりは、物々交換だった。それが貨幣の創造によりお金との交換になったのだが、現代ではお金は貨幣ではなく信用をベースとした金融の世界へと発展している。この対価交換のズレが実体経済を置き去りにして先に進み、実体経済がそれに付いてゆけなくなったとき、経済破綻が発生するのではないか。
サブプライム問題はその典型的な現象であり、今まで破綻を見ないでやって来たアメリカ経済がぶつかった初めての経験なのではないか。
サブプライムローンを含めた金融商品を証券化したものを、世界各国(の銀行)が大丈夫という前提で、巨額の購入をしていたことが、今世界を混乱させ、各国の末端にまで金融(信用)収縮という異常現象を惹き起こしている。
この厳しい状況をどう乗り越えてゆくのか、その正解などあるはずもなく、これからしばらくの間、右往左往しながらカオスの状況が静まってゆくのだと思っている。
さて、この経済混乱から学ぶべきことは何なのだろうか。国や銀行は、今はそれどころではない、当面の対策に躍起になっている状況なので、この騒ぎが静まってから学んだことを整理してゆくのであろうが、我々大衆はこの問題をどう受け止めればよいのか。
自分が思うのは、基本的に借金に対して厳しい警戒心を働かせた生活のあり方を基盤に置くということではないかということである。平気で借金でものを買うという暮らしの感覚は、大変危険である。収入と支出のバランスの中に、可能な限り借金を持ち込まないようにすることが大切なのだと思う。もう一つ別の言い方をすれば、借金というのは、単にお金を借りるという意味だけではなく、濡れ手で泡のような稼ぎ方、すなわち投機で設けようというような行動も含まれているとうことだ。まともな汗を流さないで稼ごうという行為には数倍のリスクが潜んでいるということをよくよく承知しておくべきである。この当たり前のことを、今回の経済破綻問題から、改めて強く感じている。
特に年金暮らしの高齢者は、借金に対しては、或いはうまい儲け話に関しては要注意である。最近ではこれに振り込め詐欺などという犯罪行為が加わって、何とも早や住みにくい、油断も隙もない世の中になっている。堅実な中に堅実すぎるほどの生活観を持って、決して分をわきまえない行動は取らないことが、高齢者になりかけている自分の生計・家計の信念とすべきことを、今改めて強く感じている。
今日は少し偉そうな話になってしまった。もっと言いたいことは山ほどあるけど、これぐらいにしておこう。明日から3日ほど、ちょっぴり楽しいことで他出しますので、ブログは休みます。