今日、ソーラーの取り付けを依頼した。併せてサブバッテリーをもう一つ増やすこともお願いした。私は旅車の装備に関しては、どちらかといえば無頓着で、他の人にとっては必需品であっても、自分たちにとってはさほど必要ではないと思っているものが多い。たとえば今の旅車には電子レンジは勿論のことIHの調理器具までも付いていて、在宅の時と殆ど変わらない調理の環境が整った車も出現しているが、自分たちは電子レンジとは無縁だし、クーラーなどもそれほど欲しいとは思っていない。在宅時はIHに依存しているけど、車の中ではLPガスで十分だと思っている。
それなのに旅車で必需品だと思い始めたのがソーラーである。今ではソーラーだけは多少お金がかかっても取り付ける必要があると、旅車の絶対的装備要件のように思い始めたのである。そのことに関連して少し書いてみたい。
旅車を使いこなしてゆく上で、一番大きく係わるのはくるま旅くらしのエネルギー源を何に求めるかということであろう。エネルギー源としては、LPガス、石油類、電気があるが、電気はそれを供給するためには外部からの給電がない限りは、更にガスや石油類による発電装置を作動させなければならない。今日の日常生活は、電気なしでは成り立たないから、結局のところくるま旅においては、いかにして電気をゲットするかが大きな課題となる。
そのための最も簡単な方法は、旅車に発電機を取り付けることである。しっかりしたものを取り付けておけば、電子レンジもIHクッキングも自由自在であろう。そのような考え方をもとに作られ、販売されている車は多い。
しかし、それを使うための環境はどうかといえば、これがなかなか難しいのである。ユーザーとしてはせっかく手に入れた車なのだから、それに付帯している諸々の装備を、自分の好きな場所で、好きな時間帯に、好きなように使いたいと思うのは当然であろう。ところが現実といえば、そんなことを平気でやったりしたら、世間の顰蹙(ひんしゅく)をかってしまうのは間違いない。仮眠を始めた時刻の道の駅に夜遅く着いて、夕食の準備のために電子レンジでご飯を温めるために発電機を回したとするなら、その近くに止まっている車から苦情が出るのは必至のことであろう。苦情が出なくても険悪な空気が生まれることは間違いない。平気なのはエンジンを掛けっぱなしで寝ているトラックの運転手くらいのものであろう。
またキャンプ場に入って自慢の発電機を回して朝餉や夕餉の準備をしようと思ったら、発電機を回すのは禁止だと警告されることもある。AC電源が付いておれば発電機は不要だけど、フリーサイトであれば多くのキャンプ場では発電機を使うことをOKとはしていない。キャンプ場ではペットの同伴も発電機の使用もままならない所が多いのである。だったら、一体何処で自由なキャンプを楽しむことができるのか?その選定は結構難しい。くるま旅の環境はまだまだ自由に旅ができるほど整ってはいないし、世間から認知されてもいない。
少し苦情を言えば、メーカーは在宅と同じ暮らしの環境を備えた旅車造りに懸命のようだけど、それが大切な要件の一つには違いないとしても、もっと大切なのは、くるま旅の環境に適った車造りに目を向けることではなかろうか。また、そのような環境づくりにも力を入れて欲しいと思う。どんなに素晴らしい夢の旅車が出来上がったとしても、それを好きな場所で、好きな時に、好きなように使うことができなければ、せっかくの努力や苦労も報われないものとなり兼ねないと思うのである。
さて、ソーラーの話に戻ると、今の自分にとって、ソーラーだけが唯一の安心な電気の供給源のように思えるのである。ソーラーで電子レンジやIH調理器を賄うほどの電気の供給は不可能だが、夜間の2、3時間のTVや本読みなどの照明くらいなら十分に対処できるのではないか。毎日の移動を前提としたくるま旅のスタイルでは、ソーラーなどなくてもその日の走行充電だけで一夜の電源確保は可能だと思うが、一箇所に長期滞在をする場合でAC電源の供給のない場所においては、ソーラーがないと毎日充電のための無駄な走りを強要されることになる。それが無くなるということだけでも安堵感を覚えるのである。
ま、本当のところは実際に取り付けて使ってみないと判らないと思っているが、当面これで電源に関する一つの悩みが軽減されると期待している。真にささやかな装備の話でありました。