山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

09北海道くるま旅くらし: 第39日

2009-08-19 04:38:33 | くるま旅くらしの話
行程:道の駅:おうむ→日の出岬(雄武町)→道の駅:マリンアイランド岡島→ホテルニュー幸林(枝幸町)→クッチャロ湖キャンプ場(泊)


初めて泊まった雄武町の道の駅は、駐車場が狭く、メイン国道の傍なので、夜間の騒音などを心配したのだが、全くの杞憂だった。オホーツク海に面したこの辺りは、ここしばらく天気が不安定らしく、昨夜も小雨が降って路面が濡れていた。外は寒い。半袖のTシャツでは無理である。半袖をたくさん持参したのだが、さっぱり着る機会がない。来年からは長袖を多く持って来るようにしなければならないなと、今朝もまた思ったのだった。異常気象は、今年だけでは済まないような気がする。
ガスボンベの受け取り約束の9時半まで少し時間があるので、出発の準備をした後、近くの町中を少し散策する。海の傍の集落は、どこも漁業が中心の暮らしのようだ。あまり景気は良さそうではなく、疲れた建物が多いように思った。元気を取り戻す為には、これから先相当の工夫が必要なのだろうが、何よりも大事なのは気候が安定し、漁業がしっかり成り立っ海が確保できることではないかと思った。人知を働かせる前に、自然条件が安定しないと、人間の暮らしの営みは難しいのだと思う。寒い夏では、元気の出し様がない。町の通りを歩きながら、せめて天気だけでも回復して、町の活力が戻って欲しいなと思った。
散策から戻り、駅の売店を覗いていると、相棒が盛んにいずし(=飯寿司)の話をするので、何のことだろうと行って見ると、鮭一本がいずしになっているのがあり驚いた。いずしは自分の大好物で、いわゆる目が無いという奴なのだが、こんなスタイルのいずしは見たことがない。それを切り身にしたのも売っていたので見ると、取り去ったはらわたの中に麹とご飯を詰めて発酵させたものを冷凍保存したものらしい。本当は一本買いたかったけど、保存できる冷凍庫が無いので、切り身の入ったパックを二つ買った。今夜の肴はこれで決まりである。約束の時間が来て、LPガスを取りに行く。
北海道の旅で一番苦労することの一つがLPガスの充填である。このことについては、何度も書いているけど、カセットガスではなく、ボンベを使っている場合は、ガスが無くなれば充填をしなければならない。その際に充填を断られたり、値段がべらぼうに高かったりで、くるま旅の者は困惑するのである。ガスは暮らしのライフラインの一つであり、これがダメになると生活に支障を来すのである。この業界では、くるま旅を暮らしではなく只の遊びではないかくらいにしか思っていない業者がおり、ネガティブな対応をされるケースがある。確かにガスの取り扱いには慎重を要する必要があるが、それを逆手に取って遠来の客の弱みに付け込んで、顔を見ながら商売をするようなやり方は如何なものであろうか。商道徳を疑う様な話を聞く度に、腹立ちを通り越して、情けなさを覚えるのである。そんなことで心配していたのだが、こちらの店の対応は何の心配もなく、最高だった。価格もリーズナブルで内地のいつも入れて貰っている所とあまり変わらなかった。充填のスピードの点を
除けば、こちらの店は今まで北海道でお世話になった中で、最高の内容だった。これから先この地のエリアで過ごす時には、必ず充填をお願いすることにしたいし、仲間にも教えたいと思った。
安心して満足の後は、いつもパスしつ見過ごして来た、近くにある日の出岬という所に行って見ることにする。10分ほどで到着。岬の突端に展望所があり、直ぐ傍がキャンプ場となっていて、何組みかの人たちがテントを張っていた。天気が良ければ、ここからはオホーツクの素晴らしい日の出を見ることができるに違いない。是非一度見てみたいと思った。海が穏やかならば、キャンプには最高の場所だなと思った。
今日のこれからの予定は、実はまだはっきり決めていない。とにかく北上を続けて、枝幸か浜頓別のクッチャロ湖のキャンプ場に錨を下ろそうかと思っている程度である。
来た道を雄武の方に戻って、カニなど海産物の店に寄る。カニ好きの相棒の為にと思ったのだが、今はカニは採れないのか、冷凍ばかりで活きている奴が無かったとがっかりした顔で戻って来た。待っている間に、大阪から先日来道されたTさんが、確かそろそろ枝幸辺りに来ておられるのではないかと気になり、メールをしたら、早速返信があり、なんと同じように枝幸町の道の駅:マリンアイランド岡島に向かっているとのこと。期せずして思いが一致したのであった。Tさんは数年来の旅の大切な知人である。関西方面への旅の際には何度もご自宅にお邪魔させて頂いている間柄てもある。今年は事情があり、遅れてのご主人一人での来道となった。去年の秋以来の再会が叶うことになり嬉しい。相棒にはカニのことは諦めて貰い、いそいそと枝幸の道の駅に向かう。11時少し過ぎマリンアイランド岡島に到着。我々の方が先着して、少し待ってTさんも到着。
再会の握手をして喜ぶ。この瞬間はほんとに嬉しい。もちろん、その後の歓談も無上の楽しさである。それから16時近くまで我が家の中で、昼食も忘れての歓談が続いた。Tさんはものづくりの人、自分は中途半端なもの書きで、二人は全く違う世界での人生を歩んで来たのだけど、妙にウマが合うというのか、波長が合うのである。Tさんは現在木工クラフトに打ち込んでおられ、これから先も限りなき精進を目指しておられる。そのものづくりへの取り組みは、極めて真摯であり情熱的だ。その面での才能も意欲もさっぱりの自分から見ると、Tさんは雲の上の魔法使いのような人なのである。実に尊敬せずには居られない人物なのである。話の途中で、その後製作して持参された木工の作品を3点ほどお持ち頂き見せて頂いたが、実に見事な出来映えだった。今までの作品は主として靜のものだったが、今回見せて頂いたのは動の作品だった。つまり、より精巧度を増したカラクリ仕掛けの作品なのである。それが優しい曲線に包まれた何とも言えない温かさのある作品なのだ。このブ
ログでは、写真が掲載できないのが残念である。Tさんから見ると、この作品でもまだ課題が残るらしい。ものづくりの精神というのは、実に大へんなものだなと、改めて思った。これから先どんな作品が生まれるのか楽しみである。お茶一杯で4時間以上も話を聞かせて頂き、Tさんには本当に申し訳けありませんでした。この秋にはぜひお邪魔し、その後の作品を見させて頂くことを楽しみに、別れたのだった。
それからは、枝幸町にあるホテルニュー幸林の温泉に立ち寄り湯の後、クッチャロ湖畔にあるキャンプ場に泊まることにして、暗くなりかけた道を走る。北海道で夜の道を走るのは危険である。至る所に鹿の飛び出し注意や熊出没注意の看板が目立つ。我々も何度か冷ゃっとしたことがある。浜頓別の海岸道路にも熊出没注意の看板があるのには驚いた。キャンプには17時半過ぎ到着。寒い。風呂上がりの体が冷めない内に夕食を済ませ、今夜も早めに寝ることとなる。鮭のいずしは美味かった。おやすみなさい。
コメント
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