山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

時々「近況報告」:放射線治療終る

2021-11-09 07:04:59 | くるま旅くらしの話

 前立腺癌の放射線治療が終了した。

何もわざわざプライベートなことを一々書くこともあるまいと思うのだが、始まりを書いたのなら終りも書くべきだと、勝手に自分に言い聞かせて、そうすることにした。

 放射線治療は9月16日から開始することになっていた。その診察日に出向くと、直ぐに治療が始まるものと思っていたら、その日は説明だけで、翌日から準備に入るとのことだった。何をするのかと思ったら、CTの部屋に入れられて、撮影の後で、よく解からないままに下腹部にマジックの様なもので、何箇所か線を引かれた。これから治療の終わるまで、これを消さぬよう入浴時の注意などを言い渡された。どうやら、前立腺という器官は他の臓器の影響を受けて動くものらしく、照射のターゲットを定めるために、①直腸を空っぽにし、膀胱に一定量の尿を貯めた状態で照射のポジショニングをするらしい。つまりは、毎回決まった位置で照射を受けるためには、毎回この直腸と膀胱が同じ状態を用意しておかなければならないということなのである。このポジショニング確定の為の準備として、そのあと3日ほど照射無しでの練習のような準備をさせられた。治療は平日のみなので、偶々この期間は祭日などの連休があったため、準備には10日以上がかかり、本番の照射が始まったのは、9月27日からだった。自分の受ける照射は28回ということで、それから11月8日まで、休祭日を除く毎日の病院通いとなった。

 放射線照射治療の実際は、治療台の上に仰向けで横たわり、下腹部の着衣を取り、布のようなものを当てた状態で、10分間ほど機器から照射される放射線を浴びるだけなのだ。痛くも痒くも無くて、身体は何も感じない。自分の場合は、終るまで禅の呼吸を15~17回ほど数えるだけの我慢だった。これを合計28回続けて、11月8日にそれが終了したということなのである。癌が治ったという実感は何もない。幸い何の副作用も無く、治療の間も後でも、何のトラブルも起きていない。この先どうなるのかは判らないけど、このまま転移などが起こらなければ、やはり完治したということになるのだろうと思っている。少し時間はかかったけど、本当に痛みも痒みも無いあっけないほどの治療だった。これで済むことに感謝しなければならないのだと思う。

 これら一連の治療を通して経験したのは、①飲み薬の副作用の一つなのかもしれないが、医師は「女性化』の兆候が表れる場合があると説明されたが、自分の場合はそれなのかどうか、顔や手などの皮膚の表面が妙につるつるすべすべとし出して、少し痒みを覚えるようになったことだった。②の放射線の照射については、直腸と膀胱の一定の条件を毎回用意することで苦労した。特に直腸を空っぽにするということ、つまりはしっかり排便しガスなども貯めないことなのだが、毎日決まった時間にその条件を満たすのは簡単なことではなかった。このためには、やはり大事なのは前日に何をどのように食べるかということを見出さなければならない。食物繊維を多く摂る事を考えて、それらを多く含んだ食材を煮物にしたりして、それを食べるタイミングと量を見つけるまでに少し時間がかかった。どうにかうまくいって、下剤など一切飲まずに全期間を全うできたことは幸いだった。多くの患者は下剤の世話になっているようだった。膀胱の方は、毎日排尿の後決まった時刻に決まった量の水を飲むだけなので、これは何の苦労もない。

 ということで、全く治療したという実感の無いまま、今を迎えている。医療に活用されている放射線がどのようなものなのか全く知らないけど、原発などで生まれる放射能は百害あって一利なしの極みだけど、無痛で癌を退治してくれるというのはだから、実に不思議な感じがしてならない。基本的に同じ物だと思うのだが、その使い方による救命と殺傷のギャップの大きさには改めて驚くばかりである。

 ということで、取り敢えずは前立腺癌とはおさらばして、一つの煩わしき憂いをクリア―出来た事を報告しておきたい。

 現在この種の病で困惑されている方には、自分のこのような体験が参考になるのかもしれないという思いもあって書いてみた。自分の場合は、癌のレベルは中の下くらいだったのをつけ加えておく。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする