山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

14年 北海道旅くらしのレポート <第43回>

2014-08-31 04:08:07 | くるま旅くらしの話

【今日(8/31)の予定】 

  道の駅:もち米の里☆なよろ →(R40)→ 旭川方面

 

【昨日(8月30日:(土)のレポート】天気: 晴れ

<行程>

朱鞠内湖畔キャンプ場 →(道道・R275・道道)→ 士別市。日向森林公園キャンプ場 →(道道・R40・道道)→ 士別市・水郷公園キャンプ場 →(道道・R40)→ 道の駅:もち米の里☆なよろ(泊)

 <レポート>

 ブログを書き終えて外に出た時の朱鞠内湖は全てが霧の中だった。鳥たちの声が聞こえているだけで、何も見えなかったのだが、やがて霧は薄れ出し湖の半分が湖水を鏡にして現れ出した。この湖は風がないと本当に鏡になるのである。風が吹くとさざ波が立って、ほんの少しの刺激にでも敏感に反応する多感な少年の様でもあった。朱鞠内とは、狐沢という意味らしい。アイヌ語では、シュマリというのがキツネ、すなわちキタキツネを指し、ナイは沢という意味とのことである。このダム湖は日本では一番古くて、16年の歳月を要して昭和18年に完成したもので、満水時の表面積は24㎢、周囲は40kmもある日本最大の人造湖であると案内板に書かれていた。その昔はこの辺りにはたくさんのキタキツネが棲んでいたのであろう。その子孫たちは今でもこの辺りで活躍しているらしく、昨夜も誰かさんのテントに訪問があったとか聞いた。

 

今日の朱鞠内湖の景観。雲が湖面に映る姿は、日本一かもしれないなと思った。

 やがて霧が晴れて、雲が湧いてくると、湖面にそれらが映って、何とも言えない美しい景観となった。同時に暑さがじわっと膨らんできて、今日のこれからも悩まされるなと思った。今日の予定としては、14時頃まではここで過ごすことにして、その後に士別市のキャンプ場に向かうつもりでいる。食事を終えて一段落していると、トイレに向かうはずの相棒が何やら外で話を始め出した。相手は昨夜ここにテントで野営したバイクで来ている若い女性だった。中型のそのバイクには「日本一周中」という勇ましい旗が掲げられていた。SUN号の傍に停まっていたそのバイクが女性のものだとは思わなかったのだけど、相棒の話を聞いてそれと判り、少し驚いた。昨日はその女性は知り合いの仲間と話をしておられたようなので、バイクはその仲間の方のものなのかと思って居たのだが、どうやら逆のようで仲間の方は自転車で来ておられるとのことだった。

 

自称ファットガールさんの日本一周中の掲額?日本一周へのチャレンジは珍しくはないけど、若い娘のバイク旅は珍しいと思う。

 相棒が話し出すと、傍にいる自分は必ず引き出されることは解っているので、多分今回もそうなるだろうと思っていたら、案の定その通りとなった。ま、しかし偶には若い女性との会話に参入するのもいいかと思った。何しろ我ながら扱いにくいジジイなので、遠慮するのである。なにわナンバーのその女性は(というよりも娘といった方が正確であろう)なかなかしっかりしていて、相棒のようなババアとの話も見事にこなしていたようだった。後で名刺を出したら、手作りのネームカードを頂戴したので恐縮した。ブログを書かれているというので、相棒と話し続けている間にちょっと覗いてみたら、この4月から日本一周のバイク旅にチャレンジしているらしい。もう4カ月にもなるのだから、これはもう大変なものだなと思った。バイクの旅というのはやったことがないが、自転車で四国88カ所の旅をしたことがあり、屋根のある車とは違った幾つもの困難が付きまとうのは知っている。雨の日などは相当に厳しい。4カ月といえば、もう一通りの労苦は体験済みなのだと思うけど、それにしてもその根性は見上げたものだと思った。

 ネームカードにはファットガールとあり、ブログはアラサーデブスと名乗っておられるようだったが、この頃の若い娘たちは、ジジイ世代とは違って外国語的日本語をどんどん新造して使うので、その種の辞書がないとなかなか解らないことが多い。しかしまあ、アラサーがアラフォーと同じようにアラウンドサーティであるとか、ファットがふわっと膨らんでいるということぐらいは理解している。ブログには日本一周婚活などとも書かれていたが、思うにこの娘にはよほどに意を決するような出来事があったに違いない。賑やかなネームカードにも、何かその出来事を笑い飛ばそうという必死さが現れているように思った。なにわの人たちは、笑いを商売にして日本中を乗っ取ってしまおうという魂胆が誰にでも潜んでいる感じがするが、暮らしの中に笑いを大事にするのは大事な心がけだとは思う。自分が出した名刺などは、固まってしまった能面のようなもので、彼女にとっては時代と世代の格差を実感したに違いない。自分から見れば孫娘のような世代であり、幾つか話を聞いている内に、世代を超えて通ずるものがあるのを知り安堵した。

 彼女の思い違いについて一つコメントするとすれば、デブズというのは、デブ・ズなのか、それともデ・ブスなのか。そのどちらかを強調したい気持なのかと思うけど、ジジイから見るとデブでもブスでもないと太鼓判を押したい。ご本人が本心でそう思っているように、あなたは美人です。美人というのは顔でも身体でもなく、生きている姿そのものです。活き活きと生きていることこそが美人の第一の要件です。人が悩み、苦しみ、それらを乗り越えようと懸命に集中して何かにチャレンジしている姿こそが美の対象となるのだと思います。婚活などと旗を掲げなくても、日本一周バイクの旅を見守る3000人超のブログファンの中には、あなたの美しさに心を打たれる男がもう存在しているに違いありません。既に選んでもらう立場ではなく、選ぶ立場にあると思います。ジジイはそう思った次第です。

 11時頃彼女はこれからオロロンラインを走って、稚内まで行くのだと出発して行った。まだ怪我が治っていないと聞いている。くれぐれも安全に留意して是非とも日本一周のバイク旅を成し遂げて欲しいと思った。

 

手を挙げて、勇ましく、ファットガールさんは稚内に向かって出発していった。無事、安全を祈る。

 さて、若者の出発を見送った後は、しばらくのんびりして、昼はグリーン麺を茹でて食す。冷たい水がふんだんにあるので、心おきなく麺を味わった。その後14時過ぎまで湖の景観などを眺めながら過ごす。一人600円は高すぎると思ったけど、この景観を車の窓に掲げて見られるのは、無上の贅沢だなと思った。一泊なら元をとったなと思った。こんなときでも損得の物差しを考えているのは、まだサラリーマン根性が抜けていないのか。それとも、年金暮らしの新たな価値観の為せる仕業なのか。いずれにしても、哀しい習性ではある。

 14時半過ぎキャンプ場を出発して、士別の日向森林公園キャンプ場に向かう。昨夜この近郊のキャンプ場を調べて候補地を4カ所ほど選んである。いずれも無料か小額での利用が可能なキャンプ場である。40分ほど走って日向温泉を過ぎ、森林公園キャンプ場へ行って見ると、入口から少し下った先に駐車場があるらしいのだが、SUN号では木が邪魔をして入ってゆけない状況だった。これじゃあダメだと諦め、次の候補の水郷公園キャンプ場というのに向かうことにした。そこから20分ほど走って、天塩川の傍にそのキャンプ場はあった。いいキャンプ場に見えたのだが、駐車場がないのである。川の土手に車が何台か停まっていたが、そこはかなり傾斜があるので、泊るのには無理がある。やむなくここも諦めて、さて、第3の候補地に行くかどうか。だんだん嫌気がさしてきた。それで、結局は一番近い名寄の道の駅:もち米の里☆なよろに行って泊ることにした。

 昨日とは打って変わったみじめな今日の後半だった。結局キャンプ場が探しきれずにこの辺りをウロウロして終わったということになる。16時過ぎに道の駅について、まだまだ日は高くそれから涼しさが戻って来るまで、ただただTVなどを見て時間を過ごす。夕刻、鳥取県は米子市在住の知人から電話があり、明日旭川入りするとの知らせがあった。兼ねてより2年ぶりの再会を果たしたくて、この辺りで待っていたという思いもあったのである。念願が叶うことになって嬉しく、安堵した。明日の宿は旭川の道の駅ということになる。この道の駅にはかなりの数の旅車が泊っていた。いつものように夜を迎える。

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第42回>

2014-08-30 01:43:25 | くるま旅くらしの話

【今日(8/30)の予定】 

  朱鞠内湖畔キャンプ場 → その先未定

 

【昨日(8月29日:(金)のレポート】天気: 晴れ

<行程>

道の駅:ひがしかわ道草館 →(道道・R40)→ 道の駅:けんぶち絵本の里 →(R40・道道)→ 士別市・ホテル翆月イン士別(温泉入浴) →(道道・R239・R275・道道)→ 朱鞠内湖畔キャンプ場(泊)

 

<レポート>

 二度目の東川の道の駅の夜は前回よりも旅車はぐっと減って、季節の動きを感じさせるものだった。もう夏は終わりに近づいていることを知らされるほどに、くるま旅の人は少なくなっていた。今日はどうするかしばし迷った。相棒に聞いても特に要望は無いというのが決まり文句で、そのくせ勝手に動くと後でツベコベ言われるのがいつものことなのである。念のためにとこれからどう動くかをメモ帳に書いて検討することにしたのだが、決まったのは9月10日には函館からのフェリーで大間に着くことにしようということだけで、それまでどう過ごすかはややこしくて、結局は止めることにした。しかし、これからどうするか。

 2案あって、一つは美瑛の丘めぐりでもしようかという案、もう一つはまだ行ったことがない幌加内町の朱鞠内湖畔のキャンプ場に行って見るという案なのである。 なかなか決まらず、結論としてとにかく旭川市街にあるウエスタンというスーパーがあるショッピングモールに行って食材などの買い物をすることにして出発する。結局、買い物を終えてHOの無料入浴OKの温泉のある士別市にあるホテル「SHIBETSU inn 翆月」に行き、その後に朱鞠内湖畔のキャンプ場に行って泊ることにしようということになった。朱鞠内湖畔のキャンプ場は、15回目にもなる北海道行なのにまだ一度も訪ねたことのない場所なのである。多くの知人にそこに泊ったなどという話を聞いており、とにかく一度は行ってみなければならない所だと思っていた。今回の旅の流れでは逆行することになるので、少しためらいもあったのだが、相棒がめんどくさそうに「行ってみたら」というので、その気になった次第。

 ウエスタンではかなりの食材を仕入れた。相棒は北海道にしか売っていない好物のサッポロクラシックを2箱も買い入れたし、自分的には北海道の蕎麦では最高と思っている江丹別蕎麦を一箱買い入れたりした。SUN号の重さに対する不満の声を少し聴いたような気がする。これで当分は買い物不要という状態となって旭川を後にする。とりあえず向かうのは士別市のホテルなのだが、途中で和寒町の道端の売店で枝豆などを買ったり、剣淵町の道の駅に寄ったりしての道草をしながらだった。今まであまり気づかなかったけど、この辺りが野菜類の栽培の限界地域のようで、名寄を越えるともう野菜類の栽培は難しくなるように思った。

 12時少し過ぎにホテル「SHIBETSU inn 翆月」に到着。初めて来る場所である。幸運にも木陰のある駐車場があって、もうそれだけで満足した。今日も旭川エリアの日射しは強烈で、木陰を探すのが大変なのである。直ぐに温泉へ。ここにはトロン温泉というのがあり、入って見ると50℃くらいでも汗の噴き出るサウナもあって、ちょっと一味違う温泉のような気がした。出た時は13時を過ぎており、昼食はここのレストランで摂ることにした。風呂上りではビールを一杯やりたいところだけど、それは我慢した。食事を済ませた後は、朱鞠内湖畔のキャンプ場に向かう。

 ナビに従って1時間ほど走るとキャンプ場に到着。事務所で受け付けをしなければならないようなので、降りて行って見ると、ここは有料で一人一泊600円ということだった。無料もしくはせいぜい2~300円くらいかなと思っていたのに、予想外の高額なので驚いた。どうするか少し迷ったが、折角来たのだからともかく一泊することにした。一泊一人600円ということは二人で1200円となり、これはたとえば別海町のふれあいキャンプ場が電源着き、ごみ処理もOKで1000円であるのに比べるとかなり高いと思わざるを得ない。それにここはゴミは持ち帰れとなっている。炊事場に近い場所なら電源を使えるのだが、その場合は200円が追加されるとのこと。他のキャンプ場に比べるとやっぱり高すぎるという感は否めない。冒頭から不満の入り方となってしまった。

 しかし、景色は抜群で、眼下に穏やかな湖が広がり、鏡のように輝いていた。空に湧いた雲が湖面に映るほどの静けさである。この景観は一人600円が高いなどというケチな根性を凌ぐものだった。しばし景観に見入った後、先ほど買ってきた枝豆を枝から外して茹でることにした。考えて見れば今年はまだ枝豆を食べていなかった。もう夏も終わりだというのに。枝豆の実入りはあまり良いものではなかったけど、その後一杯やるときには、それでもう充分に満足した。

  

朱鞠内湖は、ひっくり返してもそのまま景色が通用するほどに静かな湖面だった。

 ここは地デジが全く映らない。さすがのヘンテナもギブアップである。その代わりBSの方はバッチリである。西日が猛烈なので、片側のカーテンを閉めて反対側の湖の景色を眺めながら、TVも覗くという贅沢をしばらく味わった。間もなく日が沈み、急に涼しくなった。この落差は、あっという間である。ここが内地とは決定的に違う北海道の味なのだなと思った。夕刻、外に出て見ると北極星が気高く輝いていた。明日も天気は良さそうである。存分にこの景観を味わおうと思いながら眠りに就く。

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第41回>

2014-08-29 05:44:08 | くるま旅くらしの話

【今日(8/29)の予定】 

  道の駅:ひがしかわ道草館 → その先未定

 

【昨日(8月28日:(木)のレポート】天気: 晴れ

<行程>

道の駅:上湧別チューリップの湯 →(R242・R333・旭川紋別道・R39)→ 当麻町スポ-ツランド駐車場 →(道道・R39)→ 道の駅:とうま →(R39・道道)→ 旭川21世紀の森 →(道道)→ 道の駅:ひがしかわ道草館(泊)

 

<レポート>

 朝起きだして車内の温度計を見ると17度台だった。外に出ると完全に寒さを感じた。天気はよく晴れて良いのだが、少し強めの風が吹いていて、それが肌を指す寒さにつながっている。こうなると北国の秋はもう始まり出し、あっという間に冬が到来するのであろう。この間までの暑さは何処に潜んでしまったのだろうと思った。

 昨夜は寝付きは良かったのだが、12時にトイレに起きだしてからはなかなか眠れず、3時くらいまでは昨日のBSの電波探知機器がなぜうまく動かないだろうと考えるなどしていた。電気・機械オンチのくせして物事がうまくゆかないとどうもすっきりしない。いつもだとまあいいやと投げて忘れることにしているのだけど、今回はどうも引っかかっていて放り出せない。その最大の原因は相棒にバカにされるからである。バカにされるのには慣れているのだけど、時には一泡吹かしてやりたいという思いもある。それでいろいろうまくゆかない原因を考えて見たのだが、最終的にはアンテナ側の端末の接栓に問題があるのではないかと思った。もう一度明日やり直してやろうと思って、そこまで考えが行ったところでいつの間にか眠りに入っていて、目覚めたのは5時過ぎだった。急いで起きだしてブログの投稿を終え、その後にさっそく接栓のつけ直し作業をする。その結果昨日までどうしても点かなかったランプが点灯したので、やれやれと思った。どうやら推測の判断は当っていたらしい。しかし、TVが映るかどうかは相棒がまだ寝ているので、しばらくそのままにしておいた。朝食が終わり、相棒が見たがっている朝ドラ開始の時刻となったので、早速電波探知機を見ながらアンテナを回してみた。ただちに相棒の拍手が届いて、大成功だった。ま、考えて見れば当たり前のことを最初からちゃんとやっていれば問題など起こらなかったはずであり、大したことではないのだと思う。それでも、オンチのくせにしつこく食いついたのは我ながらあっぱれであった。笑い話である。

 さて、今日はどうするか。朝食が終わってもまだはっきり決めていない。丸瀬布のマウレ山荘に行ってもう一度あの素晴らしい湯を楽しむか、それとも最初に旭川の方に移動してその後で比布辺りの無料温泉を利用させて貰うか、いろいろ迷った。その結果、取り敢えず旭川の方へ行くことにした。旭川紋別道という高速道を建設中であり、今は丸瀬布まで工事が終わり、全線開通までは無料で通行できることになっている。100kmを超える運転となるけど、今日の天気ならば大丈夫だろうと判断した。旭川の近郊にはキャンプ場なども幾つかあり、まだ行っていない所もあるので訪ねて見たいとも思った次第。8時半過ぎ出発する。

 途中遠軽町のスタンドで給油を済ませ、R333に入って丸瀬布方面に向かう。道の駅に寄るのはパスしてそのまま少し走って、丸瀬布インターから高速道に入る。高速道の運転は快調で、天気は良く風もなく最高のドライブ日和だった。周辺の山々はまだ紅葉は始まっていないけど、一部カラマツの山は早くも変色を開始している所もあった。道は山の中腹から上の方と思われる辺りを走っており、かなりの高度があるように思われた。途中、白滝というエリアにこの高速道唯一の道の駅を兼ねたPAがあり、そこで少し休憩をする。ここまでは順調だった。しかし引き続き走って、間もなく愛別町に近づく頃になって、相棒が頭が痛いなどと言い出した。どうやら、高度の高い場所を通って、耳が痛くなったり、その後長いトンネルを幾つか通ったりして体調を崩してしまったらしい。当初は比布の方までいって温泉に入ろうかと思っていたのだが、相棒がどこかで一眠りしたいというので、急遽変更して一番近い当麻町のスポーツランドの駐車場を目指すことにした。あそこへ行けばもしかしたら木陰があるかもしれない。ところが行ってみるとそのような場所は全くなかった。すでに日は高く登っており、気温は30℃近くなっていると思われた。木陰のある場所を探すのは大変なので、とにかくここで休むことにした。

 それから1時間半ほど休憩する。相棒は良く眠ったようで、一応頭の痛さはとれたようだった。既に13時近くになっており、昼食は近くの道の駅:とうまに行けば何かあるだろうと向かうことにした。行ってみると傍にラーメン店はあるのだが、メニューはラーメン中心でご飯ものなどないようなので、入るのは止める。その代わりに駅舎の前で売っていた茹でトウキビを食べることにした。茹でたばかりの熱々のものだった。北海道に入ってから初めて食べるトウキビだった。小さいのを一本おまけしてくれたので、一層美味い感じがした。これで昼食は終わり。

 相棒の体調は一応回復したとはいえ、まだ少し不安もあるので、今日は温泉に入るのは止めて、予て一度行って見たいと思っていた旭川21世紀の森という所にあるキャンプ場に向かうことにした。知人たちの話では、ここには無料の温泉などもあり、設備も充実しているとのこと。山の中なので木陰などもある筈である。そこへ行って泊ることにして休息すれば大丈夫だろうと思った。当麻の道の駅からは30kmほどの距離にある。大した距離ではなかったのだが、まあ、それからの道の長いこと。これでもか、これでもかと山奥へ道は続いていた。最後の頃は本当にこの先にキャンプ場があるのかと思ったほどだった。ようやく到着する。先着の車が数台あって、キャブコンも泊っていた。しばらくどうするか思案したのだが、相棒の顔を見るとどうも否定的である。というのも先ほどからこの辺りの山の上に黒雲が湧き出ていて雷鳴をとどろかせそうなムードがあるからである。それに思ったよりも高度がある場所なので、又頭が痛くなりはせぬかと、今日の体調には不向きな感じがした。それで、またまたここに泊るのは止め、一番近い道の駅:ひがしかわ道草館に行くことにした。ここは何日か前一度泊っている場所である。

 振り回され続けた一日だった。東川の道の駅に着いたのは16時を少し過ぎた頃か。今日は快晴に近い天気で、こうなると旭川エリアの日中の気温は相当に高くなる。16時では西日が一番きつさを発揮する時間帯で、とにかく車のカーテンを閉めてじっとしているしかない。18時近くなって日が沈みかけるまで、TVなどを見て過ごす。地デジもBSも良く映り、電源の心配もないので、少し暑いのを我慢すれば文句のない時間だった。ようやく涼しくなりだした頃、夕食の準備を開始する。それから先は、いつもの通りの暮らしとなったが、あっという間に暑さは消え去り快適な涼しさの夜を迎えることとなった。

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第40回>

2014-08-28 06:29:59 | くるま旅くらしの話

【今日(8/28)の予定】 

  道の駅:上湧別チューリップの湯 →(R242・R333)→ 道の駅:まるせっぷ → その先未定

【昨日(8月27日:(水)のレポート】天気: 曇り後晴れ

<行程>

クッチャロ湖畔キャンプ場 →(道道・R238)→ ホテル日の出岬 →(R238)→ 紋別市内コインランドリー →(R238・R242)→ 道の駅:上湧別チューリップの湯(泊)

<レポート>

 日は一週間滞在したクッチャロ湖のキャンプ場に別れを告げ、一応は帰途に向けての南下を開始する日である。当初は稚内経由で日本海側を行く予定だったが、この度の大水で途中の豊臣町などでは牧場が湖に似た状態となっていたりして、とてもそちらに向かう気は起きなかったのである。同じ来た道を辿るのは何となく不本意な感じがするのだけど、今回は再びオホーツク側を南下して旭川の方に向かうことにした。今日はかなり溜まっている洗濯ものを処理することも考えた移動日となる。

 相変わらず雲の多い朝だったが、歩きから戻り朝食を終える7時半過ぎには雲が割れて、陽光が射し始めた。予報も道内各地で回復に向かい晴れとなるマークが出ていた。先日の大雨以降朝夕がめっきり涼しくなり、今朝の気温は車内で17度となっていた。夜中の外は15度を下回っていたのは確実だろう。お盆を過ぎると暑さが消えると聞いていたが、今年は一週間くらいはそれが遅れたらしい。涼しくなるのはありがたいのだけど、それを通り越して寒くなると困るのである。長袖のシャツは1枚しか持ってきていないし、今年はセーターも持って来なかったのである。出発時点ではあまりにも暑過ぎたし、その後も暑さは狂気を発するほどだったので、マア大丈夫だろうと手抜きをしたのだった。用意は周到になどと思いながら、わざと墓穴を掘るような習性が自分には備わっているのかもしれない。とにかく、この先寒くはならないように願うのみである。

 9時過ぎお世話になったキャンプ場に別れを告げて出発する。先ずは雄武町にある日の出岬のホテルの温泉に入ることにしてそこを目指す。浜頓別町から枝幸町に入る頃には、オホーツクの海はすっかり晴れて輝く太陽の下に水平線までが青く染まっている感じがした。途中誰か知り合いの人はいないかとウスタイベ千畳岩のキャンプ場に寄って見たが、数台の車は入たものの皆知らない人たちばかりだった。もう夏のくるま旅のシーズンは終わりかけており、多くの旅人は早や帰途についていて、道北や道東には釣り目的の人などしか残っていないのかもしれない。来る途中の海岸には、鮭や鱒を狙う釣り人たちが小屋掛けして投げ竿を並べているのが何箇所も見えた。自分にはもはやそのようなことをやろうとする意欲がない。好奇心が一つ減ったということなのかもしれない。そのようなことを思いながら雄武町に入り、道の駅で一休みする。

 雄武の道の駅も閑散としていた。構内の売店に入って見ると売り場のおばさんが二人だけで、客は自分だけだった。買いたい物もないので、おばさん達の方は見ないようにして、コーナーで昔の雄武町のミニ写真展が開かれていたので、それをちょいと覗いた。昭和61年まではここにも鉄道が通っていたようで、写真はそれまでの鉄道の変遷の歴史を掲載していたようだった。いずれの時代も気動車が中心だったようで、ディーゼル車ではなく気動車と書かれている解説に懐かしさを覚えた。今はオホーツクを走る路線は無くなり、稚内まで行くのは内部の山地を行く宗谷本線だけとなったようである。旅をしていると、道内には廃線となった路線の駅の名残を止めるモニュメントが多いのに気づく。町のシンボルでもあった駅が無くなるというのは、その理由をよくよく知っていても、やはりさびしいことに違いない。無人駅でもいいから生き残っていて欲しいというのが地元の人たちの望みであることが解るような気がする。雄武のこの道の駅もその昔の鉄道の跡地につくられているのだろうと思った。

 11時少し前に日の出岬のホテルに到着。ここへ来るのはHOのおかげである。無料入浴をさせて頂こうという魂胆。日の出岬はオホーツクの海に突き出た小さな岬だが、景観も良くてその名の通り素晴らしい日の出を見ることができる場所なのだと思う。残念ながら自分たちはまだそれを見る機会がないけど、オホーツクの日の出というのは壮観なのに違いない。今日は日の出には及ばないけど、ホテルの温泉に浸りながら、白波の押し寄せるオホーツクの海を見せて頂くことができ、ありがたかった。1時間ほど良い湯を楽しませて頂いた後は、昼食休憩。13時少し前に紋別市に向けて出発する。

 紋別市では、郊外のショッピングモールエリアにあるコインランドリーで洗濯をする予定である。もう何度かお世話になっており、今回も寄ることにした。13時半ごろに到着する。この仕事は相棒の担当なので、店内まで洗濯物を運んだあとはやることがない。それで、テレビのBSの設定時に電波の方向をチエックする機器を取り付けることにした。大分前にその機器を買っているのだが、まだ一度も使っていない。要するに取り付けるのがめんどくさいのである。しかし、この度のヘンテナ事件で少し気持が動いて、その気になって来ているのである。これを逃すとまたやる気は凋(しぼ)んでしまうので、取り掛かることにした次第。機器に取り付けるためにはアンテナコードを切断して、その両端それぞれに接栓を取り付けなければならない。簡単な作業である。直ぐに終わって機器に取り付けて試すことにした。しかし、点る筈の信号表示が全く知らぬ顔なのである。すぐに気付いたのは、機器を買って以来一度も使っていないので、内部の乾電池が劣化して使えない状態なのではないかということ。それで近くの店に乾電池を買いに行き交換してみた。これで一応点灯するようになったのだが、肝心のBSの方に切り替えると点らないのである。TVの画面に何やらややこしいことが表示されていた。「コンバーターの保護装置が働いて、云々」ということで、何やらを確認しろとかなのだが、そんなことが解るはずがない電気と機械オンチなのである。それでも、取扱説明書などを取り出しあれこれやって見たのだが、ついにギブアップとなった。このようなことで時間をつぶしている内に洗濯は完了する。16時を過ぎていた。

 今日の泊りは、先日も利用させて貰った道の駅:上湧別チューリップの湯にすることにして出発する。本当はコムケの国際キャンプ場などを利用したいのだが、先日の雨で増水しているに違いないと相棒は信じているし、地震にでも出会ったら大ごとなので、やっぱり海沿いは止めて安全な方を選択した次第である。17時頃に到着する。前回は何台かいた旅車は今日は2~3台だけだった。この道の駅には駐車場が幾つかあって、SUN号のようなキャブコンタイプの車は、バンコンタイプや普通車とは別の場所に泊るように決められている。以前は一緒だったのだけど、何かトラブルなどがあって区分されたのかもしれない。有料で電気の使える簡易スペースを設けてくれると助かるのだが、無料の場合にはこれからもいろいろなトラブルが起こるに違いない。そう思いながら、日本国のくるま旅のインフラのないことを残念に思った。

 明日も天気は良さそうで、夜空には星が輝いていた。今日は昼寝をしていないので、食事が終わると眠気がやって来て、TVを見るのは相棒に任せて、たちまちの爆睡となる。

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第39回>

2014-08-27 05:57:20 | くるま旅くらしの話

【今日(8/27)の予定】 

  クッチャロ湖畔キャンプ場 →(道道・R238)→ ホテル日の出岬 →(R238)→ 紋別市内コインランドリー → その先未定

【昨日(8月26日:(火)のレポート】天気: 曇りのち晴れ

<行程>

終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊) [日中、猿払村方面へ往復]

<レポート>

 初っ端から晴れるかと思っていたのだが、雲多く今にも雨が降りそうな朝だった。予報は午後に少し青空が期待できるという、あまり期待できない話だった。今日はここに滞在する今年最後の日とする予定。それで、相棒は心起きなく今日を送るつもりらしく、日中は隣の猿払村道の駅に行ってホタテずくしの昼食を食べ、加工所の専売所に行ってホタテの土産をものにして戻りたいとの願望を強調し続けた。反対する理由はない。そのような予定含みの一日が始まった次第。

 朝飯を終える頃には少し天気が回復する兆しを見せ始めた。まあ、雨にはならないだろうと安易に予測を立てて、9時過ぎ出発する。先ずは近くにあるベニヤ原生花園を訪ねることにする。一週間も同じ場所に居続けていると、スローライフを楽しむなどと言いながらも喧騒の世界が恋しくなったりして、人間(いや、自分たちだけかも)という奴は、全く天邪鬼に出来ているようである。久しぶりに車で遠出するのが嬉しくなったりするのである。

 ベニヤ原生花園は、同じ浜頓別町内にあって、クッチャロ湖に隣接しているといっていい。原生花園というのは、北海道独特の湿地帯の原野で、そこには多くの野草が昔に近い姿で花を咲かせている。注意して見ないとただの草っ原なのだが、野草に関心のある者にとっては、天国の花園の感がする場所である。多くの人たちはサロベツ原野とかワッカ原生花園、或いは野付半島の原生花園などへ行っても、派手な花が咲いていない時期では何もないただの草原としか思わないことが殆どのようである。釧路湿原だってそう思うに違いない。糖尿病を宣告されて、歩くようになって以来野草観察に関心を持ち、草々の一つ一つの命を考えるようになったことは、自分の人生にとって誠に幸いなことだったと感謝している。

 ベニヤ原生花園は、今の時期に逢いたい野草といえば、たった二つ。いずれもブルー系統の花を咲かせるエゾリンドウともう一つはサワギキョウである。9月が近づくと殆どの野草たちは花期を終え、暑かった夏を生き抜いた花の名残をとどめる姿で風に吹かれている。その中でこの二つの花は際立って美しく妍を競っている。一昨年も丁度この時期にここを訪れて初めてサワギキョウがあちこちに咲き広がっているのを見て感動したのだった。今日も確かに逢うことができるという思いでの来訪だった。入口の観光案内事務所を覗いたら、今咲いている野草たちの中にこの二つを見つけて安堵した。

 少し歩くと、あった! リンドウもサワギキョウもすぐ傍に気高く美しい花を咲かせていた。リンドウという花は昨年の信州美ケ原高原でもたくさん見かけているのだが、このような湿原にも咲いていて、エゾという冠をつけられて呼ばれているけど、全国に広がって分布する逞しい野草の一つなのであろう。園芸栽培種とは一味違うその花の色に吸い込まれる心を感じた。サワギキョウには二度目の出逢いだけど、相変わらず美しい花を咲かせていた。この花はブルーというよりも紫に近い澄んだ色をしている。名はキキョウ(桔梗)とあるけど、桔梗とは違う種類の植物のようである。花の形が全く違うし、湿地の中に生えているのも違う。似ているのは花の色ということなのであろう。それで、沢に生育しているので沢桔梗と誰かが名付けた。それで良いと思う。この二つは似たような環境を好むらしく、背の低い葦原の中に点在して咲いていた。心の和む時間だった。勿論、この花の他にもエゾカワラナデシコやウンランなど十数種類ほどの野草たちの花を見ることが出来て満足した。

  

エゾリンドウの花。サワギキョウに比べて少し花期が早いのかもしれない。最盛期を少し過ぎた感じの疲れを覚える表情だった。

  

サワギキョウの花。自分がベニヤ原生花園の中で最も憧れる花である。咲いていてくれてありがとう。何も言うことはない。

 ベニヤ原生花園を後にして、猿払村の道の駅を目指して移動する。約30kmと、北海道では隣の自治体までの距離が遠い。30kmは近い方なのかもしれない。猿払村といえば、先ずはホタテであり、次は酪農ということであろう。何といってもホタテが有名である。ここのホタテは5年物なのである。稚貝を砂地に播いて5年間も待って収穫するのである。普通は3年程度で収穫することが多いのだと思うけど、5年となれば当然身も大きくなっており、食べる側にとっては大きな魅力である。今日はそれを心ゆくまで味わおうという相棒の提案なのである。何しろここ一週間は碌な買い物をせずずっと粗食に耐え続けてきているので、粗食のあまり好きでない相棒にとっては相当強い願望のようだった。

 間もなく道の駅に着いたが、昼食には少し早い刻限だったので、少し先にある漁協の加工所にある直売所に出向き、少々買い物をする。この場所は、相棒が先日温泉の中で一緒になったという地元の人から教えてもらったとかで、ホタテの買い物ならここが一番というお勧めの場所なんだとか。今日は海が荒れているため殻付きのものは買えなかったけど、今度来るときは七輪を持ってきて焼いて食べるのもいいなと思ったりした。買い物を終えて道の駅に行き、相棒待望の食事となる。自分は面倒くさいので初めからホタテカレーというので良いことにしている。相棒はしばし得意の選別塾考を重ねたあと、刺身定食とフライの単品ものをオーダーした。こうすればいろいろのホタテの味を賞味することができるとのことらしい。間もなくそれらが運ばれてきたが、いずれもそれぞれの味わいが深くて、相棒は十二分に満足したようだった。自分のホタテカレーも不満はなく、最近食べたカレーの中では出色のものだったと思う。

 昼食を終えて、再びクッチャロ湖のキャンプ場に戻る。雲は多いけど晴れ間も少し見えて、この分だとソーラーも少しは働きそうな天気となった。先日地デジのアンテナケーブルを外で一々つながなくてもいいようにしたのだが、BSの方も帰ってからではなく、今の内にそうしようと思い着きその作業に取り掛かる。何しろ暇なので、身体を動かさないと落ち着かなくなるのである。1時間ほどで終了。アンテナの感度をキャッチする器具を取り付ければもっと完璧になるのだけど、必要な工具類を持参していないのでこれだけは先送りすることにした。相棒に合図の笛を吹いて貰ってアンテナの位置を決めると、しっかり映ったので先ずは安堵する。その後は午睡。

 17時過ぎに目覚めて、その後はずっとグータラして夜を迎え、21時近くまでTVを見て寝床に入る。バッテリーがどれくらい持つのかチエックをするつもりでのTVだったが、まだまだ大丈夫そうで、夜明けまで見続けてもゆけるような気がした。理論的ではない話である。今日はこれで終わり。

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第38回>

2014-08-26 06:00:00 | くるま旅くらしの話

【今日(8/26)の予定】 

  終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

 

【昨日(8月25日:(月)のレポート】天気: 曇り後晴れ

<行程>

終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

<レポート>

 今日も終日のんびりとクッチャロ湖畔のキャンプ場に滞在する。特に書くこともなし。家族の人たちへは、元気でスローに過ごしていると伝えることにしたい。でも少しばかり様子を書く

 朝一番で近くの(といっても1kmほど歩く)コンビニに行き、「HO」を予約する。今日が発売日なのだが、遅れて着くことがあるとの話だった。昼近くにもう一度行ったらちゃんと届いていたので安堵した。これでもう何回かは割安の温泉に入ることができる。

今日は午後には晴れるという予報なので、相棒はそれを当てにして、車のカーペットをむしり上げて湿気たっぷりの部分を干すという作業に取り掛かった。密封度の高い車の中は湿気が溜まり易く、うっかりすると一番下に敷いているカーペットには滴り落ちるほどの水が溜まってしまうことがある。どうやらそれに近い状況となっていたらしい。こうなると自分の居場所がなくなるので、思い切って地デジのアンテナコードを換気扇から通して、今まで一々外に出てコードをつなぐような作業をしないで済むようにすることにした。思ったより簡単に作業が終わり、車を買って以来14年を経過して初めて何時でもどこでもコードをつながないでTVを見ることができる状態となった。ヘンテナおかげである。知識がないこと、やる気がないことを14年間も持ち続けたのは、もしかしたら賞賛されるべきグータラなのかもしれないなどと思った。

そのようなことをしている内に一日が終わりに近づく。スタインベックの「チャーリーとの旅」を読み終える。いつも速読という奴を心がけているのだけど、精読のレベルで本を読んだのは久しい。大体は解っているつもりのストーリーや内容なのだが、精読すると気が付き、考えさせられることも多い。スタインベックは初めに言う。「人間が旅をするのではなく、旅が人間を連れ出すのだ」と。しかし、最後にまた言う「旅人が家に帰りつく前に、既に旅は終わり、旅は死んだという経験は誰にでもあるだろう。逆も真である。」云々と。要するに旅が主体である時もあれば、旅人が主体である時もあるということなのであろう。この本には「アメリカを求めて」というサブタイトルが掲げられている。それはスタインベックがノーベル賞を受賞する年のことだが、旅に連れ出された動機といえば、「今まで自分は長年アメリカの人情風俗にじかに触れないでアメリカのことを書いてきた。知らないことについて書くということは、作家として犯罪的行為だ。もう一度この目で自分の国を見てやろう」ということだったという。チャーリーという老愛犬を連れての旅だったが、さて、彼はアメリカを発見できたのだろうか。結論からいえば、確かにアメリカ人はいたということになるようだ。しかし、最後に旅を死なせたのは、アメリカの古傷的な負の部分が息づく南部エリアで出会った体験だったようである。いわゆる白黒人種の差別騒動の現実ということになるのであろうか。今から50年前のアメリカでは、その傷はまだ新しい潰瘍を随所に残していたのかもしれない。この本は、旅のガイド書ではなく、旅の目的に係る出来事を捉まえ、分析、哲学して漠然とだが一つの結論を導き出したプロセスの解説書のような気がした。随所で感じたことを更に反芻して考えて見たいと思っている。

ところで、今、自分自身は一体旅とはどのような関係にあるのだろうか。出会いという宝を探すのが目的なのだが、この頃はその宝物に飽きてきている感じがしないでもない。だとすれば、これから先自分の旅にどのような目的や意義を見出だせばいいのか。残りの時間が少なくなっているのは間違いない。何か新しい気付きが必要だなと思った。自分的には旅から見放されるような生き方はしたくないと思っている。

本を読み終える頃に天気はすっかり回復して、夕焼けが期待できる状態となった。それを楽しみに待ったのだが、西の日が沈む当りには雲が消えていて、あまりにすっきりした空となっていたので、夕焼けはホンの少しその周辺と湖の一部を染めただけで終わってしまった。残念。

  

クッチャロ湖の今日の夕日。空のほんの一部が染められただけだった。空と湖全体が真っ赤に染め上がるほどの夕日は、年に2~3度しかないとか。どうやら今年も出会うのは難しいらしい。

 

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第37回>

2014-08-25 06:12:44 | くるま旅くらしの話

【今日(8/25)の予定】 

  終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

 

【昨日(8月24日:(土)のレポート】天気:雨又雨

<行程>

終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

<レポート>

 滞在5日目となった。昨夜の前半は雷鳴混じりの豪雨が降り注ぐというとんでもない悪天候となり、怯えた相棒は上のベッドに入るのも忘れて下のソファで湖が溢れはしないかと観察を続けていたらしい。しかし、こちとらは日中からきこしめしたアルコールがものをいって、何の不安も覚えぬままに惰眠を貪ぼっていたのだが、避難を騒ぎまわる相棒の声を何時までも無視続けるわけにもゆかず、真夜中に車を移動させる羽目となった。移動先はすぐ丘の上にあるウイングという温泉施設の駐車場。移動距離は200mほどか。クッチャロ湖という湖は海とつながっており、流れ出る川は1本だけ。入って来る川水はないので、どれほど雨が降っても溢れるということはない、と踏んでいる。大地震があって津波が押し寄せて来たりしたら、安全とはいえないとは思うが、当面は大雨に対する心配だけである。ウイングの駐車場は標高が15mほどはあると思うので、まあ大丈夫というものであろう。しかし、相棒は何故かその後も寝床には入らず、ソファに居たままだった。

 夜が明けて、もう大丈夫と元の湖畔の位置に戻る。しかし、相棒は車を停めておく地面が水でぬかるんで、タイヤが沈んでしまうのではないかとの懸念を払拭できないようで、相変わらず時化た顔をし続けていた。地面は砂地であり、ぬかるみなどになる筈がない。11時になってウイングの日帰り入浴がOKになるまでは、そのままそこに居続けることにした。

 11時過ぎウイングの温泉に入りに行く。14時までは昼割というのがあって、料金が割引されて350円となるのである。美人の湯というのがここのうたい文句で、やや茶色がかったすべすべした湯は、身体を良くもみほぐしてくれる感じがする。今日はかなり混んでいて、どうやら地元の漁師の人たちの仲間揃っての入浴だったようだ。会話を聞いていると、やはりこの頃獲れる魚の種類が変わって来ているなどという話が多く、今頃はブリの幼魚のワカシなどが多く獲れるとか。海水の流れや温度などにも異常が起こっているというような話を聞くと、何だか穏やかではないなという気持ちになって来る。この今日の雨だって、この後どうなるのか判らないなと思ったりした。

 温泉から戻り、今まででの砂地の定位置に停めるのは止め、入口近くの舗装してある広い駐車場の方に移ることにした。今日は来訪者も少なく、停まっている車は数台ほどしかない。先日申し込んだ滞在日数が今日で切れることになるので、更に追加してあと3日滞在することを申し込んだ。26日までここに泊り、その後稚内の方に行くつもりなのだが、天気が不安定な時には、変更するかもしれない。どうも日本海側の方が大雨などに狙われているようなので、警戒するに越したことはない。

 昼にはグリーン麺というのを茹でて食す。美味なり。雨は相変わらず降り続いている。利尻や礼文の島嶼エリアでは避難勧告が出るほどの大雨が降り続いているようだ。ここも油断ならぬ降り様である。少し残っている「チャーリーとの旅」を読み続ける。スタインベックという人は、なかなかの理論家で哲学者もあるようだ。アメリカ流の書き方、表現に感心しながら読んでいる内に次第に眠くなってきた。面白くないから眠くなったのではなく、昨夜の中途半端な眠りが睡魔を使いによこしたのである。こんな時は逆らわない方がいい。しばらく寝床にもぐりこむ。

めざめたのは5時頃か。外は依然雨が降り続いていた。時折り強く車に音を立てるのは、風が強まったからなのであろう。風が吹きだしたらそろそろ雨を降らせるのは飽きるのかもしれないなと期待した。夕食の後20時を待ってTVの大河ドラマを見る。この頃ようやく雨は降るのをやめる決心をしたようである。ドラマを見終わって、今日の一日が終わる。

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'14年 北海道旅くらしのレポート <第36回>

2014-08-24 06:56:01 | くるま旅くらしの話

【今日(8/24)の予定】 

  終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

 

【昨日(8月23日:(土)のレポート】天気:雨のち凶暴化

<行程>

終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

<レポート>

 今日もまた終日何もせずに過ごす。朝、遠回りしながら町の中を歩きに行ったら、鹿が道路の真ん中を歩いていた。すぐそばには熊出没注意の警告板が立てられていた。この辺りでは普通の景色なのだなと思った。街路樹のナナカマドの実が真っ赤になっているのを見つけた。更に少し行くと道端にコウリンタンポポが咲いているのを見つけた。これらは皆この辺りでは普通の景色なのだなと又思った。

  

早朝の町中の道を闊歩するエゾシカ君。しばらくするとどこかの家の庭の中に消えていった。

 

北国の秋の到来を知らせる代表的な樹木のナナカマド。葉はまだ青いけど実はすっかり色づいている。

  

道端に見つけたコウリンタンポポの花。今年はいつもより少ない感じがするのは、温暖化が浸透してきたせいなのか。この野草も北国の象徴のような気がする。

日中は、昨日から久しぶりにスタインベック著の「チャーリーとの旅」(大前正臣訳・弘文堂刊・昭和45年9月15日第11版発行)を読んでいる。この本は、買ったのではなくその昔現役だった頃に職場の仲間の一人から頂戴したものである。その頃はまだ旅を始める前で、くるま旅へのあこがれなどを話していたら、読んでみなとこの本を出してくれたのである。それ以降、この本は自分の旅の原点ともなっているもので、いつも車の本立てに置いている。しかし、滅多に読まない。それを久しぶりに精読しようとしたのは、この頃の自分の旅が目的を失いつつあるように思っており、この本の中から何か新しい発見が見出せるかもしれないと思ったからである。今のところまだ全部を読み終えていないし、反芻もしておらず、見出せるのかどうかも解らない。読み終えたら、旅の間中ずっと反芻し続けるつもりでいる。答えは旅から戻ってからとなろう。

午後の後半から天気は凶暴化した。豪雨と共に雷鳴がとどろき、車の天井は狂乱の音を発し続けた。広島のこの度の大災害もこのような凶暴化した大自然の蛮行によるものであろう。日本中がその脅威にさらされてきている感じがしてならない。

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第35回>

2014-08-23 04:21:49 | くるま旅くらしの話

【今日(8/23)の予定】 

  終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

 

【昨日(8月22日:(金)のレポート】天気: 曇りのち晴れ

<行程>

終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

<レポート>

 今日も終日何もせずにのんびり、ゆっくりと過ごす。従って今日も特に書くことは無し。偶にはこのような何も報告なしの日が続いてもいいのではないか。毎日どうでもいいようなことを書き続けるのも結構疲れることではある。読まれる方だって同じ思いではないか。

 日中晴れるとまだ暑さが残るのだが、空を見るともう秋の雲が大勢を占めているのに気がつく。お盆を過ぎると急速に秋が迫り、そのすぐ後ろに冬将軍が控えている。クッチャロ湖の短い夏は間もなく終わりを迎えようとしているのが判る。そのような湖面を終日見ながらの一日だった。

  

今朝の青空に広がった雲はすでに秋の姿をしていた。この雲がずっと安定して空を飾ってくれていればいいのだけど、このごろの大自然は、不機嫌ばかりを続けている。

 

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‘14年 北海道旅くらしのレポート <第34回>

2014-08-22 04:57:28 | くるま旅くらしの話

【今日(8/22)の予定】 

  終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

 

【昨日(8月21日:(木)のレポート】天気: 曇りのち晴れ

<行程>

終日クッチャロ湖キャンプ場に滞在(泊)

<レポート>

 今日は終日何もせずにのんびり、ゆっくりと過ごす。従って特に書くことも無し。午前中は曇っていた空が、午後の後半になって青空を覗かせ、その後は急激に気温が上昇した。おかげで電気の心配は解消した。夕焼けを期待したのだが、残念ながら大きな雲が邪魔をして、期待からはかなり外れた夕焼けとなった。それでもクッチャロ湖らしさのある落陽だった。その写真を一枚掲載するのみ。

 

 クッチャロ湖の落陽。その時の条件によって、空も湖も真っ赤に染め上がる夕日が見られるのだが、今日はその条件が整わなかったようで、普通の夕日となった。それでもこの地の夕日は、他にはない夕日らしさがある。

※広島市内の豪雨大災害のニュースにただただ驚くばかりです。被災された方々にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

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