私の教育の理想は、子どもたちが立派な大人になることであって、
先々で、子どもたちが私に何を学んだかさえ忘れてしまっていてもよいと思います。しかし、学んだことがその人の中に沈潜し、その人の人格形成の土台となっていたら望外の喜びです。
こうしたおかげでこうなったと因果関係がわかるような教育は、人間教育においては、しょせん浅いものでしかないのだと私は思います。
私にできることは、私の教育に全力を尽くすということだけです。それに対する評価は他人のものですから、私にはどうすることもできません。私の知るところではないのです。
ただ、何十年かが過ぎて、「あぁ。そういうことだったのか。」と気づいてくれる人が少なからずいてくれたら、私の努力も無駄ではなかったのだろうと思えるに違いありません。
その日のために全力を尽くしたいと思います。