工程管理では複雑性の問題は解決できない

未唯へ。本当に寒いですね。雪が積っているかと思ったけど、少し舞っているだけです。我が家の唯一の石油ファンヒーターの灯油がありません。あなたがいつも、着替えをしている場所は暖かくない。また、文句を言うのでしょう。

朝、7時から、この会社のニュースを見て、つくづく、この会社の「静脈系」がやられていることを痛感しました。今の社長は、「原点」に戻って、工程改善を行うのでしょう。それでは問題は解決しません。先端が生き生き動くには、動脈系よりも静脈系に気を使わないといけない。それを工程管理でやる発想そのものがダメです。

工程管理のポイントは要素分解して、単純なことに落とすことです。これは複雑性の世界では、問題をさらに複雑にしてしまいます。制御されないお客様とのコミュニケーションを複雑なままで対応していく、勇気が必要なのです。

静脈系システムの基本は「複雑性」の発想です。お客様との複雑なやり取りの中から答を探って、スタッフがモラルアップすると同時に、お客様との信頼関係を作り出していくことです。プライドとブランドに頼らなくて、お客様の見続けることです。メーカーからではなく、お客様から考えられるカタチを早急に提案していく。

この複雑性の発想、東富士時代に、技術者自身がシステムを使いこなして、自らの課題を解決できる、EOA（エンジニアリングＯＡを開発する時に気付いたものです。その後、ハイブリッドシステムを作り出した主査、主担当員とＲ＆Ｄのチームを組んで、テーマ開発しました。

その後、エドガール・モランの『複雑性とは何か』で言葉を与えられた。それを実現するために、販売部門に異動しました。

１６年かかって、やっと、スタッフの「知恵の創出」という言葉が認知され、具体的なものが出来てきました。社会そのものの複雑性も増しています。ここで、一気に「作る」「売る」ことから「使う」「聞く」方にハンドルを切れるようにしましょう。その一連の活動を始めたばかりです。

今週は、そのシナリオを販売店、新マーケティング会社、お客関の人に、それぞれ２時間ぐらい語っていた。彼らに言葉を与えて、動けるようにしていきましょう。それが複雑性のやり方です。

彼らに話している時に感じたのは、システムを「物語」として、語れるのは私しかいない、ということです。その分、頑張れるかな。