みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

何者なのでしょうか

2024年04月04日 | 出エジプト記

出エジプト記 3章

 神がご自分の民をエジプトから解放し、「乳と蜜の流れる地」へと導かれる時が来ました。そのために、神がまず選ばれたのがモーセ。3章は、80歳のモーセをイスラエルの民の指導者として神が召し、遣わされる箇所です。

 その日は、モーセにとって突然やってきました。彼はいつものように羊を飼い、神の山ホレブにやって来ました。「神の山」とは、後にモーセがここで神と会い、十戒をいただくことを示しています。神の臨在、そして神からの召命は、その人にとっては突然の出来事として訪れるのですが、神にとってはご計画の中にあることなのです。

 まず神はモーセに、ご自分が聖いお方であることと、父祖アブラハム、イサク、ヤコブの神であることを明らかにされます。そして続けて、モーセに神がこれから何をなさろうとしているのかを明らかにしています。さらに、モーセが何を為すのかについても、はっきり伝えておられます。

 11−12節のモーセと神との対話に目が留まります。「私は、いったい何者なのでしょうか」と彼は言いますが、それに答えて神は、「わたしが、あなたとともにいる。これが、あなたのためのしるしである」と言われます。モーセは圧倒的な神の聖さの前に恐れのおののき「何者なのでしょうか」と自分のことを言っています。神の前には誰もが「何者でもない」のです。しかし、神がともにいるとき、何者でもないその人は、神に用いられるのです。

 ご自分の名を「わたしはある」と明らかにされた神は、モーセに次々に具体的な指示を与えられます。イスラエルの長老たちを集めること、ファラオに会うこと、出て行く時にははぎ取ることなど…。それは、モーセがこれらの神の命令に従い、実行するための備えができていたということではないでしょうか。本人はそう思わずとも…。


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