みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

静かな革命

2011年07月23日 | 使徒の働き
使徒の働き19章23-40節


 今回の台風の進路はとても興味深いと思いました。何か日本列島に遠慮しながら進んでいるように思えるのです。とはいえ、大雨で被害にあった方々もおられます。

 何かのためにダメになったと悲しんでいる人が、今年は多いのではないでしょうか。原発の放射能のために牛肉が売れなくなってしまったなどということが、ここ数日報じられています。スーパーの牛肉売り場には半額のシールが貼ってある国産牛肉が並んでいました。今朝の新聞にも、郷里の桃農家のインタビュー記事が載っています。いつもの年の1ー2割ぐらいしか購入予約がないとありました。

 エペソの銀細工人デメテリオも、パウロの働きで影響を受けこのままでは商売上がったりだと思い込んでいました。彼が同業者の前でこの問題を訴えたところ、大事(おおごと)に。人々は町の劇場になだれ込み騒乱状態になってしまったのです。
 騒動は町の書記役の機転の効いたことばで何とか収まりましたが、パウロはこの事件をきっかけに3年間腰をすえて福音を伝え、信じた人々の成長に心を砕いたエペソを去ろうとする決意を固めたようです。

 興味深いと思ったのは、町を揺るがすほどの騒動の中で、しかもパウロたちは「濡れ衣」を着せられているのに争いに発展しなかったということです。大騒動の中で、キリスト者たちの静かさがかえって際立ちます。
 しかし、この町ではデメテリオたちが危機感を抱くような革命が確実に、静かに進行していたのです。神のみことばが語られたときに、それが人々のうちに生きて働いてその生き方が変わるという革命です。

 たとい力によって一時的に封じ込め、パウロのような指導者を立ち去らせることに成功したとしても、誰もこの革命を押しとどめることはできません。そして、私たちのうちでも現在進行中なのですね。





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