みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

主の宮の門衛

2021年06月03日 | 歴代誌第一

歴代誌第一 26章1−19節

 空を見上げると幾筋もの飛行機雲。以前ほどではありませんが、それでもずいぶんと増えてきたと感じます。人の往来が少しずつ活発になってきているのでしょうか。

 ここには、ソロモンが建てようとしている神の宮の門衛を、父ダビデが整えたことが記されています。前章には神殿音楽隊、その前には祭司の務めを整えていますので、今で言えば、神殿というハードウェアに必要なソフトウェアを整えているということでしょうか。

 大勢の人々がこの神殿を訪れ、自分の罪を告白して神からの赦しを得ようとすることをダビデは思い描いていました。天地の創造主なる神のところに来る民が、その神にふさわしく整然と宮を訪れることができるように、門衛はなくてならない役割です。

 「神の宮を守る」ということで、『都上りの歌」の一つを思いました。「主はあなたを守る方。主はあなたの右の手をおおう陰。昼も 日があなたを打つことはなく 夜も 月があなたを打つことはない」と詩篇121篇5−6節で歌われています。変わらずに私たちを守ってくださるお方が臨在を約束された宮を守るというのは、不思議に思います。

 しかし門衛は、まどろむことなく、眠ることもなく私たちを守る主のもとに来る人々を、彼らの礼拝を守るために置かれているのです。礼拝を妨げる者の手から、礼拝者を、礼拝を守るための務めです。神への礼拝を妨げるものは何かということにも思いが至ります。


達人も弟子も

2021年06月02日 | 歴代誌第一

歴代誌第一 25章

 6月をどのように迎えましたか。大きな課題を抱えて月を跨(また)いだ人もいることだろうと、想像します。そのようなとき、気がつくと讃美歌を口ずさんでいるということがあります。クリスチャンの信仰の歩みと歌とは切り離せないものであり、なんとたくさん私たちは歌うのでしょうか。

 祭司の務めを整えたダビデは、次にレビ人が主の宮で歌を歌うという務めを担うようにし、整えました。ここには、アサフ、エドトン、ヘマンがまず出てきます。彼らがレビ人による「神殿音楽隊」のリーダーなのです。アサフの先祖はゲルショム、エドトンの先祖はメラリ、そしてヘマンの先祖はケハテです。そして24組の内訳は、アサフ家が4組、エドトン家が6組、そしてヘマン家が14組でした。

 ちなみに、詩篇50,73−83篇にはアサフの名が、39、62、77篇にはエドトンの名が、そして88篇にはヘマンの名が記されていますので、この三人は作詞者でもあったと考えることができます。

 各組12人が神の宮での礼拝でどのような務めを果たしたのかは多いに興味があります。8節の「下の者も上の者も、達人も弟子も、みな同じようにくじを引いた」ということばに目が留まります。初めから達人である者はほんの一握り、多くは弟子として研さんを積み、その結果主のために務めを果たします。

 ここを読むと、改めて礼拝で高らかに声を上げて神をほめたたえる日が来るようにと、願います。その日を来たらせてくださいと祈ります。


祭司、勇士ツァドク

2021年06月01日 | 歴代誌第一

歴代誌第一 24章

 5月最後の日は快晴。カラッとした陽射しの中、礼拝でお借りしている教会堂を歩いて往復しました。会堂のある木組みの街並みを歩いていると、貸してくださっている教会の牧師さんとばったり。快適に使用できていることを感謝しました。

 『また歴代誌か…」という声も聞こえてきそうですが、その日読む聖書の一つでも私たちの歩みとつながりがあるのだと気づくことができたらと願いつつ、読み進めていくことにします。

 ダビデは、わが子ソロモンが建てようとしている神殿での祭司の務め、レビ人の務めについて組織を作りました。祭司は24の組に分かれ、くじで奉仕の順序が決められたのです。

 1節にアロンの子どもたちの名前があります。4人のうち、ナダブとアビフは『異なる火」を焚いたことでいのちを取られ、エルアザルとイタマルの子孫が祭司職を継いでいきます。ダビデの時代には、エルアザルの子孫のツァドクと、イタマルの子孫のアヒメレクがダビデのそばで祭司をまとめていました。

 ツァドクもアヒメレクもダビデ王に忠誠を尽くしたのですが、アヒメレクは、ダビデの後継者を巡っての出来事の中で、ソロモンにではなくアドニヤの側につきます。歴代誌はバビロン捕囚から帰還した民にまず読まれたものですが、その時代の祭司職はすべてツァドクの子孫たちでした。すでにこの時、イタマルの子孫がエルアザルの子孫よりも少なかったというのは、このことを予表しているのかもしれません。

 ツァドクを12章28節では「若い勇士」と紹介しています。祭司というと、静かに神の前に祈りを献げる務めという印象がありますが、いざという時には勇士として先頭に立って戦っていたという姿が目に浮かびます。世にあっては苦難がある、しかし勇気を出すようにと弟子たちに語ったイエスのことばを思いました。


仕えること、賛美すること

2021年05月29日 | 歴代誌第一

歴代誌第一 23章24−32節

 風邪を引いてしまったのですが、「もしや…」と、まず疑うのが今のご時世ですね。カレーライスの味もしっかり美味しいので、大丈夫のようです。それに久しぶりに安定の天気の下、外を歩いたらすっかり気分が良くなりました。

 23章後半には、レビ人が主の宮で受け持つ務めをダビデが明確に定めたことが書かれています。ソロモンが神殿を建てるなら、幕屋(会見の天幕)を組み立て聖具類を配置する、移動の際には幕屋を解体して聖具類を運ぶという務めはなくなります。「幕屋時代」には、ケハテ族は聖所の用具の務め、メラリ族は幕屋の板の務め、そしてゲルション族は幕の務めを担っていました。しかし、これからは「幕屋を運んだり、法師に用いるすべての器具を運んだりする必要はない」のです。

 それでは、レビ人たちは何もすることがないのかというと、そうではありません。祭司たちの務めを支えるという務めはこれまでとは変わりません。心に留めたのは30節。ダビデはレビ人たちに務めの一つとして、「朝ごとに、立って主をほめたたえ、賛美し、夕べにも同様にすること」を挙げました。賛美が命じられているのです。

 賛美は、心穏やかなときにするものだと思っていたら、そうではありません。「朝ごとに、…夕べにも」するのです。とても神を賛美する気分にはならない、ということではないのですね。


祝福のために

2021年05月28日 | 歴代誌第一

歴代誌第一 23章1−23節

 天候が目まぐるしく変わる週ですが、外に出られない時には室内で紙飛行機を飛ばしたりしています。4歳の孫が妻と私に作ってくれたもので、これがよく飛ぶのです。私が作った紙飛行機はあまり飛ばなかったのですが、どこで覚えたのでしょうか。

 本章から26章までには、神殿で仕えるレビ部族の人々の名前とその務めについて、ダビデが人数を数え、役割を分担させたことが書いてあります。自分が神殿を建てることは叶いませんでしたが、後継者ソロモンが建てる神殿で神に仕える人々を編成し、確認したのです。

 レビ部族は、創世記後半に登場するヤコブの12人の子どもたちの三番目のレビの子孫たちであり、出エジプト記、レビ記や民数記では、彼らは神への奉仕者として神にささげられました。

 歴代誌は、バビロン捕囚から帰還して国を再興しようとする人々にまず語られたものです。ここにレビ部族の務めにかなりのスペースを割いているのは、国の再興の土台、拠りどころを神への信仰、礼拝に置こうとしているからです。13節に「彼とその子たちが、とこしえに主の前に香を焚き、主に仕え、とこしえに主のみ何よって祝福するため」とあります。これが、レビ部族の務めです。神殿が建てられ、町が再建され、人々の営みが再び為されるようになったとしても、神の祝福がなければ、それは虚しいのです。

 そして、この務めは新約時代の私たち信仰者たちに受け継がれまれてきました。何よりも大切なのは、神の祝福の中に歩むこと、そのためにキリスト者は、主の前に祈りという香を焚き、主に仕える、神の祝福を人々にもたらすのです。とこしえに香は焚かれているだろうか…。


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