仮想ゴール

長く感じられた枝豆の収穫もあと数日を残すのみとなった。

「残りあと僅か」と思うと人間は無意識の内に力が出なくなるらしい。
オリンピックで日本の水泳陣が終盤に力を発揮できなかったのはそこに原因があったらしく、仮想ゴールを実際よりも先に設定することにより良い成績をあげられるようになったという。
これはスポーツの世界ばかりでなく一般社会でも十分に通用する「真理」だと思われる。

稲刈りと枝豆収穫の二大作業を並行して進めるハードスケジュールも「あと数日」と思って力が抜けたらマズイので、もう少し先にゴールを設定し最後まで全力を出し切れるよう頑張らねばならない。
勿論、頑張るのは収穫そのものではなく収穫した枝豆の「完売」であることは言うまでも無い。



門口のカラタチの実が色付き始めた。
枝が道路側に向って伸び始めたのをジイチャンが強制的に引き戻したので急に背高ノッポになってしまった。