安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係
「ヘソ大根」作りを始めたのは生大根のまま産直に出荷しても売行きが芳しくなかったためだった。
「窮余の一策」が功を奏し、冬場の貴重な収入源となっていたが「皮を剥く・切る・茹でる・刺す・吊るす」と
製品化までの稼働が半端ではなく、力が衰えつつある生産部長の負担になっていた。
しかし、「次の策」は直ぐには思い浮かばなかった。

(吊るす際のトラブルで夜までかかってしまった)
策が無い時は「原点に戻れ」で、生大根のまま売る方向に切り替えることにした。
幸い、数年前から生大根の売行きが好転したことも有り、徐々にヘソ大根の量を減らし始めている。
とは言っても「突然風向きが変わる」ことも予想されるので、当分の間は細々ながらもヘソ大根作りを
続け、様子を見るつもりでいる。
赤蕪もヘソ大根も例年に比べると遅い販売開始となり出荷量も少な目にしていた。
昨年は売れ残るぐらい供給過剰気味となったことから、今年は少し及び腰でのスタートとならざるを
得なかった。
しかし、今のところ好調な売れ行きで嬉しい悲鳴をあげている。

(寒さが緩み今年の初めて降った雨の中で収穫。雨で根雪も大分沈んで来た)
特にヘソ大根作りは一旦終了したつもりだったが、好調な売れ行きと明後日から再び寒くなるという
天気に期待して「追加生産」を決めた。

午後に来客があって吊るす作業が遅くになり暗くなるまでかかってしまったが、お陰で夜の闇を
バックに大根の白さが目立つ写真が撮れた。
ヘソ大根作りは失敗の連続と言ってもいいぐらい毎年のように失敗を繰り返して来た。
干している内に赤カビが発生する失敗が殆どだった。
そんなリスクの多い仕事に手間ひま掛けるのも「如何なものか」と反省し、今年は規模を
大幅に縮小することにした。
せめて冬場ぐらいは「少しノンビリしたい」との生産部長の意向もその背景に有った。

規模を縮小しても準備は一通り整えなければならない。
大根を茹でる大釜を用意し、赤カビの発生しにくい風通しの良い軒下を選んで干場を設定した。
後は期待通りの「寒波が襲来する」ことを祈るばかり。
1月の寒い時期に「ヘソ大根作り」に励んだが、干し始めた初期の段階で厳冬期とは思えない温かい朝が
数日続いたのが響き、赤カビが発生する失敗作が多かった。
ここ数年失敗が続いているが、手を目一杯かけたうえでの挫折はダメージが大きい。
天候に大きく左右される生産物に取り組んだのが間違いだったのかもしれない。
来年は規模を縮小する方向で考えたい。

一方、「証文の出し遅れ」となったハウスのホウレンソウは今が収穫の最盛期。
産直の店頭では予想通り供給過多気味となり値崩れが始まっているが、だからと言って出品を止める訳には行かない。
価格は二の次で、まずは「完売」を目指したい。
「ヘソ大根作り」の天敵はカビで、気温が高かったり風通しが悪かったりすると折角手をかけて
干した大根が全滅してしまう。
我が家の「ヘソ大根作り」は失敗の歴史と言っても過言ではないぐらい何度も失敗を繰り返して
来た。

しかし、サントリー流にまずは「やってみなはれ!」と挑戦した結果なので悔いはない。
ただ、同じ過ちの再演だけは避けるようにしているので「もう失敗のしようがない」とも思って
いる。
それでも最終的に「天気に左右される」ことだけは覚悟しなければならない。