shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ジャズ代官 ~演歌がジャズ!~ / 昭和ジャズ兄弟

2009-01-22 | Cover Songs
 私は音楽仲間内で「よぉそんな CD 買うたなぁ...」と言われることがよくある。珍盤・奇盤・怪盤といった、いわゆる「怪しい盤」が大好きなんである。確かに王道を行く音楽ファンの人達から見ると「何じゃいコレは?」というような盤が私の CD・レコード棚にはゴロゴロしているが、「音楽は楽しければ、面白ければそれでエエやん!」と考えているのでまったく気にならない。むしろそんな玉石混交の怪盤群の中から「自分だけの名盤」を見つけ出すのが楽しくて仕方がない。
 この「ジャズ代官 / 昭和ジャズ兄弟」という CD もそんな怪しい1枚だ。サブタイトルが ~演歌がジャズ!よいではないか、よいではないか~... ナメてんのか!しかもこのジャケットである。普通なら手に取るのもアホらしくなるような盤だが、その時は魔がさしたのか、あるいは余程機嫌が良くって心が広くなってたのか、とりあえず試聴サイトで聴いてみることにした。あれ?案外マトモ、っちゅーか結構オモロそうやん!演歌というだけで偏見を持っていた自分を反省し、早速ヤフオクでゲット。600円だ。
 ①「与作」、リリシズム溢れるピアノに枯れたバルネ・ウィランみたいなテナー... めっちゃエエ感じだ。しかし5分過ぎからキモチ悪いモード奏法に突入、すべて台無しである。ウネウネ・テナーはどっか他所でやってくれ(>_<) ②「北酒場」、スイングするピアノやよく歌うベースを聴いていると、とても演歌だとは思えない。これはいい(^o^)丿
 ③「北の宿から」、これはもう完全にマイルスの「枯葉」のパロディーだ。あの「枯葉」の演奏をバックに、メロディーだけが「北の宿から」と考えてもらえば分かりやすいかも。日本人のジャズファンなら絶対に大笑いするはずだ。④「雪国」にもやはりマイルスが降臨、ミュート・トランペットにリリカルなピアノが絡むという、いかにも日本人ウケしそうな典型的な四畳半ジャズだ。
 哀愁舞い散る⑥「石狩挽歌」と、強烈にスイングする⑦「ほんきかしら」は2曲とも元歌を知らなかったのだが、どちらもめちゃくちゃ気に入ってしまった。そして⑧「雨の慕情」、タイトルだけではピンとこなかったが曲を聴いてみると「雨雨降れ降れ もっと降れ~♪」...八代亜紀だ(゜o゜) グラント・グリーンっぽいギターの音色で奏でられる物悲しいメロディーがたまらんなぁ(≧▽≦) この⑥⑦⑧の流れは最高やん!
 美空ひばりの⑩「リンゴ追分」はケニー・バロンや大西順子といったバリバリのジャズメンも取り上げていたが、旋律に何かしら彼らをインスパイアするものがあるのだろう。この曲、個人的にはサザンの桑田さんが歌うヴァージョンが一番好きなのだが... まぁ何やかんやでこれだけ楽しめて600円なんてエエんかいな(^_^) 良い曲、良いアレンジ、良い演奏...3拍子揃った文句なしの掘り出し物だ。

ほんきかしら

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